表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/75

55話



例のうろついている情報から特にトラブルもなくお店を開店して2ヶ月程が経ちました。

2ヶ月の間に常連さんが大分増えて、現在では100食完食する日も増えて少しホッとする。


月曜日の唐揚げ定食は塩と醤油を交互に出していて、唐揚げの日に来てくれるのは向かいの集合住宅に住んでいる薬師のエルフのシャフさんと正面右の縫製工房の主人であるムーネさん。

シャフさんは醤油派、ムーネさんは塩派らしく、大体同じ時間に来店しては唐揚げ談義に花を咲かせている、そして白熱している。

今は二種類の味しか出していないがここに中華調味料で味をつけた唐揚げやその他の味付けの唐揚げを出したらどういう風に意見が分かれるのだろう・・・・とちょっと気になってしまう。

とはいってもまずは味に慣れてもらうために二種類、そのうち味見をしてもらって種類を増やしてもいいかもしれない。


火曜日の焼肉定食の日は商人の猪獣人の親子だ。いわゆるゲームや漫画で言うところのオークをイメージしてもらうといいかもしれない。

父がマーテさん、息子さんがトイラさん。

焼肉定食の時は牛肉を黄金のあのタレを使い、事前に牛肉に味をつけて焼いたものに好みで追加でタレをかけれるようにしてある。

牛のロース肉や豚カツ用のロース肉など、週替わりで牛肉、豚肉を交互に出しているのだが、猪獣人の方に豚肉出してもいいものかシャドウに相談しましたがそもそも別の生き物だから何の問題もないとのことでした。でも、なんとも言えない気持ちになることがあります。

この親子さんはタレの味をとっても気に入っていてなんとか再現できないものか?と日々奮闘しているみたいです。


水曜日のパスタの日はいつもフードを深くかぶって来る男性。

声と身体つきから男性だとは思うのだけど、顔はまだ見たことない。だけど、この店には害のある人は来れないので顔を隠しているからと言って警戒はしなくてもいい。

パスタはミートソースパスタや牛乳を使ったクリームスープパスタ、和風の材料を使った醤油パスタの三種類を交互に出している。

クリームスープパスタの日はお代わりを頼むのでどうやらパスタの中でもクリームスープパスタが一番のお気に入りのようです。


木曜日はお休み


金曜日のカレーは、ほぼ毎日来店のリクさんとフラムさん特にフラムさんがカレーが好きでカレーの日は欠かさず来店する。

それと出禁をされていたイン。結局のところ1ヶ月半後に解禁となった。

インの仲間になってくれた女性冒険者のスーニェさんもカレー好きになってくれて常連さんとなってくれたのだが、その際にもうすこし常識を覚えなくっちゃねぇと半月伸ばすようにアドバイスをくれたのだ。その時の絶望感たっぷりのインがなんだか哀れに思えたけれどまぁ、身から出た錆びということで。


そうして解禁されたインはカレーの味にはまり、毎週かならずスーニェさんと最低三杯はお代わりをしながらアルとエルと友好を深めている。


土曜日のチキン南蛮は、リクさんとフラムさん。あとは冒険者ギルドの職員だというスキンヘッドの強面の男性ツェルツさん。

常連さんとして来るようになってから大分たったころ、子供達にも威圧感なく優しい対応をしてくれていたツェルツさんにエルが子供特有の悪気のなさでおいちゃんあたまつるつるねーって笑顔で言ったもんだからお店の中が一瞬空気が凍りましたね。

エルは全く気づいてなかったけど、この子大物になるわーってちょっと現実逃避したけどね。

で、ツェルツさん曰く、これはわざわざ剃っているのだよと笑顔で返事をしておりました。

そう、生えないのではなく、わざと、わざわざわざと剃っているのだよと大事なことなので2度繰り返してエルに説明しておりました。

エルが触っていい?って無邪気にいうものだからツェルツさんも触ってみるかー?と触らしてくれていたけれど、なんか、こう、悲しくなり。

そっとデザートをおまけしておきました。ええ、なんだか申し訳なくて・・・ね。


というわけで、他の日にも来店してくれるけれど、それぞれの常連さんは気に入ってくれた料理が出る日にやはり出現率が高いです。


今のところ大きなトラブルになるようなお客さんは来ていない。

100食が閉店前より売り切れる日に来店したお客さんが怒って帰って行ったことが2度ほどあったが、その時は運良くツェルツさんやスーニェさんが居合わせてくれて怒鳴る人を止めてくれたりしたので本当に助かった。

次に来店してくれた時にお礼としてデザートをプラスして出しましたよ〜。


そしたら二人とも何かトラブルがあったら遠慮なく言ってくれって言ってくれました。

本当にありがたいです。


それと新しいことを始めた。

開店して2ヶ月に差し掛かるころにお隣の主婦さんたちに定食に出ている料理を教えて欲しいと言われたのだ。

ただ、調味料の問題があったのでイシュタル様とシャドウに相談して、そのまま調味料を販売するのはまだやめたほうがいいということで、では月に一回、料理教室を開いた時にこの世界に出回っているビンなどに詰め替えて販売すればいいのでは?ということになったので、料理教室に参加したものだけに醤油、酒、みりん、あとは焼肉のタレやカレールーを販売することにした。


問題はタレやルーは封を開けてしまうと冷蔵庫がないと日持ちしないとうこと。

たとえ冷蔵庫があっても早めに使わなければいけないので少量を使う分だけ販売することにした。


瓶の消毒はシャドウが魔法で行なってくれたので菌の繁殖は出来るだけ防げる。

あとは早めに使うことという約束をして主婦さんたちに料理教室で最初にしつこいぐらい説明をしてそれぞれを小銅貨二枚、二百円で購入してもらった。

本当は一枚でもよかったがそれでは安すぎると主婦さんたちに怒られた。

最低でも大銅貨一枚!と粘られたが、せっかく日本の調味料を気に入ってくれたのだ、出所は秘密ということで、その口止め料として小銅貨二枚に話をまとめた。


それから1ヶ月に一回、お店の休みの日に料理教室を行うということにした。

初回はティーナさん、ファスナさん、レイラさんの主婦3人だけだったのだが、2回目の料理教室では主婦3人とディンさんローラさんご夫婦とあと、主婦さんたちの姉妹さんたちも教室に参加して総勢10名ほどで開催した。


ちなみに料理教室自体は無料で行なって、醤油などの調味料のみ購入という形にした。

3回目の開催の時もこの10名で行う予定である、が、次は子供達向けのお菓子作りの教室をするのもいいかなぁと考えている。


そう、万能の粉。ホットケーキミックスを使ったお菓子をね!


ホットケーキミックスならもともと小分けされているので販売するのも楽である。

粉が入っている袋の処分は持ってきて貰えば引き取ればいい。

ビニール系の袋が出回っていないようなので、最悪、紙袋に移し替えて早めに使って貰えば大丈夫・・・かな?


そういうわけで、現在のお店の経営はすこし不安になるぐらい順調である。

何事もないのが一番であるが、何事もなさすぎるのはなんだか怖い。


もちろんイシュタル様の加護により、守られているお店なので余程のトラブルというものはそうそう起こり得ないのだろう。


だからといって、それに甘えて気を抜きすぎるのもよくない。

トラブルというものは突如としてやってくるのだから。

とりあえず自分にいま出来ることは、出来るだけ美味しい料理を作ること、である。


さあ、明日も定食屋さんを頑張りましょう!!






読んでいただきありがとうございます。(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