第63話 虹の飛龍 前編
アヴドゥルが鄭芝龍の魂を覚醒させ、マリーに合流する5時間前、時刻にして夕方6時頃。
ロレーヌ皇国東方ブルガリー全土は、風魔法を覚えさせた空飛ぶラクダに乗るアヴドゥル・ビン・カリーフのバブイール軍に占領され、騎士の質だけならナーロッパ最強とも言われるロレーヌの騎士団は敗走し、北東のダキーアまで敗走する。
バブイール王国の強みは兵の数だけではなく質にあり、大軍を運用する兵站戦略もナーロッパ諸国を凌駕しており、このバブイール王国の戦士達は大きく分けて二種類に分類される。
一つは、白の衣服を基調とするイェニーチリーと呼ばれるエリート戦士団と配下の部族集団。
イェニーチリーとは、有力部族子弟や貴族長男を王都イースタンに招き入れ、適性を鑑みた英才教育と、王族と女神フレイアに対する信仰にも近い洗脳教育を施し、齢16を超える頃になると各人が一騎当千の武将となり、王都で得た知識を自分達の部族の若者たちに教育するシステムを組み立てていた。
しかし時代が下るにつれてイェーニチリーは、王族との婚姻で特権階級化していき、アヴドゥルの父にして賢王ハキームの治世では、イェーニチリーを召し抱える王族間の派閥抗争的な暗闘で、王族部族間の暗殺と陰謀が問題化していた。
これを良しとしなかったのが、ナーロッパ支配を企むアヴドゥルである。
アヴドゥルが皇太子に就任する前の王子時代、もはや特権階級化し腐敗の温床であった正規軍イェーニチリーに対抗すべく、身分を問わず取り立てる王家奴隷徴用制度を改良し、アヴドゥル個人の奴隷、自らの手足となる私兵集団を設立しようと考える。
王国全土から王家奴隷徴用制度に志願した12歳から29歳の若者らは、徹底的にふるいにかけられ、身体頑強かつ体力知力共に一定の水準に達した者へ、イェーニチリーと同様の英才教育が施され、イェーニチリーよりも過酷な軍事教練と精神教育を施した。
こうして出来たのが、黒の衣服を基調とするバブイール王国最精鋭部隊、マリーク魔法戦士団であり、アヴドゥルは王族の中でも強大な軍事力を得て皇太子となったのだ。
マリーク魔法戦士団の構成は、アヴドゥルを中心に4つの師団で構成され、最精鋭の近衛師団、中核を担う歩兵師団及び騎兵師団、そして補給と輸送、水晶玉の通信や負傷兵の救護など雑務を担当する特務師団に分かれ、総勢1万人で構成されている。
イェーニチリーのような世襲制ではなく、彼らは一代限りの戦士かつ奴隷身分であるが、マリークには元々平民やそれ以下の身分の不可触民の者も多く、自分達を引き上げてくれたアヴドゥルに絶対的な忠誠を誓っており、今では王都イースターの衛兵任務や王族警護の任務も請け負い、その戦闘力は東方ナージア最強最精鋭とも言われる、エリート部隊と化していた。
そして、今回ロレーヌに侵攻したのは、アヴドゥル及び精鋭のマリーク達。
いかにロレーヌの騎士達が屈強であろうとも、皇国最強のフレドリッヒ皇太子がいなければ、勝てる相手ではなかった。
「我らマリークと皇太子殿下アヴドゥルに栄光あれ!」
マリーク魔法戦士団達は、自分達の勝利に酔いしれて歓喜に沸き立ち、一方の占領されたブルガリ―のロレーヌ貴族子弟や領民たちは、この後に待ち受けるだろう自分達の処遇に顔を真っ青にしてうつむいていた。
西方ナーロッパ、特に国境をバブイールと接するロレーヌでは、バブイールは蛮族と呼ばれて恐れられている。
100年ほど前に起きたヒスパニアを巡る、ロマーノ大公国及びイリア首長連合とバブイールの大戦では、中央海上にあったブルガリー及びダキーアが地政学的な要所であった。
