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log:01-接続-

静かな朝。

広いラウンジで一人、如雨露を傾ける。


長いブロンドヘア。

癖のある後ろ髪をシュシュで束ねる。

少し前かがみになり、水をやる。


薄く透き通るような緑の瞳。

目の前のプランターを見つめて微笑む。


花の水滴が、窓からさす光に反射する。


彼女の日課だ。


ーピッ。


接続音が部屋全体に響く。

同時に。ラウンジの扉が開いた。


入室してきたのは、白髪の、女性。

ショートヘアに青メッシュ。

黒テック系ファッション。

朝の空気とは違う雰囲気を漂わせている。


「おはよ、ルカ。…朝早いね。」


「ソルおはよぉ〜。また徹夜したぁ?」


「まぁね。」


青い目を片方瞑り、あくびをしながら席につく。

多数のモニター。足元の配線と机上の機材。

画面の明かりがソルの顔を青く照らす。


キーボードを叩く音。


背後から、鼻歌が聴こえてくる。


特に気にはならない。


朝の日常だ。


しばらくこの時間が続く。


ポットが湧く音。


今度はキッチン側に立つルカ。

焼きたてのトーストにフルーツを挟む。


ーピッ。


再び、ラウンジゲートが開く。

また1人、女性が入ってきた。


「あ!おはよぉ〜!イヴ〜!」


「…ん。…朝から賑やかだね。」


クールに返答する。

薄青い瞳が、ルカをじっと見つめる。


黒髪を肩上で縛り、白シャツ黒パンツのシンプルな服装。

首には黒チョーカー。


ラウンジ中央の大きなソファに腰掛ける。


隣からはずっと、タイピング音が鳴り続けている。


静かにため息を着く。


「…ソル。うるさ。」


「はは、ごめんごめん。」


「…別にいいけど。」


怒っているわけではない。


いつもの事だから。


「はい、コーヒーどうぞ〜。」


「いつもありがとう。」


「イヴはお紅茶ねぇ〜。」


「…ありがと。」



そんな時間が過ぎ、日が暮れる。



室内の間接照明が辺りを照らす。


ふと、モニターが点滅する。


「お。きたきた。」


ソルが機材のスイッチを押す。


3人の耳元付近に、リング状の光が浮かぶ。


ーただいま。


ラウンジ全域へ低い音が広がる。

照明とリングの灯りが小さく揺れた。


男の声。


少し疲れたような息遣い。


その場には居ない“外の声”だ。


「ライくん、おかえりぃ!」

「今日もお疲れ様、ライ。」

「…おかえり。」


三人が同時に返答する。


変わらない声だ。


他愛のない話、それが心地いい。


時間が過ぎ、通話が終わる。




照明が再び緩やかに部屋を照らし始める。


耳元の通話用デバイスが消えた。


「…じゃ、私帰る。」


「ふふ。じゃあ私も落ちるね〜、バイバイ!」


ラウンジゲートを開ける。


イヴは足早にゲートをくぐる。

続けてルカが後を追うようにゲートを抜ける。


2人の姿が青白いの粒子に変わり、消えた。


扉が閉まると、静まり返った。


椅子の上でゆっくり背伸びをする。


「さて、私も帰るか。」


全てのモニターの電源が落ちる。


ーウィーンッ。


ソルの姿も消える。


誰も居ないラウンジの灯りが沈む。

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