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#12 平和の裏返し

放課後、シンクは澄野に校内案内をしてもらった

澄野「ここが、図書室です。」

シンク「としょしつ?」

澄野「本があるところですよ。シンクさん。」

シンク「ずっと思ってたんだけど。シンクさんって呼ばれるの、痒くてやだ。シンクでいいよ!」

澄野「シンクくんじゃだめですか?」

シンク「それならいいよ!そう呼んでる人いるし。」

澄野「よかった。」

シンク「本かぁ。漫画とかあるの?」

澄野「さぁ、入ったことないので。入りますか?シンクくん。」

シンク「うん!」

ガラガラガラ!

図書室はしずかで勉強している人がいた

本はたくさんあった

澄野「シンクくん。漫画以外に好きな本ありますか?」

シンク「ん?特にはないかなぁ。」

澄野「そっかぁ私は人魚姫が好きなの。」

シンク「にんぎょひめ?どんな話なの?」

澄野「えーとね。たしか、1人の人魚がいた。その人魚はある日、溺れている男を助けてその男に恋をした。でも自分は海でしか生きられず、男は陸に住んでいる。叶わぬ恋と人魚は諦めていた。でも人魚は陸に行く方法を見つけたの。脚を手に入れる方法を。」

シンク「おぉ!やったじゃん!」

澄野「でもね、それと引き換えに声が出せなくなり海に入ると泡になるようになってしまったの。」

シンク「えぇ!可哀想。」

澄野「でも人魚はそれでも良かった。好きになった男の人に会えるのなら、と思ってた。」

シンク「思ってた?結ばれなかったの?」

澄野「男の人は別の人と結ばれたの。」

シンク「えぇ!なんで!」

澄野「男の人は別の人が自分を助けてくれた恩人だと思ってたの。だから、違う人と結ばれたの。」

シンク「でも!違うって言えば、私なのって言えば!あ、」

澄野「そう、人魚は声が出せないの。」

シンク「そっかぁ、それで人魚はどうなったの?」

澄野「海に身を投げて泡になったの。」

シンク「泡になったの?じゃあその後は?」

澄野「これで人魚姫は終わりなの。」

シンク「え?人魚姫が死んで終わりなの?そんなのってないよ。」

澄野「そうだよね。私もそう思う。」

シンク「なんで澄野はこの話が好きなの?凄い人魚姫が可哀想なんだけど。」

澄野「私はね、この話の人魚姫がかっこよく見えたから好きなの。」

シンク「かっこいい?」

澄野「だってさ、声が出なくなる。とか海の中の家族に会えなくなるって、分かってて想い人のためにがむしゃらに進んだってのもかっこいいけど。何より彼女は好きな人の幸せを優先したんだよ。違う人だってあなたの隣が私じゃなくても、あなたが笑っていてくれればそれでいいってそう思ったから彼女は海に身を投げたんだと思う。だから、自分より他人を優先する人魚姫がかっこいいなって思ったの。」

シンク「そっかぁ、確かにかっこいいね。」

澄野「でしょ?」

シンク「うん!」


2人は図書室を後にした

澄野「ごめんね、放課後なのに長々と。」

シンク「いいよ!おれ、澄野と話すの楽しいし。」

澄野「そっか、よかった///」

シンク「じゃあ、俺ちょっと残ってくから先帰ってて!」

澄野「帰らないの?」

シンク「うん!骸が出るか見てかなきゃだから。」

澄野「そっか。じゃあね。」


その夜は骸は出なかった。

それから数日経ったが、骸による生徒失踪というのは無くなったようだった

シンクが見る限り消えた生徒は居ない

ただの噂だったのかと思う瞬間もあったが

油断は出来ないと意気込むシンクだった


澄野「シンクくん。今日はどうするの?」

シンク「ん?今日も夜の学校パトロールするよ?」

澄野「そっかぁ私、居てもいい?」

シンク「だめだよ!危ないし。」

澄野「大丈夫だよ。いざとなったらシンクくんが守ってくれるんでしょ?」

シンク「うーん、いいよ。でも俺から離れないでね。」

シンクは澄野ともすっかり仲良くなっていた。


その夜、シンクと澄野は夜の学校を徘徊していた。

澄野「夜の学校ってなんだがドキドキするね。」

シンク「そう?いつもの事だからなんとも思わない。」

澄野「さすがシンクくんは強いね。」

澄野とシンクはいつもの2年生の教室に入った

澄野「昼と夜だと雰囲気が全然違う。怖い。」

シンク「大丈夫だよ。俺が守るから!」

ガタン!

澄野「いや!」

掃除用ロッカーからだった

シンク「見てくる。」

ガチャッ

シンクがロッカーの扉を開けると

ヒューバタン!

人が倒れてきた

澄野「キャーーー!」

その人間とは澄野の親友、八並 衿菜だった

シンク「この子って、」


ウーウー!(パトカーのサイレン音)

中尾「鑑識!遺体の身元は?」

鑑識「中尾刑事!お疲れ様です!遺体の身元は八並 衿菜17歳。この高校の2年生だったそうです。」

中尾「そっかぁ、まだ若いのに。」

シンク「あっ!獅子神さんにいつもイチャモンつける刑事さん!」

中尾「ん?ってお前は獅子神の奴か!なんでお前がここに。」

他の刑事「どうやら、この学校に骸が出る報告があったらしく対策課の彼が潜入捜査をしてるらしいです。」

中尾「潜入捜査!?こんな奴にできるのか?まぁいいか。で隣の女性は?」

他の刑事「彼女は澄野 香17歳。被害者のご友人だったとか。」

中尾「そうか。それは気の毒だな。てかなんで学生がこんな時間にいるんだ?」

シンク「おれは、夜のパトロールだ!澄野は俺に着いてきただけだ!」

中尾「そうか。とりあえずお前らは署に同行しろ。話を色々聞くから。」

シンク「澄野、大丈夫そうか?」

澄野「うん。大丈夫だから、シンクくん。一緒に行こう?」

シンク「うん。」


シンクと澄野は署に向かうのであった


読んでいただきありがとうございました

誤字等がありましたらよろしくお願いします

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