そして、バブイールに物資調達の名目で蹂躙された過去があり、婦女子は凌辱され男子は殺戮された後、財産を奪われると恐れて怯え切っていたのだ。
「占領地での略奪及び、婦女子への乱暴狼藉の一切を禁ずる! 食物と女が欲しければ、正当な対価を払うべし。なお軍規違反者は処刑する!」
アブドゥルが宣言すると、マリーク達は半月刀を掲げて忠誠を誓い、大量の銀を積んだ補給隊が到着すると、占領地ブルガリ―の牧場主たちへ、銀を払うから牧場の牛と羊の半数を買いたいと申し出る。
ブルガリ―の牧場主は満面の笑みで家畜を売り払い、アヴドゥルは兵站の余剰分を補給することに成功し、ブルガリーのソフィーア周辺にマリーク達は次々とテントを立てた。
「この地ブルガリーは、我がアヴドゥル・ビン・カリーフの直轄領とする。お前達のロレーヌへ払う税はいかほどか?」
野営テントに座したアヴドゥルの問いに、戦で敗れた領主ソフィーア辺境公は、騎士達に羊皮紙を用意させて、本国に支払う麦の生産量と額面を少しでも小さくしようと苦心した、おおよその年度額を記載する。
「40万マリス? 低すぎるな。この地であれば、将来的には交易路の改善と水と土の魔法による土壌改善、水路形成や麦の生産と牧畜業で、更なる利益が上がる筈だが。ロレーヌ共めはアホの集まりか? この地の現在の年間適正税額は我がバブイール通貨で言う所のおおよそ10万リーラ、そちらの通貨換算だと年間100万マリスが相場であろう?」
そんな額払えない……。
領主ソフィーア公は青い顔をして首を横に振る。
この地の経済活動は、ロレーヌに少なく見積もっているとはいえ、アヴドゥルが提示した半分以下の利益しか生まないと、思い込んでいたからだ。
「わかっておらぬようだな、ソフィーア公。我がバブイールの軍門に下れば、貴殿達の領地は新たな交易の要所となるゆえ、全体の利益が年換算で100万リーラは下らぬぞ? それに軍事費もいらなくなるのだ。騎士制度と言うくだらぬ制度を取り払うだけでも、貴殿達に莫大な利益が舞い込むはず」
「我らは誉れあるロレーヌの騎士ゆえ、どうか騎士の身分だけは保証を……」
「貴殿達は負けたのだ、ソフィーア公。領主であるそちらの地位と処遇は保証してやっても良いが、それ以外は一切認めぬ! それに貴殿らの領民たちは、みずぼらしい姿をして目に覇気がない。貴殿達ロレーヌがいかに民を搾取し、非効率に酷使してきたかなど私には全てお見通しだ」
アヴドゥルは、自身の親衛隊マリークにアゴで合図すると、領主であるソフィーアの両脇を二人で抱え、引きずるようにして野営テントから追い出した。
「あの無能を説得するのは骨がいりそうだな……ダメなら処刑しよう。我がバブイールに無能は必要ない。国家とは王の元に優秀な臣下が上に立ち、適切な税を、適切な国土管理を、適切な教育を民に施してやり、古く悪しき慣習を正すことが肝要である。そして平民や賎民であっても優秀なものは、自分に見合った能力を世に活かす事こそ、これからの時代必要なのだ。貴様らマリークの戦士たちの様にな」
アヴドゥルは皇太子として、威厳たっぷりに騎兵師団長ザイードに言い放ちながら、ある文字と言葉が脳裏に思い浮かぶ。
――子曰。君子不重則不威。學則不固。主忠信。無友不如己者。過則勿憚改……なんだこれは? 最近の俺はやはりおかしい。こんな文字と言葉は、生まれてから今まで見たことも聞いたこともないが……俺はこの言葉を知ってるし意味も分かる。
