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第十一話『意外にゃモノとのご対面にゃん!』のその②

 第十一話『意外にゃモノとのご対面にゃん!』のその②


 にゃあまん様とは……、はるか大昔、天外魔境からやってきた愛と正義の戦神にゃ。ネコ人型モードの体型で、ヨモギ団子の真ん丸オモチを幾つもくっつけた姿という、にゃんとも変わった神でにゃ。かつては天空の村の為にいろいろと活躍したのにゃ。しかしにゃがら闘いに次ぐ闘いは戦神の心を、身体を動かす『心の力』さえも失わせてしまったのにゃん。

 ところで……。

 イオラの森は幾つもの小っちゃな森と広場で構成された森でにゃ。その間を拭うように『森路』と呼ばれる道が通っているのにゃ。

 力尽きた戦神は……他にどうしようもにゃかったのにゃろうにゃあ……、森路の途中で白っぽい石像へと身を変え、そのまま、おネムってしまったのにゃん。

 そしたらにゃ。

「神様をこんなところに寝かせていくわけにはいかない」

 実体をもつ生き物、妖精、精霊にゃど、森のありとあらゆる命が、この思いを抱いたことで、ささやかにゃがらも、森路の一角に、『にゃあまん神社』にゃるモノが造られ、そこに祀られることとにゃったのにゃん。


 にゃらばおネムったままかといえば……、必ずしもそうじゃにゃい。ウチらでさえ、にゃんにゃかんにゃと、にゃあまん様には、お世話ににゃっているのにゃん。


《お世話って、家事手伝いとか?》

《あのにゃあ。にゃあまん様は戦神にゃんよ》

《あら。戦神は家事手伝いをしちゃいけない、っていうルールでもあるの?》

《じゃにゃい? お皿を片っ端から壊したらダメにゃもん》

《すっごいわ、ミアンちゃん。なんて説得力のある言葉なのかしら》


「はっはっはっはっはっ! あぁっはっはっはっはっはっ!」

 光から聞こえてきたのは、ミーにゃんよりも覇気が強そうにゃ笑い声。

「誰にゃあ! あんたは」

「問われて名乗るもおこがましいが……、わらわこそがカイラ。奇生妖魔カイラよ」

「寄生妖魔にゃとぉ?」

「本来の呼び名は。たいていは『寄生魔』と呼ばれているわ」

「ちょぉっと待つのにゃん。確かぁ……。

 ヤカンにゃんも自分のことを『寄生タイプ』とかいってたにゃあ」

「そのヤカンの霊力を得たことで、妖魔館を宿主として生まれたという苦々しい呪縛からこの身を解き放てたわ。どんな個体でも相性さえ良ければ、自由自在に寄生することが出来るようになったのよ。はっはっはっはっはっ!」

(さっきから笑い声ばかりにゃん)


 カイラにゃんの話に依れば……。

 大宇宙には、どこへともにゃく流れゆく星、『漂流惑星』が、無数とも呼べるくらい数多く存在するのにゃ。その中の一つ、妖魔が棲む星『デルガ』には、たぁくさんの霊火が大空いっぱいに、ぷかぷか浮かんでいる。幻のように、ぼぉっ、としたその炎の色は、赤から青へ、青から赤へ、と交互に入れ替わるのにゃ。これらはみんにゃ、滅びた妖魔の欠片。ヤカンにゃんにゃって、そうした霊火の一つにすぎにゃかったのにゃん。

 ある日、ある時にゃ。『デルガ』が惑星にゃあまんの近くを通り過ぎようとした際、にゃあまんの表面に爆発が生じたのにゃ。すると、そこから一つの光、『にゃあまん光石』が飛来してにゃ。偶然にも、ヤカンにゃんの霊火と接触してしまったのにゃん。光石から発せられる霊力を浴びたことで、ヤカンにゃんは奇しくも、『奇生魔』としての自我を覚醒。自分を導いたその力の強さに心惹かれて、光石を宿主と定めたのにゃん。

 ところがにゃ。天外魔境を利用して放浪の旅を続ける間に、二つの難題にぶち当たったのにゃん。一つはにゃ。自分のように、『にゃあまん光石』の力に惹かれ、追っ駆けてくる妖魔があとを絶たにゃいこと。も一つはにゃ。自分にはこの光石の力をフルには使えにゃいということにゃん。

 一つ目の難題は、偶然、見通しが立ったのにゃ。

 とある惑星を訪れた際、通りかかった妖魔館に、『にゃあまん光石の隠し箱』としての価値を見い出したのにゃん。この中に置いておけば、……もぉっと詳しくいうにゃら、この中にある『パンドラの箱』に隠しておけば、光石の霊力が外に漏れずに済む。隠し通せる、と確信したのにゃ。にゃもんで、その妖魔館に宿る妖魔(=カイラにゃん)を倒し、奇生魔としての力で自分が代わりに居座ろうと画策したのにゃ。


「しかしながら、ははっ。わらわの敵ではなかった。こちらが繰り出す霊術に、とことん翻弄された挙句、おろかにも、にゃあまん光石から飛び出してしまったのよ。本体である核の部分を、『霊火』の姿をさらけ出したの。こうなれば、もはや素っ裸同然。記憶とか霊力とか、頂くものを頂いたら、あっけなく、の表現がぴったり当てはまる形で霊火は消滅。と同時に、わらわにも変化が訪れたわ。それまでは妖魔館という建物に縛られた、形のない『核』でしかなかったのに……、気がついたら、わらわ自身が霊火となっていたの。

 ねぇ。そのあと、どうしたと思う?

