エピローグ『そんにゃこともあったのにゃん!』のその②
エピローグ『そんにゃこともあったのにゃん!』のその②
ウチは一つ気ににゃっていたのにゃ。
「にゃあ、レミロにゃん。もしにゃよ。もし、今回の企てが成功していたのにゃら、本当にカイラにゃんは妖魔の王とにゃってしまったのにゃん?」
「無理ですよ。ふふふっ」
レミロにゃんがこともにゃげに笑う。
「カイラのいった霊術とは、『幻想霊術』とみて間違いありません。『幻想』の空間や力を生み出し、霊体の万能感覚である霊覚に、その幻想を本物と誤認させる力です」
「にゃら、ウチらがやった数々のミッションも」
「幻想によって生み出されたもの。ミッションも含め、あの館で体験した全ての出来事が」
「にゃんと……」
「カイラは幻想で戦うことこそが無敵の証と信じていました。しかしながら、所詮、幻想は幻想でしかありません。戦いを熟練した相手ならば、あっさりと見破られてしまうのがオチです」
「にゃろうにゃあ」
「妖魔にかぎらず、本物の強さを持たぬ者が、ましてや、幻想でたぶらかして力を奪う者が、『王』などと呼ばれる者になれるものですか。
これもまた、にゃあまん殿がカイラを嫌った理由の一つ、なのでしょうね」
「でもにゃ。もし仮に、にゃあまん様の力を使えたにゃら、あるいは」
「ふふっ。カイラもそれを期待していたのかもしれませんが、奇生魔という、他者の力を当てにする低級レベルの妖魔が、戦神の力を使えるはずもありません。意識という点からしても、正と邪が交わることなどあり得ません。
それこそがカイラの幻想だったのですよ。カイラは自らの幻想に踊らされてしまっただけなのです」
「そして、自分の幻想に滅ぼされた……ってわけにゃ。
にゃんとも皮肉にゃ最後にゃん」
《ちぃとばかし、セリフにもカッコつけてみましたのにゃん》
《やれやれ。終わりのほうになると、みぃんなぁやりたがるのよねぇ、老いも若きも男も女も。『まとめ役争奪戦』って、日に日に激しさを増していくのじゃないかしら。
……この世に、お話が生まれ続けるかぎりは》
「ところで、と。ミアン殿。一つ、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
「ウチに? まぁ構わにゃいのにゃけれども。
で? にゃにが聞きたいのにゃん?」
「もし、仮にですよ。カイラが妖魔なんかじゃなく良心的な霊体だったとしたら、館はあのままにしておきましたでしょうか?」
「どうしてそんにゃことを?」
「これも参考の為です。イヤなら構いません。でも出来れば」
「うぅぅん。そういう仮定の話は苦手にゃのにゃけれども……。
多分、それでもお引き取り願うと思うのにゃ」
「どうしてでしょうか?」
「あそこはミーにゃん同盟のホームグラウンド、憩いの場所にゃ。遊び場であると同時にウチらの友情を深める場所でもある。それを奪って欲しくにゃかったのにゃ」
「なるほど」
「それににゃ。も一つの触れ合いを取り持つ場所でもあるしにゃ」
「もう一つ? なんでしょうか?」
「ウチらの棲む『イオラの森』はにゃ。イオラにゃんの気配はもちろん、神霊と呼ばれる地霊ガムラにゃんの気配をも色濃く出ている森にゃ。でもってウチらの遊び場は、イオラの木が根を張る『湖の広場』に次いで二つの気配を強く感じる場所。にゃもんで大地とたわむれればたわむれるほど、もっと具体的にいうにゃら、草むらに、ごろごろ、と転がれば転がるほど、たったったっ、と駆け回れば駆け回るほど、イオラにゃんともガムラにゃんとも親交を深めているように思えてにゃらにゃいのにゃん。両者の温もりをこの肌に感じているように思えてにゃらにゃいのにゃよ」
《どうしてかしら? なぁんか無性にお礼をいいたくなったわ。
ミアンちゃん、ありがとう》
《どういたしましてにゃん》
