雪子の昔話
ゴールデンウィークに、間に合いましたね❗
今回、ちょっと長めです。
九炎「ちょっと長め?今までが短すぎたんじゃないの???」
雷「同感だな」
作者「それは言わないで~~」
まあ、ちょっとは、読みごたえがあるのではないでしょうか?
先頭の吹雪達の様子を見てみよう。
吹雪達は落っこちることなく、無事に狐の通り道に入ることが出来た。妖口鳥居の中と似たような雰囲気だが、暖かみのある橙色で、見ているだけで暖かくなってくる。
「さすが狐ね。狐色っていうか、何て言うか」
「そうで御座いますね」
「・・・・・」
「・・・・・」
其れからは、何故か会話が続かなかった。そこで吹雪は引っ掛かっていた、とても気になっていた事を聞こうと思った。しかし・・・・・
(うぅ・・・・とっても気になるけれど、いざ聞くとなると、聞きづらいのよ~)
「その・・・えっとー・・・」
「どうなさいましたか?」
吹雪は言葉につまりながら続けた。
「あのね・・・・うゥ・・っと」
「はい・・・」
既に会話になってはいなかったが。
「雪子って、その・・・よく九炎様のこと、話すじゃない?ええっと・・・・うーん・・・」
『昔何があったのか』
過去の事を問うこの言葉は禁句のような気がした。そこで今のは、無しと訂正しようとしたとき、
「気になります? 私の昔話」
幸運な事に雪子の方から、話をふってきてくれた。
「ええ」
雪子の方はというと、内心、クスリと笑っていた。吹雪様は分かりやすい、と。
(でも・・・・でも何で私はこんなに気になっていたのかしら)
今、思い返してみても、特筆するような事も無い、気がする。
(う~ん?)
やっぱり分からない 。まあ、そんな事は忘れて雪子の昔話に耳を傾けようと思った。昔から吹雪は雪子の語る話が、好きだった。どれも奇想天外な冒険の話、かと思えば恋愛物。例えも面白くてそれらの話は、何度聞いても飽きないほど吹雪を夢中にさせた。
「昔・・・」
雪子は静かに始めた。しかし、音のしない狐の通り道の中にしっかりとその声は響いた。
「私が今よりも幼かった頃のことです」
____
「私がお屋敷に御勤めし始めてまだ間もない頃、吹雪様はお屋敷を飛び出し、姿を消されてしまいました」
『吹雪様ー。どちらにいらっしゃ・・・う、いらっしゃるのですかぁ』
「声を張り上げても見つからず、森の中へと、探しに行ったんです」
『吹雪様ーっ』
バサッ
『ヒッ』
「鳥が飛んだだけでもヒヤッとしましたよ。でも、それ以上に殺されるのではないかと必死で、そちらの恐怖の方が遥かに大きかったんです」
「殺される?」
「えぇ、清白様と小雪様のたった一人の愛娘ですから」
雪子はクスリと笑った。
「ですけれど、探しているうちに私まで迷子になってしまいました」
『ひっくぅぅ・・・』
「吹雪様は見つからない。道も分からない。どちらにせよ、待っているのは 死 。つい泣き出してしまいました」
『うう・・・ううわぁん』
「すると、するとです」
雪子はニッコリすると嬉しそうに、続けた。
「上から声がしたんです」
『誰だい?』
「太陽を背にしたその姿は神々しく輝いておられ、神か仏かと思ったんです。それが、九炎様でした。九炎様は下まで降りてきて、話を聞いてくれました」
『何で泣いてるの?』
『あの・・・吹雪様がいなくなって、み、道も・・・分からなくて』
『バッカだねぇ』
「笑い飛ばされてしまいましてけどね。流石に笑われたときは、意地悪で、嫌な妖怪だなと思いましたけど、本当はとても優しかったんです」
『ううぅ』
『・・・・・・探してあげようか?』
『いいの?ありがとう・・・御座います』
「一緒に探してくれたんですよ。斯くして吹雪様も見つかり、道もわかり、命も助かったわけなのです」
パチパチと吹雪は、拍手を送った。
「そんなことがあったのね」
「ありました。私にとっては、とても印象深い出来事だったのですが、頻繁に脱走を繰り返していた吹雪様にとっては、そのうちの一つというだけですからね」
「・・・・・」
なにも言うことができなかった。
どうでしたか?今も昔も、九炎は相変わらずですね。前書きで、九炎と雷を出したのに、特に理由は・・・あるかもしれません。九炎は一応主人公ですし、雷は出番が最近全く無いので・・・
では、また(* ̄∇ ̄)ノ




