利口
闇を討伐すべく、封印の場所へ向かっている道中、九炎は吹雪、雪子、そして敵である暗と影に出くわす。次から次へと乱入者が入ってきて、さらには不思議な囁き声まで聞こえてくる。暗との勝負の決着は・・・?
「とにかくだめだ」
と九炎は言った。このままではいけない。誰一人巻き込むこと無く、一人で事を終わらせようとしていたのに・・・。
___すでに吹雪達を巻き込んでいる。
バカだ。本当に自分はバカだ。「合格」の一言でここにいることを許可した自分が、疎ましく思えてくる。
ダメダ
ダメダ
ダメダ
此処はややこしくていけない。何故こうも次から次へと妖怪や、闇がわいてくる?闇も・・・皆、ここにいる全員いなくなってしまえばいい。九炎の中のなにかが疼いた。
そうダ、全部まとめて壊してしまおうか。
九炎は、人差し指に小さく火を灯した。火が消えたら暗を叩き潰そう。此処は風がよく吹くから、どうせすぐに消えるだろう。
「・・・とにかく、そこの二人と上の。即刻立ち去れ」
その言葉を聞いた、この場にいる“ある者”は少し困った。こうも突っぱねられては、取り入るのは難しそうだ。さてどうしたものか・・・。暫くは様子を見ようか。
「わかりました。夜烏!行きましょう」
ネステトラが上空の夜烏に呼び掛けると、不満げな表情で夜烏が降りてきた。
「お嬢様。椿はよろしいのですか?」
「あのお馬鹿犬は置いて行きます。九炎様・・・・でしたか。煮るなり焼くなり、お好きにどうぞ」
「では」と最後に言うと、ネステトラと夜烏は、あっさり去っていった。椿は二人の姿が見えなくなった途端に、「はくじょーーものーーーーーーーーーー!」と色々と文句を言っていた。
「九炎サン」
唐突に暗が口を開く。
「こんな訳の分からない方々が、私と九炎様の勝負に乱入してきて、それでも私はあなたの不意をついて攻撃をするようなことは、しませんでした」
暗は顔を伏せた。自分の下駄でもみつめているのだろうか。顔に影が射して、表情が読み取れない。
「悪役にしては、利口だと思いません?」
「・・・?」
「ですから・・・・・・
もう本気であなたと戦っても・・・良いですよね!?」
顔を上げた暗の瞳には、ただひとつ、殺気だけが籠っていた。
大変遅くなりました(-_-;)1月と6月。大変間がありますね。もう存在なんて忘れられているでしょうが、死ぬまでには、絶対完結させます‼