 ははっ。聴かなくても判るわよね。そう。わらわも妖魔。強い力は欲しい。だから……、にゃあまん光石と一つになったのよ。そして……、パンドラの箱に戻ったというわけ」


 奪ったヤカンにゃんの記憶から、二つ目の難題の存在を知ったのにゃん。でもってそれがカイラにゃんにも該当することも。といって折角手に入れた貴重にゃ力にゃ。手放すのは、もったいにゃい。にゃもんで、どうにかにゃるまいか、と思案したところ、ヤカンにゃんの記憶の中に解決策が一つあってにゃ。『にゃあまん』にゃら、光石の力をフルに使えることが判ったのにゃん。

 どこかに心を失ったにゃあまんが居にゃいものにゃろうか。居れば、奇生魔の力とにゃあまん光石、この二つでもって身体を乗っ取れる。自分の身体として思い通りに動かせるのにゃん。そう考えて天外魔境の分岐点でお願いしてみたらにゃ。

 ……ここ『天空の村』を案内されたのにゃん。


《にゃあ、イオラにゃん。フィーネ先生にゃんって、どうしてあんにゃにもあっさりと、トラブルの元を案内してしまうのにゃん?》

《そこに願う命があるから、だそうよ》

《そこに山があるから、みたいにゃもん?

 ……って、このセリフ、どこかで一回、口にした気がするのにゃん》


「どうやら、にゃあまんのことを知っているようね。だったら話が早いわ。

 そう。わらわが欲しがっていたのは、にゃあまん、戦神の身体よ。それと、『にゃあまん光石』とが、いい換えれば、わらわとが、一つになりさえすれば、想像もつかないほどの力を振るえるようになる。たとえ、にゃあまん自身の力を使えなかったとしても構わなくてよ。わらわの霊術を最大限に発揮出来れば、向かうところ敵なし。上手くいけば、ふっふっふっ。妖魔の王すらをも打ち負かせるほどに」

「にゃんと!」

「もうじっとしてはいられない。早速にゃあまんに飛び込んでみなくては。首尾よく宿主として扱えるようであれば、妖魔館とはおさらばよ。わらわの残滓があるから、しばらくはその個体を保っていられようが、朽ちていくのは時間の問題。まっ、捨てた宿主がどうなろうと、こっちの知ったこっちゃないわ。それよりも……ふふっ。

 わらわが戦神になる。わらわが。

 ふっふっふっふっふっ。 はっはっはっはっはっ! あぁっはっはっはっはっはっ!」

 部屋中にカイラにゃんの高笑いが鳴り響く。

「この日をどれだけ待ったことか。

 ふっふっふっふっふっ。わらわが、妖魔の王をめざす時がついにきたわ」

「ミアン君。あれを見て」

「ふにゃ?」

 話に割り込んできたミクリにゃん。その指し示す空の先には。

「ミクリにゃん。ひょっとして」

「うん。にゃあまん様のご神体だよ。あっ、こっちへめがけて飛んできた!」

「光に誘われてしまったのにゃん。まずいのにゃあ」

 きらきらものが好きにゃのか、いつものように向かってくるのにゃん。

「さぁ来なさい! 早く。早くぅっ!」

 ウチは見たのにゃ。ご神体とにゃまん光石がぶつかるさまを。音を立てることにゃく光石の輝きはどんどんどんどん大っきくにゃって……そして、ぱっ、と消えたあとには。

 ずんぐりむっくり!

 ヨモギ団子の真ん丸オモチが幾つも繋がっている身体、薄緑の生地に濃い緑がところどころちりばめられているあの身体が、悲しいかにゃ、現われてしまったのにゃん。

 どしん! どしん!

