~大丈夫~
砂利道の中静かに歩き、芹沢のいる部屋まで来た。
部屋の中は暗く静かだ。
沖田は唾をごくりと飲み、左之助が戸を開けた。
「思ったより遅かったな」
「!?」
「どうした、そんなに驚いて。あん? この俺を殺すのにお前ら二人か?」
芹沢は壁に背中を付け、左之助、沖田を威圧する。
そのそばに、新見と平山が控えていた。
「なんだよ、俺たちがここに来ることを知ってたのかよ」
芹沢に槍を向けながら左之助が言う。
「左之兄ィの声がでかかったんだよ、もー!」
「お前らからは匂いがしたからな。殺しの匂いがきついんだよ。人、殺したこと無いのか?」
「あるに決まってんだろ! お前も俺に殺されるんだよ!」
そう言って左之助が芹沢に切りかかる。
華麗にそれをかわす芹沢。
「お前の槍じゃ俺は殺せない」
「なら、こっちはどうですか」
かわした芹沢の背中に切りかかる沖田。
だが、芹沢の蹴りが沖田の腹に入り、吹っ飛ぶ。
飛んだ先には新見がいた。
「さあ、君の相手は私だ」
新見は、鞘から刀を出しながら言う。
「総司! 大丈夫か!」
「こっちは問題ないです」
沖田は腹を抑えながら、なんとか声を出した。
「お前は人の心配をしている場合か?」
右手で持った刀を、左上から右下に向けて切りかかる芹沢。
それを何とか受け止める左之助。