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プロローグ
畠谷玲は、うつ伏せに、倒れていた。
小柄な体の下に、赤黒い血が、広がっている。制服が、赤く、染まっている。黒髪が、その血に、浸っている。
僕、真渡空は、震える手で、玲の傷を、探した。
腹部。深い、裂傷。何か、鋭いもので——おそらく、暴走した思考術で生成されたか、飛来した何かで、抉られている。
血が、止まらない。
僕の手の中で、玲の命が、こぼれ落ちていく。
玲の、呼吸が。
浅く。
遅く。
止まって——
僕は、冷たくなっていく玲の頬に、触れた。
僕には、力がある。
ずっと、隠してきた力が。
考えてはいけない。目立ってはいけない。普通でいなければいけない。そう自分に言い聞かせて、抑え込んできた。冷たい石の上に、座り続けるように。
でも。
そんな理由が、今、何の意味がある。
玲が、死ぬくらいなら。
——本当の思考術を、使う。