 ヨモギ団子の身体が足音を轟かせにゃがら、こちらへとやってくるのにゃ。その勢いに圧倒され、ウチは……多分みんにゃもにゃ……、身動き一つ出来にゃい。

「新しい身体を得た記念に、まずはお前からあの世へ送ってやるわ」

 見上げたウチの目の前には、もちもちの右足の裏側が。

「もうダメにゃん!」

 思わず、目を瞑ってしまったのにゃん。


 頭にずっしりと重いモノが乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ…………。


 霊覚交信にゃろうか。三つの声が心に届いた、気がしたのにゃん。


「こらぁっ! アタシのミアンになにする気なのわぁん!」

「ど、どうして! どうしてお前が目覚めるのよぉ!」

「んなこと、どうでもいいわん! とっとと、にゃあまんから出ていくのわん!」

「冗談じゃない。誰が出ていくもんですかぁ!」

「出て行け」

「えっ。誰? 誰の声なの?」

「吾輩の名は『にゃあまん』。戦神だ。

 そなたの心根。ここに居るに値しない。さっさと出て行け。どうしても出て行かぬというのであれば、力づくで追っ払うまで」

「そ、そんなぁ!」

「あがいてもムダだ。吾輩は戦神。荒神なるぞぉ!」

「ああああああああ」

「それに引き換え……。ミーナとやら。しばしの間、この身体を貸して遣わそう。気の済むまで思う存分、暴れるが良い」

「うわん。なぁんて気前がいいのわん。なら、お言葉に甘えて。

 やい、カイラ! さっきもいったけどさ。もう一度いうわん。

 てめぇなんか、大っ嫌いだぁ! とっとと出て行きやがれぇっ!」

「きゃあああっ!」


(出て行きやがれぇっ、って、怒り爆発で地が出てしまったのにゃあ…………はっ!

 んにゃことを気にしている場合じゃにゃいっ!)

 ミーにゃんの言葉遣いが荒くにゃったり、にゃあまん様と意気投合してカイラにゃんを責め立てたり、と、普通の際に聴いたのであれば、面白さ満載の会話にゃのにゃけれども、今のウチって、それどころじゃにゃいのにゃ。


 頭にずっしりと重いモノが乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ。乗っかってくるのにゃ…………。


 でもって、とどのつまりが、

(にゃあんにも乗っかってこにゃいのにゃん!)

 いっつまで経ってもにゃにか起きる気配がにゃい。にゃもんで恐る恐る目を開いたのにゃ。そしたらにゃんと。持ち上げたはずの右足は、左足とおんにゃじように地に踏ん張っていたのにゃん。いや、そればかりじゃにゃい。前に突き出したにゃあまん様の右手、もちもちの拳から小っちゃにゃ炎のようにゃもんが飛び出てにゃ。妖魔館へ吸い込まれるように消えてしまったのにゃん。

(ひょっとして、カイラにゃんの霊火? とにゃるとぉ……、目を瞑っていた際に聞こえた会話って、本当にゃったのかもしれにゃいにゃあ)

 右腕を下ろしたにゃあまん様はにゃ。館のほうを向いたまま。ぴくり、ともしにゃい。

(そうにゃ。事情はどうあれ)

「みんにゃあ! 合い言葉にゃん!」

 ウチらミーにゃん同盟は一斉に叫んにゃのにゃ。


『乙女にゃのにぃ!』


 にゃあんにもいってはこにゃいにゃろうにゃあ、と半ば諦めていたのにゃん。

 ところがにゃ。

 くるっ。

 ウチらのほうへヨモギ団子の身体を向けるや否や、声高々にぃ。


『にゃあまん!』


 予想を(いい意味で)裏切って、戦神が合図の言葉を返してきたのにゃん。

「いつもと一緒にゃん」

(にゃあまん様はウチらの味方にゃ)

 半信半疑にゃがらも、にゃあんか、ほっ、としてしまったのにゃん。


《ねぇねぇ、ミアンちゃん。ワタシ、これっぽっちも知らなかったわ。

 合い言葉なんて、いつ出来たのかしら?》

《ごっほん。…………しぃっ》


「やったわぁん!」

「ミーにゃん、おめでとうにゃん。

 忍の一字で待ったかいがあったじゃにゃいの」

「うんうん。

 涙なくしては、ぐすん。

 語れないこれまでだったのわぁん。ぐすん。

 でもその不幸な日々ともついにおさらば。

 第十二章ではいよいよ、アタシが暴れられるのわぁん」

「暴れるのにゃん?」

「そりゃそうよ。

 にゃあまんから『思う存分やっていい』っていわれたんだもん。

 ここでやんなくてどうするのわん?

 美少女妖精の威信にかけても、

 やってやってやりまくるのわぁん!」

「誰にゃの? その美少女妖精って?」

「おぉのれぇっ!

 アタシをさんざんこけにしてくれたお礼を、

 たぁっぷりとしてあげるのわぁん!」

「あのにゃ、ミーにゃん」

「カイラだろうが、妖魔館だろうが、

 メッチャメッチャのギッタギタにしてくれるのわぁん!」

「もちっと落ち着いてにゃ」

「きゃあっはっはっはっはっ!

 アタシはミーナ!

 アタシの復讐劇の幕がついに開くのわぁん!

 きゃあっはっはっはっはっ!」



「はあぁ。

 ――と深いため息をついて――

 花の妖精が、

 目の中と背後に紅蓮の炎をたぎらせているのにゃん。

 んもう、危にゃっかしくて危にゃっかしくて、

 手がつけられにゃいどころか、口もはさめにゃいのにゃん。

 しょうがにゃい。

 さわらにゅ神に祟りにゃし、とか。

 もちっと下火ににゃるまでは、

 ほぉったらかしにしておこうにゃん」


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