表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/164

第九話 冒険者ギルド「エリネルト仮出張所」

「やはりあの森を抜ける時には昆虫系魔物に要注意か。どこかに巣があるなら退治した方がいいな。裏の山脈にはロック系の魔物が多いらしいが、まずは周辺と森の魔物を討伐する依頼を多くって、こらっヤーブレット! まだ買ったばっかりなんだぞ、テーブルを汚すんじゃない!」

キノさんは冒険中に気がついたことを聞き取りながら、騒いでいる戦士に言う。

「なんだよぅ。あとでちゃんと相棒がクリーンしとくからよう。なあ」

「馬鹿ねえ。こぼすくらいなら、ちゃんと飲みなさいってことよ。もったいないでしょ」

「おお、そうかっ、かんぽあーい!」

他のテーブルもこんな感じでがやがやと騒がしい。

俺は真新しいファイアレッドウッドの一枚板で出来たカウンターで立ち呑み中だが、椅子やテーブルが足りないので床に座り込んでいるメンバーも居る。


定期便試験運用の護衛依頼を果たした俺達は、冒険者ギルドのエリネルト仮出張所にて乾杯中だった。キノさんが達成祝いにエールを振る舞ってくれたんだ。

もちろんこれくらいじゃ足りないので、この後は村の飲み屋になだれ込む予定だ。そうすることで村にもお金が落ちる。そうするとまた村が発展するというわけなのだ。

「まったく。冒険者と来たら」

そう言いながらもキノさんは怒っていない。冒険者が元気がいいのは充分しっているだからだ。

「ははっ。騒がしいけど、やっぱり冒険者ギルドは冒険者が居てこそですね」

そう言って笑ったのはコルポさん。

キノさんの後輩で元冒険者のギルド職員だ。ジュラーハからの転勤でエリネルト村出張所の所長になる。

キノさんはアンファングからこの村の開設指導に来ている。言うならば開設スタッフというところか。さすがキノさん有能だぜ。


「ところで、あの御仁はいったいなぜ?」

入口の外にたたずんでいるのは青年騎士ジョシュアである。

幸い森の魔物の餌食にもならず、むしろ役になってくれて、先ほど無事に依頼達成の金をギルドにもたらしてくれたわけだ。

「レイナに付きまとっているんです」

嘘ではない。端的に述べすぎたかもしれないが。

レイナは女性冒険者と別のテーブルで話している。

「えっ。なんだいそれは」

驚いているコルポ所長。

ここで、にゃっと言ってくれないギルド員なんて……いや、そういう問題じゃないや。

俺は簡単に話した。

「手紙の配達人ですが、受け取り拒否をされたのに、しつこく付きまとっているんです」

嘘ではない。客観的事実を端的に述べただけだ。

「えっ?」

キノさんはますますわけがわからないという顔をしているが、残念これ以上の説明はできないのです。

「キノさん。コルポさん。すいません、また後でっ」

何故なら。

「ではみなさん、移動しますよー。コルポ所長、キノさんごちそうさまでした」

ロデックさんの声にごちそうさまをバラバラに唱和しつつ、俺達はぞろぞろと村の酒場へ移動したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