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食費稼ぐぞー



今日はトロちゃんの食料調達をする日だ。


まずは研究塔へ行き、トロちゃんを迎えに行く。


そのあと冒険者ギルドで、高く売れそうな物の情報を仕入れる予定だ。


ギルドの依頼にはいくつか種類がある。



■常時依頼

薬草採取やゴブリン討伐など。


報酬は安いが、いつでも同じ金額で買い取ってくれる。



■一般依頼

依頼者が欲しい物の採取や、魔物討伐、雑用など様々。


あまりに安いと冒険者が受けないため、そこそこ良い金額に設定されている。


常時依頼と内容が被ることもあるが、状態などの細かい条件がつく場合が多い。



■ギルド依頼


いわゆるギルドのバイトだ。


食材加工などの雑用が多く、安全だが報酬は安い。


ただし、滅多にないが緊急依頼も存在する。


これは金の問題ではない。


放置すると、そのギルドが管轄する地域の住民すべてに影響が出る。




オーク肉などは庶民の大事なタンパク源だ。


そのためギルドも常時買い取ってくれる。


だが、どうせなら一般依頼の方が条件付きだが少し高く売れる。


ただし。


依頼を受けておいて、期限までに達成できなければ罰金だ。



「なんかいい依頼あった?」


掲示板を見ていたアリスにレオンが聞く。


「ポーション材料の依頼がいくつか出てるよ。中層だけど……」


アリスは依頼書を指差す。


「オーク肉集めながら取れたらいいけど」


「受けちゃおうよ。トロちゃんいるし、中層でも大丈夫じゃない?」


ミリアが気楽に言った。


こんな風に普通に会話しているが、実はギルドに来るまでが大変だった。


トロちゃんを迎えに行った時、研究塔の研究員から首輪と鎖を渡されたのだ。


街に連れて行く時は付けろ、とのこと。


正直、付けたところで意味はない。


トロちゃんのパワーなら一瞬で引きちぎれる。


だが、これは「ちゃんと管理しています」という周囲へのアピールらしい。


問題は見た目だった。


トロールに首輪をつけて連れ歩く少年。


怖くないわけがない。


「この前のあれだろ?トロール踏んだやつ」


「見た目は子供だけど、極悪な魔導士らしいぞ」


ヒソヒソ声が聞こえる。


レオンは地味にダメージを受けていた。


ギルドに到着した時も。


「トロちゃん入れないし、ここでいいよね?」


レオンはギルド入口の柵にトロちゃんを軽く繋いだ。


すると――


「いいわけないでしょ!」


受付嬢が飛び出してきた。


「そんな強度のない柵に繋ぐだけなんて意味ないでしょ!」


「いや、トロちゃんのパワーの前では既に意味ないですけどね」


「笑えません!」


受付嬢は真顔だった。


「トロールをこんな所に連れて来ないでください!」


「でもパーティメンバーなんで……」


「とりあえず裏手に連れてきてください。入口に置かれると怖くて誰も出入りできません!」


「はぁい」


そんな一幕があった。


「ペナルティもあるからさ」


アリスが言う。


「戻って来た時に依頼が残ってたら受けて提出しようか」


これは裏技でもなんでもない。


初心者がよくやる方法だ。


依頼が無くなっていたら常時依頼として売る。


残っていれば依頼書を剥がし、受付と提出を同時にする。


これならペナルティはない。


ただし。


大抵は残っていない。


資金に余裕のある冒険者が先に取っていくからだ。


「じゃあ今日は中層手前まで行ってみるか!」


レオンが言う。


こうしてレオン一行は、街の人にヒソヒソと噂されながら森へ向かった。


「やっと着いた……」


レオンがぐったりと息を吐く。


「なんか今日いつもより疲れた」


「みんなレオンの話してたね」


ミリアが苦笑する。


「完全に嘘じゃないから否定もできない……」


レオンは遠い目をした。


だがすぐに気を取り直す。


「いや〜でもアリスが来てくれて助かる!」


「薬草関係、俺じゃ区別つかないんだよな」


そう言ってレオンはアリスの手を握った。


アリスの頬が少し赤くなる。


「僕も無関係じゃないしね」


「ねぇ、私には感謝しないの?」


ミリアが不満そうに言う。


「ミリアはトロちゃんを一番可愛がってるから絶対来るだろ?」


「そうだけど」


「よし!」


レオンは拳を握る。


「俺達は金がいる!」


「ゴブリンでも何でも、金になるものは全部持って帰るぞ!」


「「おー!」」


ミリアとアリスが拳を上げる。


「グァ!」


トロちゃんも元気よく吠えた。






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