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~逝け~
「土方、お前良い目してんな。人殺しの目だ」
芹沢はそう言って笑う。
芹沢の目も、土方同様殺しの目をしていた。
「あたり前だ。今からお前を殺すんだからな」
土方は芹沢の所にゆっくり歩いていく。
しかし土方の後ろには、さっき切られた平山がいた。
「君は土方君の邪魔をしないで下さい」
平山はそう言った山南に背中を切られ、逝く。
「総司。そっちは大丈夫か?」
沖田の方を見ず、芹沢の方を見たまま聞いた。
「こっちは問題ありません。それより土方さんは…大丈夫そうですね」
土方を横目に見た沖田は、土方の顔を見て安心した。
安心どころか、少し寒気を感じた。
「芹沢、逝け」
その声は冷たく、恐ろしい程の威圧だった。
「楽ませてくれよ。土方!」
お互いが構えあう。
芹沢が土方の左脇目掛けて切りかかる。
が、それを読んでいたかのように土方は刀で受け止めた。
動ける、私刀なんて使ったこと無いのに。
土方さんの体に染みついているんだ。
でも、これなら行ける!
受け止めた土方は芹沢を受け流し、そのまま首に切りかかる。
しかし、芹沢は土方の顔を殴り避ける。