「は! 皇太子殿下に認められ、王国最果ての辺境にて貧困にあえいでいたような私めを、栄えあるマリークに取り立てていただき、師団長の任をくださり恐悦至極」
アヴドゥルの傍らにいるザイードは、元はバブイール辺境の砂漠とラクダしか生産性のないアラベア出身の不可触民出身であったが、マリーク戦士団に入団して才能が開花し、今では師団長の一人として辣腕を振るっていた。
「うむ、期待しているぞザイード。私が王になった暁には、貴様らマリークはもはや無用の長物となりつつある、無能なイェーニチリー共にとってかわり、我が王国の正規兵団、王立マリーク魔法戦士団としての身分を与えよう。今回の戦にて武功を上げた騎兵師団長のお前には、初代総司令官に就任してもらう」
「ははー! 我がバブイールと皇太子殿下に栄光あれ!」
アヴドゥルは満足げにうなずいた瞬間、地鳴りのような音が空からこだまして、野営テントを飛び出した彼が見たものは、西日が照らす赤い空の彼方からやってきた、空を飛ぶ漆黒の艦隊であった。
一方、バブイールに敗走したロレーヌ精鋭、鉄十字騎士団の面々は、ブルガリーから北東の位置にあるダキーア領の広場にて、宮廷魔導士にして女帝マリアの側近の司祭、齢100を超える黒魔導士トレンドゥーラのもとに、ひれ伏すように跪く。
突如として侵攻したバブイールに奮戦するも、騎士団の3割が死傷した結果、指揮系統に齟齬が生じて壊走状態となる。
ロレーヌの慣例に基づき、半ば強制的に徴兵したダキーアとブルガリーの農奴たちも、騎士達が破れると一目散に逃亡してしまう。
ヴィクトリー海兵やフランソワ憲兵騎士団、そしてバブイール兵のような常備軍を持たず、戦があれば騎士頼みの、ロレーヌ皇国の弱さが露呈した結果とも言えるこの状況に、魔女トレンドゥーラは激怒した。
「お主ら! おめおめと敗走してくるなど、それでもジーク帝が創設した皇国最精鋭として誉れ高い鉄十字騎士団か! それでも男か! 恥をしれい!」
黒魔導士トレンドゥーラが指を鳴らすと、漆黒の衣に身を包んだ女達がぞろぞろと、広場の野営地に入ってくる。
ロレーヌ皇国の切り札の一つ、トレンドゥーラ率いる黒魔導士。
貴族子弟の騎士団とは違い、彼女たちはロレーヌ全土から身分を問わず選ばれた、魔法の才能に溢れる子女たちであり、皇室の宗教行事の儀式官教育や宮廷女官としての作法及び、魔法に関しての教育を徹底的に受けた結果、ジークへの信仰が狂信的とも言える、皇国ジーク教の中核を担うのが彼女たちである。
その起源は、ヴィクトリー島がケトルと呼ばれた大昔、女神フレイアを信仰する魔女集団にさかのぼると言われ、今では魔女伝説は歴史の彼方に消えてしまってる。
「この男共は役に立たんゆえ、我ら黒魔導士でブルガリ―を奪還するのじゃ!」
「は! トレンドゥーラ様」
黒魔導士たちは、ダキーアからブルガリ―に風魔法で空を飛ぶと日が傾き、夜を迎えようとする空の異変にトレンドゥーラは気が付く。
「なんじゃこれは……まるで空全体が振るえるような……凶悪な魔力反応が……。10、100、いや数千いや一万以上!? 馬鹿な……何か来る! 黒魔導士たちよ、陣形を整えるのじゃ」
「了解、トレンドゥーラ様……これは、きゃあああああああああ」
「なんなのこれええええええええええええ」
「いやああああああああああああ」
超高速で空を飛ぶ、旧魔王軍サタナキアの艦隊が黒魔導士たちを横切るように、次々と通過していき、音速を越えた航空機から生じるソニックブームにより、黒魔導士たちは吹き飛ばされていく。
