27歳と27歳 2
「うっ、うー」
ここは…ミズキの家か……
私はたまーに飲みすぎてミズキの家にお邪魔する。
頭痛い。
「はい、水」
「あー、あんがと」
「今日買い物付き合ってくれるか?」
「ちょっと待って」
家に電話すると、ノアが急におとなしくなったので大丈夫とのことだ。
「私服洗ってないけど」
「デパートで買えば大丈夫だろ」
「お金そんな持ってきてないし」
「あぁ。とりあえず行こう」
ーーーーーーーーーーーー
朝ごはんはデパートで食べることになった。
しかし、私には空腹よりも問題があった。
高いブランドの服屋にミズキに連れてこられたのだ。
「いや、私無理。本当に無理」
「いいから」
駄々っ子並みに抵抗したが、負けた。
試着室で着せ替え人形になった間、平安顔の私にも似合う服がピックアップされ、カードでミズキが代金を払っていたらしい。
「後でお金返すから」
「今日付き合ってくれたらそれでいいよ」
「いや……でも……」
「なら、お前引っ越せ」
昨日、ノアのことも愚痴ったのだ。
「あのガキに負けんな。いい物件探してやるから」
「えー。実家以上の優良物件があるとは思えませーん」
「なら、今ここで金を返せ」
「えっ」
「金を返すか、物件探すか、どっちかだ」
「えー」
「どっちだ」
いずれ引っ越そうと思ってたが……
今?なんで今?
「早くしないと」
「ぶ、物件いく!いく!」
「うし!その前に指輪一緒に見てくれるか?」
「結婚のやつ?」
「あぁ」
私でいいのか?
こういうのって夫婦で決めるんじゃない?
「私でいいなら」
「先に指輪いくか」
「うん」
1日過ごしたが、なんか新婚さんみたいだった。
指輪は私のサイズで決めようとするし、物件探しでは2人暮らしの部屋数を紹介されるし……なんか違和感?があった。
「じゃ、また今度」
「うん、あんたが落ち着いたらね」
家まで送ってもらった私。物件も決まり、来月から住むことになった。
「服ありがとう」
「お前が少しかわいくなれてよかった」
「一言余計」
「フフ」
角を曲がるまで見送った私はドアを開けようとすると……
「ゆき!」
泣き腫らした目のノアが出てきた。