待て
今回も短いですが、どうぞ!!
「何じゃ何じゃ~~~~」
白髪の女性がわくわくしながらのぞき込んでくる。九炎は女性と向き合って、尋ねた。
「お名前は?」
「椿じゃ!」勢いよく女性が答える。
それを聞いて、九炎はそのまんまだなと思った。とるに足らない感想だ。九炎は魔法の巾着の中から、一つのいなり寿司を取り出して、掌にのせ、椿に差し出す。
「おぉ、すまんのぅ・・・それでは遠慮無く____」
椿が目を輝かせながら手を伸ばす。
「待て!」
いきなり九炎が言ったので、反射的に椿は止まってしまった。困惑の視線を九炎に送る椿。何を考えているのか、全くわからない目で見据えてくる九炎。ネステトラは見物を決め込んでいるし、暗も攻撃してくる気配は、今のところ無い。しばらくの間、沈黙が辺りを支配した。しかしそれは、突然九炎が何を決心したのか、「よし!」といったことにより終った。椿は待ってましたと言わんばかりにいなり寿司に食いつく。幸せそうなその顔から、美味しいということが嫌なほど伝わってくる。誰も口に出してはいないが、その場にいた全員が、一時空腹を感じた。椿本人が幸せそうなのは、誠に良いことなのだが「これって・・・・」と、見物していたネステトラが呆れたように言った。
「完全に犬のあれですよね」
夜烏は、下のじゃれあいをよそに、道を確認していた。
「さて、いったいどこで道を間違えてしまったのですかね・・・」
今の夜烏にとって、道を確認するのが最優先事項なのだが、どうしても下で繰り広げられている吹雪と影の見事な戦いに目がいってしまう。
(すごい、ですね。何で戦っているんですかね。見たところ水色の方が正義で、黒い方が悪、ってかんじですね。でもまぁ、とっても参考になりそうです)
「・・・はぁ、お嬢様達には申し訳無いですけど・・・まぁ、どうとでもなるでしょう」
夜烏は、独り言程度の声量で口に手をあて「お嬢様ーすいませーん。許してくださいねー」というと、吹雪と影の戦いを、一番見やすい位置に移動し上から観戦することに決めた。
______キラッ❇
いなり寿司を食べる椿の様子を窺っていた九炎の目をひらめきの光が駆け抜けていった。
「フ・・・なぁんだ。キミ・・・椿だっけ?キミ妖狐だよね」
いなり寿司を食べ終えた椿は、指をぺろりとなめ、舌なめずりをして言った。
「その通り。妾は九尾の狐じゃ」
「へぇ!そうなんですかぁ」と暗は二人の会話に興味を持ち始め、面白そうに見ていた。
いかがでしたか。次回はもっと長く書きたいです。話の内容は全く決まっていませんが・・・・。




