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day12 どうして書くのをやめたんだったか

「最近は小説書いてないの?」

と、友人から尋ねられ。


「嗚呼、そうだね....書いてないね。」

と。女は答えた。


そういえば、最近書いてないなと思いつつ。


最後はどんな話にしたんだったかと。

そして、どうして書くのを辞めたんだったかと

思い返して。


ひとつ前のエピソードを読み返して。

思い出した。


そうだ。

そうだった。


前のエピソードを書いた時、


『このタッチで書くことなんて、

同じようなものにしかならない気がする』と。


そんな気がして。筆が止まった。


大抵は

呼び声が女を引き摺ってどこかへ行くか

推しが良い話とか

美味しい物を食べた時の話とか、

そういうものの繰り返しで。


ちなみに

ひとつ前に書いたエピソードのようなタッチは

あまり書くことはないだろう。


あれもまた女の一側面ではあるし

ああいった話は彼女の得意分野ではあるが

あの方角はかなり気が滅入るだろう。


平穏な内容になることは

平穏に生きている証でもあるのだが


いづれにしても。


書いたとて。

という感覚があったのは確かだった。


だからといって

事が大きな内容に切り替えたいとも思わない。

この時点での女は、そういう性分だった。


それで書くのを辞めていた。


そこで女は考える。

例えばただ平穏で。

見た事あるような中身が並ぶ場所でも。


それはそれで。

良いのかも知れない。


と。



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