執事、お嬢様を怖がる2
(たんこぶが出来ているでしょうね…。)
本をぶつけられた所をさする。
「申し訳ありません、お嬢様。
お詫びにお好きなものをご用意致しますよ。
食べたいものはなんですか?」
「決まってるじゃない。サンドイッチよ。
もちろん、きゅうりは入れてよね。」
「かしこまりました。
デザートはいかがされますか?」
「そうね…。きゅうりのゼリーがいいわ。」
(相変わらず、安上がりですね…お嬢様。)
「安…いえ、承りました。お嬢様。」
「今、なんて言おうとしたの?エリアス。」
「なんでもありませんよ、お嬢様。
それよりも、殿下の事が気になりますね。」
安上がりと言ってしまいそうになったのを、慌てて誤魔化す。
このタイミングで安上がりなんて言ってしまえば、間違いなく怒られる。
(流石にこれ以上、暴力を受けるのは耐えられません…)
私に怪訝な顔を向けながらも、お嬢様は答える。
「エリアスも、そう思う?
王子って、バカでわがままなだけの男だったと思うのよねー…」
「執事の私には、殿下をそこまで侮辱する事は出来ませんが、聡明な方という記憶はありません。」
「そうよね…。」
でも、気がつかれたのですよね?と、私はお嬢様に質問をしながらテーブルにサンドイッチを並べる。
(きゅうりのゼリー…。
どんな味にしたらいいのでしょうか?)
デザートの味付けを考えながら、席に着くお嬢様の椅子を押す。
「そうなのよ。
私が不出来と言えばそこまでなんだけれど…。
実際、隣の女の子も気がついていたしね。」
さっそくきゅうりのサンドイッチに手を伸ばしながら、お嬢様は首を傾げている。
「その女性については、一度私が調査させていただきます。
さあ、お嬢様。 一度頭を切り替えられてお食事を済ませて下さい。
午後の試験も頑張って下さいね!」
そう言ってお嬢様に、昼食を食べるよう進めて私はきゅうりのゼリーを用意する。
(午後の試験も、頑張って下さいね。お嬢様。
誰よりも、私はお嬢様を応援しております。)
その後お嬢様は、昼食を済まされ再び試験会場に向かわれた。
きゅうりのゼリーは、無事にお気に召されたようで全て完食されていた。
(さて、ピピ丸の事も気になりますし…
部屋に戻りましょうか。)
お嬢様が、会場に入られたのを確認して私は部屋に戻る事にした。




