執事、お嬢様を怖がる。
急ぎ寮の部屋に戻るため、早足で歩き続ける。
(付いてくる様子はありませんね…。)
感じていた視線を今は、感じません。
お嬢様の部屋を知られては、困るのでいくつかの策を考えていたのですが、使う必要はなさそうです。
念のために、部屋までの道を回り道をしながら進む。
それでも、殺気や視線は無い。
安全を確認し、お嬢様を部屋に入れる。
(手がかりを掴んできてくださいよ。)
お嬢様の後に入室をして、扉を閉める時魔法をかける。
偵察用動物、ピピ丸。
リスのような見た目をしているが、リスではありません。
主人の魔力を食べる、魔法生物。
警戒心が強く、ナワバリ意識が強い生物で、侵入者を発見するのに適した生物。
いつもより多めに魔力をピピ丸に渡して、私は扉を閉めた。
『ドカッ』
振り向く事なく、背後から何かが頭に当たる。
凄い衝撃で当たってきた勢いで、頭の前側をドアにぶつけたせいで目が回る。
(何があったんですか…?)
まだチカチカする目で、後ろを振り返ると般若が立っていました。
「般若…?」
「誰が、般若よ‼︎
あんた、いい加減にしなさいよ。
腕がちぎれるかと思ったわ。」
(般若と思いましたが…般若の顔をしたお嬢様でしたか…。)
私の頭にぶつかって来たのは何か、気になったので下を見る。
「いくらなんでもお嬢様…。
辞書を投げるのは酷いと思いますよ。」
分厚い本が一冊、床に転がっていた。
(お嬢様をお守りする為だったのですが…)
暗殺者よりも、お嬢様の方が怖いと思ってしまいました。
それにしても、執事とはなかなか不便な仕事だと思います。
本当のことを伝えられれば、お嬢様も許してくれるのはわかっています。
しかし、お嬢様を不安にさせる事はしたくないのです。
(いついかなる時も、あなただけをお守り致します。
今までも、これからも、私はあなただけの忠実な部下ですから。)
「誤字報告、ありがとうございます。」
「随時、修正させていただいていますわ。
それにしても、エリアス。
嬉しいわね。」
「ええ、ほんとうに。
お読みいただける事だけで、嬉しいのですが、誤字報告までいただけるなんて…。」
「それに、評価ポイントや、ブックマークもいただけているようよ。」
「そうなんです!お嬢様。
作者も、増えていくポイントに喜びを隠せないと言っておりました。」
「ふふ…情報が古いわよ。エリアス。
作者は、喜びのあまり依存症のように張り付いているらしいわ。
そして、心臓が痛いって言ってるらしいのよ。」
「まだ、心臓が痛いんですね…。」
「ええ。バカよね。
それは置いときましょうか。」
「そうですね、お嬢様。
今回は、ご一緒に締めていただけるようでなによりです。」
「…。」
「ああッ‼︎すみません‼︎
皆様、今後とも最後までお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。
皆様の、ブックマークや評価ポイントなどいただけます事の喜びを噛み締めております。」
「お忙しいかと思いますが、いただけると喜びますわ。」
『どうぞ皆様、最後までよろしくお願いいたします」わ‼︎」