「そうでしたか。ミアンさんが守りたかったのは『絆』だったのですね」
(絆……かもにゃあ。……いんにゃ。かも、じゃにゃい)
レミロにゃんが口にした一語がウチの心に確固足る思いを形造るのにゃ。
「うんにゃ。絆にゃ。ここに来るのもそうにゃ。レミロにゃんやにゃん丸。それに」
「それに?」
「マザーミロネにゃんとの絆を大切にしたいと思っているからにゃ」
ぽろりん。
メロディがまた流れてきたのにゃ。
「おや? レミロにゃん。あれは?」
「マザーが感謝しています。『有難う』って」
「マザーにゃんがにゃあ」
とめどもにゃく聞こえてくる柔らかにゃ音色。その優しい調べに……、
ウチは、ふんわり、とした感触の椅子にしゃがみ込んにゃまま、いつしか目を閉じていたのにゃん。
《にゃあまん第三話『謎の館が邪魔にゃのにゃん!』もこれにて終了にゃあ》
《ミアンちゃん、お疲れ様でした》
《イオラにゃんも長々とつき合ってくれて、有難うにゃん。
監修、お疲れ様でしたのにゃん》
《ということで、ぱちぱちぱち、と拍手を……送りたいところではあるのだけれど、とてもそんな気持ちには、なれないのよねぇ。ふぅ。自分ながら、困ったものだわぁ》
《ふにゃ? にゃんで?》
《一つだけ腑に落ちないのよ。聴いてくれるかしら?》
《そりゃあまぁ他にゃらにゅイオラにゃんの頼みとにゃれば。
で? にゃんにゃの?》
《レミロちゃん……ううん、影霊だから、やっぱり、マミちゃんね。
エピローグはマミちゃんとじゃなくって、今の今までこうやって語り合ってきたワタシとの2ショットのほうが、誰が見ても納得するのじゃないかしら?
『ああ、なるほどぉ。最後まで喋り続けたのは、みぃんなエピローグでの語らいを念頭に置いてのことなのね』って。
違う? ミアンちゃん》
《はっ!》
《はっ! じゃないわっ!》
《ま、まぁアヤマチは誰しもがあるものにゃよ。
ましてやウチはネコ。あって当然で、にゃいほうがおかしいくらいにゃ。
……ということで、どうにゃろう? イオラにゃん。残りあとわずかとにゃったのにゃけれども、にゃにかやりたいことがあるのにゃらば、『はい、どうぞ』にゃん》
《だったら》
《んなアホなぁ》
《ふにゃっ。ミーにゃんまで現われてしまったのにゃん》
《にゃあまん三部作の最後だもん。出て当然なのわん》
《ひどいわぁ。最後の最後になって、ここでの出番すら奪われちゃうなんてぇ。しかも自分の造り子によ。あんまりじゃない》
《まぁまぁ。ミーにゃんにしても悪気はにゃいのにゃ》
《うん。無邪気な幼児なのわん》
《なんでも無邪気っていえば、許されると思ったら、大間違いのこんこんちきよ。
ワタシからいわせれば、無邪気なゆえに残酷なの。自覚がないだけに余計、怖いのよねぇ。そこのところが、世間様はあまりよく理解していないのじゃないかしら》
《イオラにゃん、愚痴はそれくらいにしてにゃ。やりたいことがあるのにゃら、これ以上、邪魔が入る前に、さっさと、おっ始めたらどうにゃん?》
《んもう、急かしたりしてぇ。
だったら……ぐすっ。泣いてもいいかしら。ミアンちゃん》
《もちろんにゃよ。感動のエンディングに涙はつきものにゃもん》
《違うわっ! ぐすん》
おっしまい、にゃん!
「にゃあ。メリークリスマスにゃろ?」
「メリークリスマスなのでありまぁす」
「メリークルシミマス、
ではなく、
メリークリスマスですよ」
「もち。
メリークリスマスなのわん」
「にゃら、せぇにょぉっ!」
『メリークリスマスにゃあぁん!』
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「残念にゃがら」
「なにわん?」
「これって、天空の村にはにゃい風習にゃんよ」
「しぃっ。黙っていれば判りっこないのわん」




