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釣り

今日も懲りずに森に来ている。

リリアとマリナが一緒だ。

目的は釣り。


この森には川が流れている。

北から南にかけてだ。

町の東側にも流れているのだが、そちら側は生活用水やら農場用水やらを引いている太い川で若干の濁りがある。

森の川は清流で、釣って食べるならこっちの方がうまそうだと思ったのだ。


釣り道具は適当に用意した。

餌は生き餌と毛針だ。

何が釣れるかはわからん。


「ねーねー!何するのー?早く遊ぼーよー!」


保護から数日たった今、マリナはクソうざ女子と化した。

俺の周りをうろちょろうろちょろ。

「何してるのー?」

「遊ぼー!」

「お腹すいたー!」

「ちん◯んに骨あるのか確認させてー!」

等々。

流石エルフ。

可愛いから許す。

ち◯ちんは十年後に好きなだけ見せてやるよ。


「今日は川で遊ぶぞー!」


「川!?やったー!川どこ?早く!早く!」


「おちつけ、おちつけ。もうすぐだから。」


「わーい!リリア!リリア!川だって!泳いでいいかなぁ?!お魚いるかなぁ?!」


マリナは歩きながらリリアをもふり、うざ絡みしている。

すまんリリア。


そんなこんなで歩く事30分ほど。

川に到着した。


「川だー!!」


「川だー!!キャハハッ!」


「ぐるるるぅ!」


川ってテンション上がるよね。

大人気なく叫んだら二人も続いた。


うむ。息が合っておるな。


さて、まずは毛針から挑戦だ。

川は清流らしく大きな岩がゴロゴロしていて、水が綺麗だ。

流れは早そう。


うーむ、町の反対の川となんでこんなに違うんだろうか?

あっちは太くて濁った川なのになぁ。

海抜も同じくらいだろうし。

自然って不思議!


まぁいいや。

とりあえず第1投だ。

先程から魚影はチラチラ見えている。

大きな岩の陰の流れが遅くなっているあたりを狙って。


「そーれ!」


ぽちゃん……。


「そーれ!!」


ばしゃーん!!


は?

横を見るといないマリナとリリア。

下流に目を向けると、流れていくマリナとリリア。


……めんどくせぇー!!


「たのしーーねーーー……!!」


遠ざかっていくマリナの笑い声。


「ぬぉぉぉぉ!!」


釣り道具は破棄し、川沿いに走り追いかける。

当然だが直ぐに追いついた。


「あーキンタくんきたー!ねー一緒に泳ごーよー!!」


マリナはひっくり返ってぷかぷか浮かんでいるリリアを浮き輪にして流されていた。

リリアも呑気に上向きで鼻かいてる。


まぁいっか。

川沿いの散歩もよかろうて。


「大丈夫かー?」


一応声をかける。


「何がー?キンタくんもおいでよー!」


行かねーよ。

小走りで横をついていく。


どんぶらこっこどんぶらこ。


流されていくクマとエルフ。

川沿いに流れる平和な空気。


幸せやのぅ。


たったかたったかと、駆け足で2人を追いかける。

マリナはたまに上がる水しぶきにきゃっきゃきゃっきゃはしゃいでいる。


どれくらいで2人を引き上げようかと考え始めた頃、俺の足は完全に走り始めていた。


あれ!?流れはやくね!?


「はやーい!」


はしゃぐマリナ。

俺はふと先を見た。


「ガッデム!」


先はない。

崖だ。

てか滝だな。

ベタベタやんけ!


「うおあ!!」


俺は勢いよく川に飛び込むと、リリアとマリナをがっしりと抱え込む。

2人を陸に投げる時間は無いし、投げたとしても着地が不安だ。


次の瞬間。


俺たちは宙に投げ出された。


「きゃっはー!!」


マリナ……楽しそうでいいな……。

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