討伐
とりあえずガイアスには明日付いてきてもらって、盗賊を縛る役をしてもらおう。
報酬はカレールウ。
レシピは教えないけど、このルーから研究するなら頑張ってほしい。
ちなみに領都にカレー屋さんがオープンしているので、それも教えておいた。
今日はアイテムボックスに入っている適当な料理で腹を満たしてもう寝ることにする。
マリナとか飯食べながら船こいでるし。
明日は早起きだしね。
♢ ♦︎ ♢
翌朝。
まだ誰も起きていない時間。
マリナも鼻ちょうちんを作っている。
お前……見た目は可愛いのになぁ。
残念なやつだ。
「ガイアス!ガイアス!起きて!いくよ!」
「ふぁっ!?なんだ?何があった!?」
寝ぼけているガイアス。
ちなみに昨日いくらか喋って打ち解けたので敬語はやめた。
俺はガイアスを肩に抱えて森へ向かった。
木の上をピョンピョンしながら結構な距離を進むと崖にぶち当たった。
この崖沿いのどこかだな。
とりあえず崖沿いに歩いていくと、人が立っている。
ボロボロの装備を身につけたいかにも野盗やってますって感じのおっさんが2人。
見張りかな?
「ガイアス起きてる?」
「おきてっ……!エロエロエロ。」
俺に揺られてた振動で酔ったみたいだ。
汚いなぁ。
「キンタ、お前、ただのガキじゃなかったんだな!俺のパーティに入れてやってもいいぞ!」
立ち直り早いなぁ。
吐き慣れてやがる。
酒だろうな。
とりあえずガイアスにポーションを飲ませて作戦を説明する。
「じゃ、正面から潰してくっから、気絶してるやつから縛ってね。」
アイテムボックスから取り出した大量の縄をガイアスに渡す。
便利そうなものは片っ端からアイテムボックスに突っ込んでるので、今の俺のアイテムボックスは青だぬきのポケットくらい色々入ってるのだ!
「あぁ、わかった。お前の戦闘能力は知らんが、ガキが無理するんじゃないぞ?」
ガイアスもアホで自分に正直な事以外は普通の大人なんだな。
ちょっと関心した。
「大丈夫、大丈夫。俺、魔獣1人で倒した事あるし。」
「はぁ?嘘だろ!?」
「マジマジ。盗賊団なんて楽勝だよ。」
そのまま俺は走り始める。
とりあえず見張りの2人を当身で潰し、洞窟の入り口にあった鉄門を手刀で両断する。
またつまらぬものを切ってしまった(素手)。
洞窟の中は結構整備されているようだ。
左右の壁には松明が焚かれていて明るい。
扉を壊した時結構な音がしたので、数人が奥から出てきた。
はい、当身。
そんな感じでサクサクと奥に進む。
特に迷うことなくなんか豪華な扉のある部屋の前に着いた。
鍵は無さそうなので普通に開ける。
するとそこにはベタに女性を侍らせたいかにもボスですって奴が椅子に座っていた。
ヘル○ン王子の黒歴史みたいだ。
その横にはこれまたベタな三角帽子で木の杖を持った魔法使いらしき男がいる。
黒髪のエルフじゃないのが残念である。
「誰だガキ。」
「俺はキンタ。ちょっと盗賊団潰しに来たんだけど、ここガローデ盗賊団であってる?」
「どうやってここまで来た?」
「俺の質問に答えろや汚いおっさん。片っ端から倒して来たに決まってんだろ。」
「俺はガキでも容赦せんぞ。コリロ、殺せ。」
「はっ!ゴニョゴニョ……ウインドアロー!」
なんか詠唱らしき文言を呟いた男の方から魔法が飛んでくる。
風の矢だな。
しかも単発。
俺はスッと半身になり避ける。
すると魔法使いの男がまた詠唱を始めた。
うぜぇ。
俺はダッシュで近づき、パターン通り当身を決める。
魔法使いの男はあっさりと倒れた。
とりあえず杖と帽子パクっとこ。
ブォン。
俺の上を何かが通り過ぎた。
大剣だ。
「このガローデ様をここまでコケにしたのはお前が初めてだ、ガキィ!」
雑魚専用のセリフを吐くガローデ。
その手には無骨な大大剣が握られている。
かっこいい剣だな!ガ○ツ見てえ!欲しい!