「なんじゃああああ、あれは!? 空飛ぶ軍艦じゃと!? なんなんじゃあれは!?」
トレンドゥーラ達を尻目に、かつて魔王獣騎軍と呼ばれた、ライガー将軍率いるサタナキア義勇軍が、ダキーアの空に現れ消えていった。
船内では、エルフ連合の乙女たちとドワーフ達が装備を整え、戦闘機や竜に乗ったかつて悪魔と呼ばれた歴戦の魔族たちが出撃準備に備えている。
「ガイってぃ言たんっけ? シノギー何してぃんやんっけ?」
「金属製品精製加工と武器製造、あと建築とか酒の製造販売です叔父貴」
「なかなかいいシノギ持ってぃんなー。我もなー、昔ぬ地元の沖縄で建築投資ぬシノギ持っちょーたんどー。アレ金になるさー」
アシバーのジローことロマーノのヴィトーは、ドワーフのガイとビジネストークに興じながら、ガイの持つ魔法瓶を寄こせと人差し指で合図する。
「叔父貴、ドワーフの火酒はヒトにはチョット強い。親父さんもうんと薄めて、炭酸水に果汁入れて瓶詰にして売れって言ってました」
注意を促すガイの話を聞かず、ジローは魔法瓶の中身を一気に飲むが、あまりの酒の強さに思わずむせてしまった。
「げほっ、げほぅ、げっふーい、くぬ酒しにやばい! 胃が燃えいんぐとぅ……。もうちょっちゅ、寝かしてぃ香り醸し出すんとーゆたさる感じどー? 古酒っちゅう」
「はい、親父さんも兄貴もエルフの連中も言ってました。けど俺達ドワーフ、商売に使う酒以外全部呑む。酒はドワーフの血であり命の源。持ってる酒全部呑むのがドワーフの男」
ジローは男らしいガイとドワーフを気に入り、豪快に笑いながらガイの肩をバンバンと叩く。
「我もそうさー。やしが酒は後回しんしてぃ喧嘩さー。相手はバブイールのアヴドゥル……酔っぱらってぃ勝てぃんほどあいつー、ウージみたく甘さる男やあらん」
サタナキア艦隊は、ブルガリー中心都市ソフィーアから南東におよそ152キロメートルのところに位置する、プルディンに降下して陣を築く。
古代ロマーノの交通の要所にして、北西には山脈沿いにロマーノ時代の街道、南には川、現在はたまに放牧にくる農夫しかいないような、ロマーノ帝国時代の遺跡群があるだけの広大な無人の平原が広がる場所で、防衛に向いている。
しかし、ブルガリ―奥深くのソフィーアに陣取ったアヴドゥル達バブイール軍にとって、ここを抑えられた場合、ガイとジロー達率いる極悪組の軍勢と、ロレーヌ皇国に挟み撃ちとなる危険性がある厄介な場所。
「ほーう、いいあんべーな場所あるやん。男同士が喧嘩するっちゅう、血沸きだつシュチュエーションぬ場所がさー」
ジローは、所々ツタが絡みついて草木が生えているものの、千年以上昔に建てられたにしては原型をしっかりとどめた建造物、石とコンクリートで作られた、古代ロマーノ時代の円形闘技場を見てにやりと笑い、魔法の水晶玉を取り出した。
「いぇーい、アブドゥル君元気ぃ? ロマーノのヴィトーさー。突然で悪いけどさー、ロレーヌへの軍事作戦中止してぃくんない?」
突然のヴィトーことジローの通信に、アヴドゥルは思わず鼻白む。
「お、お前は……なぜ、私がロレーヌに攻め入った事がわかったのだ? そして軍事作戦を中止せよだと……何が目的だ?」
「うんそれねー、フランソワはアンリ君、今はデリンジャーってぃ名乗ってるけどロレーヌ追い出してぃなー。さっきヴィクトリーと手を組んだ北方のノルドって国も潰して来たさー」
――ノルド? 北方にあると言う亜人達の帝国。伝承によると、人間種を遥かに超えた武力を持つ超大国だった筈。
