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さ~て。 世界の欠片でも集めるか!!__京夏魔王編  作者: 結城 睦月 & まひる
第二章
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空破の弓

「俺にとって、あの銀貨は宝だ」

「そうだったの…。じゃあちょっと取り返えてもらってくるっ」


シルフィーは俺達が稼いだお金を手に握りしめ、カレー屋に向かおうとするところを呼び止めて、


「いいんだ。お金は使ってこそ意味があるって言うからな」


落ち込むシルフィーだが、君は悲しむ必要が無いだろ。俺以上に落ち込まないでくれ。

別に払っていたなら良いんだ。それが本物のお金ならなおさらだ。


ではこの稼いだ100マインはどうしようか。貯めていてもいいんだけど…。

あっ、そうだ。良い事思いついた。


「シルフィー、そのお金くれるか?」

「はい。どうするの?」


シルフィーからお金を受け取ると、俺は武器屋に向かった。


「あっ、ちょっと待って!」



虹の谷へ行く前にシルフィーが張り付いていた武器屋に着くと、あの水色の“空破の弓”はまだ売れずに置いてあった。


「もしかして買ってくれるの?」

「あぁ、使わないとこのお金が勿体ないしな」

「貯金するっていう考えはなかったの?」

「お金は使ってこそ意味がある。だろ?」


そんなのはその場の嘘だ。

家族を失ったシルフィーには自分の身を守る術がない。エルフは身体能力が高く、知識に富み、魔法を得意とするのに、この“シルフィア=エルミーテ”という少女には、どういう訳か魔法が使えない。

だからこそ、この弓をあげるのだ。

俺がいなくても生きていけるように。


「何か変なこと考えてない?」

「そんなわけないだろ。で、本当に水色でいいのか?」

「あ、うん」


お金は丁度100マインで足りた。

手に取ってみても、やっぱり武器としては派手な気がするけど。

シルフィーに手渡しすると、ジャンプするほど喜んだ。


ある意味カレー代に努力したお金を出すよりも、武器を買った方がシルフィーは喜んでくれるから良かったよ。


「どうする?今から一つ依頼を受けるか?」

「うん♪早く使いたい!」

「じゃあ依頼がてら練習するか」


◆ ◇ ◆ ◇


選んだ依頼は“暴走するクロイナヅチ”という名前の物だ。クロイナヅチとはこの辺りに生息する雑食性で足が早い魔物。所謂(いわゆる)イノシシというヤツの魔物バージョンだ。今回のクロイナヅチは近くの村の畑は勿論、家の外壁まで食ったらしい。実に厄介な魔物だ。下等生物が!このシルフィーの弓矢で射抜かれてしまえ。


「いた!」

「何処に?」

「ほら、あの15メートルくらい先の木の陰だ。今睡眠中のようだな」

「OK〜。腕をしっかりと固定して……」

「確認はいいけど、早くしないと逃げらねるぞ」

「分かってるもんっ!」


シルフィーはしっかりとねらい定め矢を放つと、空破の弓の効果で空中で一段階速度が上がった。その矢は確実にクロイナヅチの脳に当たり、一撃で仕留めたようだ。


「凄いな〜、シルフィー」

「やった〜!この弓、凄いね」

「そうだな。シルフィーも一撃で当てるとは。弓の才能があるんじゃないか?」

「へへへ。もっと使いこなせるようにしよーっと!」

「じゃあそろそろ戻るか」


◆ ◇ ◆ ◇


その日得た報酬を武器屋に持っていき、少し空破の弓を改造した。詳しく言うと空中で一段階加速するところを二段階にしてもらった。これでまた強くなった。

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