day3 休日に呼び声
それは。
ある休日の事だった。
「推しのクリアファイル!!!!!!!!」
そんな大声の直感が
身体の中から響いて飛び起きた。
「は........?」
その日の女の第一声は、これであった。
この感覚.については人によって病気と認識する事も
あるのかもしれないが
女の中では人格が分かれている感じはしないし
その時食べる物を決める感覚と同じものであった
話しは戻って
この時期は、
フード店でコラボメニューが開催されていた。
メニューを頼むとその分【ランダム】で
キャラクターのクリアファイルが貰える
期間中に何度か訪れたが
最推しも2推しも引けず
「17分の1は人数が多すぎて無理」
と、断念していた。
今回の直感(もとい欲望)は、
そのうちの2推しのクリアファイルを狙う
というものであった。
「ほんとに行くの......?」
確かに好きな作品だし、
貰えるなら欲しい気持ちだってあるが、
懸命に求めるつもりもなかった。
それでも、本当に行くのだろうか。
女は
予定のない日の外出があまり好きでも無いために
何度か感覚に問いかける。
面倒なので、なかった事にして欲しかった。
結果は。
《行く。絶対行くの。》
決意は大変に固く。
女は休日の午前早くから渋々着替え
懸命に準備を整えて店舗に向かう。
こんな事、別にしなくたっていいのだ
女が直感.だと思っているものだって、
気の所為.で済ませれば終わる話だ。
それでも女はこういう時、
それ.に従う事にしている。
その感覚.がその日来なければ
その感覚に従った先の時間には出会えないから。
「自分」の枠からはみ出たように思うそれ.を
女は面倒に感じながらも非常に気に入っていた。
該当店舗の最寄り駅まで来て。
女は。
「お店どこ?」
道に迷った。
女は天才的な程の方向音痴であった。
前回訪れた場所とは別の場所に来たのだ
近くまでは来たが店舗が見つけられない。
ちなみに前の店舗でも同じ様に
店舗を探し回っている。
ちなみに振り返れば感覚.は
ある程度場所を知らせようとしていたが
読み取る側が読み取れなければ意味が無い。
分かってしまえば、
迷い出した場所から目的地までは
本当に、ほんの目と鼻の先ほども離れていないのに
見つけられないのだ。
結局。
「まじで、ほんとに、すぐ、近くだったのに.....」
1時間程も宛もなく彷徨い歩いて辿り着いた。
コラボメニューを頼んで食し、
ブラインド包装のクリアファイルに手を伸ばす。
開封結果は。
「嘘やん。」
目当てのキャラではなかった。
(あんなに頑張ったのに?)
女は結果を何度見かして、心の中で呟いた。
予定のない休日に感覚.によって叩き起され
道に迷ってまで辿り着いたというのに。
引いたのは、それではなかった。
店舗の食事自体も好きだし
ランダムというのは元からそういうものなので
別にそれでも良いのだが
(体力的には辛いけど。)
と、そんな事を思いつつ。
ここからが更に問題だった。
《まだ引く》
(嘘やん。)
そう。話はここで終わらない。
ここからコラボ終了最終日まで
引き続ける事になったのだ。
結果は。
「引けなかった......」
女は引けなかった。
17人中【2推しの】クリアファイル【だけ】
引けなかった。
そして、それ以外のキャラクター16人が揃った時
《被った子と交換して貰っていいよ》
遂に交換の許可が降りた。
.
ちなみに、最推しのキャラは
最終的に1番たくさん引く事ができて、
何だかんだ楽しんでいた。
最終的に
《全キャラ揃えたかった》というのが真実で
交換で貰ったクリアファイルを眺めつつ
「やっぱり好きだなー」
そんな事を思いながら、喜ぶ時間がそこにはあった




