核兵器廃絶を世界に要求 続
「攻撃された??」
「あり得ない。なんだ??」
軽空母でのんびりしていたエリンたちは驚いた。直ぐに愛機に向かう。訓練を上回る45秒で発艦する。だが敵は見えない。
イージス艦の作戦指令室は混乱していた。
マッハ12の滑空弾に狙われたようだ。迎撃不能な速度だ。
「滑空弾じゃない。滑空機だ。人が乗っている」
「嘘だ。そんなものない」
「北チョウかなあ」
「北チョウはあい手にしていないよ」
「じゃ金じょんが出しゃばったのか」
一発だけで次が来ない。
「北チョウなら数多く持っていないってのはあるな。精精数発かな」
「どうする? 運任せ?」
「我々は空に居るから安全だよ」
「聞かれるよ」
「原潜に当たってくれればいいけどな。金じょんじゃあてにならない」
「きっと精密誘導が出来ないから人を乗せたんだよ」
「どこかの国で大昔有った話だな」
「しかしマッハ12のイケてる兵器を人が誘導するなんて不可能だ」
「それを考えないのが金じょんさ」
ともかく潜水艦乗組員に退避命令が出た。核弾頭は起爆しない、脅しだ。だから万が一当たっても大丈夫なように乗組員を非難させた。
「あいつ何してるの?」
シキアイが発射地点を特定し破壊したと報告してきた。
「シキアイ、最近ちょっと変よ」
ザエギ国王の脅しが聞いたのか潜水艦は去っていく。
「じゃ着艦しよう」
二人はイージス艦にヘリコプターで移動した。国王から早く結果を出せと命じられた。
「核弾頭を破裂させてプルトニュウムをバラまくしかないけど、やる?」
「致し方ない。本気を示そう。核廃絶は核にしかできない」
全世界に宣言した。
「世界標準時○○日〇〇時○○分弾道ミサイルをァ国とc国に向け発射する」
「発射弾道数は各3発。1時間の間を開けて連続発射する」
「ァ国、c国は弾道を確認し着弾の時間を求めよ。その着弾予測10分前までに核廃絶の宣誓をしろ」
ァ国大統領はTVカメラの前に座った。c国書記長もこれに倣いTVカメラの前に座った。二人とも緊張した面持ちだ。カメラの移っていない場所では情報が飛び交っているだろう。
画面に着弾予定地点と予定時刻が表示された。まだずれがある。
c国書記長の画面にも同様の情報が表示された。全く真似をするようだ。
画面の着弾予定地点を時間が刻一刻と変化する。徐々に正確な位置と時間に近づいていく。
30分前が表示された。
突然画面が切り替わった。着弾予定地点からの中継に切り替わった。
人はまだ反応できない。呆然と空を見上げている。
人々がシンクロするようにさっと動いた。乱雑な動きがさっと広がった。
車に走る人、地下を探す人。猛烈な意思がぶつかり合っている。
他人が全く眼に入らないようだ。在るのは個人の必死だけだ。
20分。
TVカメラは大統領に戻った。目が虚ろだ。個人の意識の限界を超えたのか。TVカメラの後ろでは猛烈な動きがあるはずだ。だがカメラは映さない。後方からの指示はないのか。大統領は動かない。呆けた目と明いた口を映すばかりだ。
10分。
大統領は何も言わなかった。
カメラは切り替わった。
着弾予定地点のTVカメラが無人で上を向いている。空を映し出している。未だ変化はない。何も無い。
天からこの世の地獄が現れるのを待っている。
黙示録の最後か。黙示録の最後はどのように現れるのか。TVカメラは空を見上げるのみで動かない。
人はみな逃げたようだ。だがどこへ?
巨大な白銀のフィラメントが広がった。
それは美しくさえあった。昼間の花火として十二分な明度があった。
太陽を細い糸に広げたようでもあった。糸は光り輝いた。
それはスーと落ちてきた。
光は消え、黒い雲のような筋が地表に落ちていく。
早く完が打ちたい