ガローデは大剣を構え直し、こちらを睨む。
女性たちは既に避難したようだ。
「覚悟しやがれぇ!」
突っ込んでくるガローデ。
俺はするっと後ろに回り込み当身を決める。
「がっ!」
小さな声を上げて、ガローデは気絶した。
弱っ。
一発ですか、そうですか。
とりあえず大剣をいただく。
あとは残党狩りだな。
入念に洞窟内を調べ上げる。
敵がいたら当身、宝があれば回収し、女性がいれば事情を聴く。
ふーむ、こんなもんだろうか。
あとはガイアスに任せよう。
「おーい、ガイアスー!終わったよー。」
外に出てガイアスを呼ぶ。
「だっ、大丈夫なのか!?」
「大丈夫だって。それより洞窟の中で大量に人が倒れてるから、縛るの手伝って。あ、捕まってた女の人とかいるから気をつけてな。……手ぇ出すなよ?」
「出さねーよ!ティティーヌに殺されるわ!」
余談だが、ティティーヌとはガイアスのパーティメンバーである。
なんでもガイアスは幼馴染の女性2人とパーティを組んでいるらしい。
魔法使いのティティーヌと回復術師のレイラ。
ちらっと見たがどちらも美人だった。
ガイアスはアホの癖にリア充なのだ。
「というか女がいるならティティーヌとレイラも連れてきた方がいいな。キンタ、連れてきてくれ。休憩所で俺を待っているはずだ。」
こいつ……!
アホの癖に紳士ぶりやがって。
「わかった。起きてる奴がいるかも知れんから1人で先に入るなよ。」
「おう。」
俺はダッシュで移動し、休憩所に戻るとティティーヌさんとレイラさんを見つけて事情を説明した。
「はぁ、またあのバカは勝手に行動して。」
「いいじゃないですか、ティティーヌ。そのバカなところが可愛いんですよ。」
ため息ついたのがティティーヌさん。
可愛いとか言ってるのがレイラさん。
ガイアスにも当身かましてやろうか。
2人を小脇に抱えてまた木々を渡りながら洞窟に向かう。
抱き抱えている柔らかな感触からガイアスへの憎しみが増していくぜぇ。
到着して2人を下ろすと、ガイアスが駆け寄ってきた。
「おう!来たか!手伝ってくれ!」
しばきたいところだが今は我慢。
全員に荒縄を渡し、洞窟内の盗賊たちを縛って回る。
「そういえば魔法使いって縛るだけで大丈夫なの?」
「大丈夫よ。ほとんどの魔法使いは杖が無いと何もできないわ。こいつくらいの魔力量だと絶対無理。」
コリロを指差して説明してくれるティティーヌさん。
なら安心だな。
こうしてせっせと全員縛り終えた後、俺は外に出て、全力グーパンを森に向けて放つ。
まぁ移動の為の道作りだ。
流石に休憩所までは遠く、一発では届かなかった。
数回繰り返して森を切り開く。
ガイアス達が惚けた顔で見てだけど無視だ。
道をつなぎ終えたら、あとはガイアス達に任せる。
領都に行って報告してくれるそうだ。
一応ボスのガローデは首を持って行くらしい。
なむなむ。
あとはガイアスに持てるだけのカレールーを上げて、ミッション完了!
「ポタラさん!終わりましたよ!」
「思ったより早かったですね。これなら今日出ても次の休憩所に間に合いそうです。」
「キンタくん、ひまー。」
何はともあれ、盗賊団討伐完了!
次はダンジョンだ!
読んでくれてありがとぅー!