アヴドゥルは、自分と同様奸計に富むこの男の言動を警戒しつつも、情報を引き出すためにあえてとぼけたフリをして聞き返す事とした。
「潰した……と言うと?」
「うん、あそこはねー、俺ぁが敬愛する兄貴分にして男の中の男、勇者マサヨシ。英雄シミーズが支配する領土になったさー。ついでに、女神フレイヤの兄神フレイも討伐されたさー」
――意味がわからんぞ。人間が神を討伐するなどと、考えられん話だ。だがしかし、こいつが嘘かまことかを判断する前に、こいつの目的を探るのが先決。
「して、お前の目的は何なのだ?」
アヴドゥルは、単刀直入に再度目的をジローに問うと、通信先でジローは笑いながらサタナキアの戦艦のエンジン音を聞かせる。
「そのーちょっちゅねー、かつて魔界の軍団って言われてた連中と縁が出来たさー。でさー、お前達バブイールをたっ殺そうってぃ思ってねー。俺ぁお前の事嫌いやん」
上空を飛んでいた、巨大な空飛ぶ艦隊の主人がヴィトーことジローだった事に気がついたアヴドゥルは、水晶玉を思わず落としそうになるも慌てて掴む。
「なぜ!? まだお前は目的を言ってない! 何が、どう言う目的で、何を考えているのか私に簡潔明瞭に答えるのだ!」
「くぬ馬鹿に、我がいちいち答える義理んでーねえさー。なあ?」
アヴドゥルが通信先で焦り始めたと見たヴィトーは、小声の沖縄弁混じりの日本語で、同じく日本語を理解できるガイに、こいつ焦ってるぞと笑いながらアヴドゥルを小馬鹿にする。
「はい、おっしゃる通りです叔父貴」
しかしアヴドゥルは、ジローが思わず口走った日本語の意味を全て理解した。
「ほう? 答える義理はなか……と、言いよんか貴様。それに俺を馬鹿言うた気がするがのー、なめとんか」
――日本語!? 九州弁!?
アヴドゥルの返しに今度はヴィトーが鼻白む。
「お前……日本人かー? 転生前」
心理的優位に立っていたジローが一転、アヴドゥルが日本語で返した事で、内心動揺する。
「どがんしたと? お前こそ、その喋り口……琉球やったか? お前の言うとる事、いっちょんわからん。自分に都合悪かこと言わんの、こすかー? へもかまされん、ぽや助か? ロマーノ人に生まれ変わった琉球人はなーコラ? くらすぞコラ」
アヴドゥルは、なぜこの言語が理解出来て、自分が流暢に喋れるかはわからなかったが、会話の主導権は自分が取れていると判断した。
「……ソフィーア南東のプルディンに来てぃくんない? 我なめやがってぃ、くぬぽってかすーがー喧嘩しよや? なあアヴドゥルさんよー」
「なんや、はらかいたか? よかよ、やろうや。ばってん負けたらお前の知っとー事、全部話してもらうけん。弱小国のロマーノんアホが」
水晶玉の通信を切ったアヴドゥルは、自身がこの言葉をしゃべることにより徐々に、皇太子として生まれた自分以外の、もう一人の自分を思い出していく。
「こういう時、こうも言ったな……閉嘴,小兔崽子! 他媽的,打死妳! それともVai se fuder! だったかな? クックック……哈哈哈哈、俺はどうしてしまったんだ? 聞いたこともないような言語がどんどん頭からあふれ出てくる……。俺は……なんなんだ? 海賊? 海盗? わからない、誰か教えてくれ……」
自問自答しつつアヴドゥルは側近のザイードを呼び出し、夕日を背にして空飛ぶラクダにまたがり、マリーク魔法戦士団の騎兵たちと共に、遺跡群がそびえ立つプルディンへと向かった。
中編に続きます




