寂しい食事といつもの喧騒
久しぶりの投稿です!
投稿不定期だからって見捨てないでー!!
『ファミレス行ってきます』
家に入りリビングへ向かったら、テーブルの上にそんな置き手紙があった。
「……」
いや、まぁいいんだけど。欲を言わせてもらうとさ、
「俺も連れてけやぁぁぁぁ!!!」
になるんだわ。
てか叫んだせいで普通に喉痛くなった。
そんな俺の叫びは誰にも届かず、家はシーンとしている。帰ったらみんなに謝ろうと思っていたのに、気が抜けるというか萎えるというか。
「それにしても、久しぶりに腹減ったなぁ……」
もう何日もご飯を食べていない。心做しか、腹の脂肪も少し減った気がする。
さーて、何を食べよう……。
とりあえず、冷蔵庫開けるか。
卵、ハム、納豆、キムチ、チーズ、味噌、牛乳などなど、様々なものが入っていたが、どれもピンと来なくて冷蔵庫の前で頭を抱えていた。
俺のスキルじゃまともなもの作れないし……。
そんな時、二階から着信音が鳴り響いた。そう言えば最近スマホ触ってなかったな。
相手を待たせないようなるべく早く二階へ向かい、部屋からスマホを回収する。
「もしもし?」
『お、繋がった繋がった』
電話帳に登録がされていない番号だったので、少し警戒しながら出てみたのだが、電話相手は葉月だった。
『美咲希さんの携帯借りてるんだ! って事で電話代わるね』
俺に謝ることを許さず、葉月は勝手に話を進めていく。
『もしもし。電話代わりました』
「なんで敬語」
久しぶりに聞いた声だ。それだけでとっても安心したのは何故だろう。
『一週間以上会ってないからどう接すればいいかわからなくなったのよ』
「そっか……。色々とごめんな」
『別にいいわ、気にしてないし。そ、それより……』
そこで美咲希は一回言葉を切らした。
美咲希さんはやくはやく、と葉月と美鈴が煽っている声がする。なかなか楽しい時間過ごしてるんだな。羨ましい。
『す、好き……よ』
「……………………ん?」
喧騒でよく聞こえなかったってのと、脳が理解しようとしてないのが重なって間抜けな声が出てしまった。
『だから! 好き! 好きって言ったの!』
「お、おう……」
こいつ今ファミレスにいるんだよな。そんな大声で言って平気だろうか。
葉月と美鈴はキャーと黄色い声を出しているし、心做しか喧騒も止んでる気がする。
美咲希の言葉に俺は戸惑うばかりで、なんて声をかけようか迷っていた。
『……あんまり一人で抱え込まないで。私がいるじゃない。辛い時は頼ってくれていいのよ』
しかし、俺が声をかけるより先に美咲希がそう言ってきた。そして、その言葉に俺は何故か涙を流していた。
「ありがとう」
『別にいいわよ……』
そして流れる静寂。
「俺も……好き。美咲希が好き」
数秒間経った後、そう言えば俺は言っていなかったなと思い出し、慌てて言った。
ムードも流れも何も無いなこれ。
『嬉しい』
しかし、美咲希は喜んでくれた。
多分、電話をしながら微笑んでいるのだろう。そう思えるほど、優しい声色だったのだ。
『じゃあ切るわね。また後で』
「おう」
プツンと音が鳴り、通話が終わる。
また後でということは、ここに寄っていくのだろうか。みんなと顔を合わせるのは久しぶりだから少し緊張する。
とりあえず飯どうしよう。
「うん、うん。やっぱこんなもんだよな」
俺が作ったのはオムライス。クリスマスパーティの時、葉月が作ったオムライスもとても美味しかったが、実は俺の方が美味く作れたりする。
それほど、俺は卵料理が得意なのだ。
ただ、一人で食べることほど寂しいことは無いので、味では葉月に勝っているとしても気持ちの込め具合などで劣ってしまう。
……ああ、一人は寂しいなぁ。
そんな時、玄関の前で話し声が聞こえた。
聞き覚えのある三人の声。楽しくわいわいやっている。
俺はどんな顔をしてあいつらと会えばいいのだろうか。というか、今思ったんだけどめちゃくちゃ学校行きづらいじゃん。単位とか大丈夫かな。
ガチャ、と鍵が開けられる。ただそれだけなのに俺はビクッと身構えてしまう。
「ただいま〜!!」
「いやっほーいおっじゃましまっす!」
「お、お邪魔します」
テンション高めの葉月と美鈴。それについていけず少し居心地を悪そうにしている美咲希。
そいつらが一斉にリビングへ押し寄せてくる。
「やっほーおにい!」
「元気してましたか!?」
「おわっ!? なんだこいつら酔ってんのか?」
そんな勘違いをするほどハイテンションなんだよこいつら。誰か助けて。
「なんか、ずっとこの調子なのよ。悠眞が出てきたってずっと言ってて。いつ収まるのかわからないわ……」
声色こそ疲れているものの、表情は楽しそうで、行動も言動も何も変わらない、美咲希だった。
「ごめんなみんな。でももう平気だ」
心に傷を負った。その事実は変わることは無い。でも、俺は独りじゃない。仲間がいる。友達がいる。家族がいる。彼女がいる。助けてくれる人が沢山いる。
だから俺は前へ進めるんだ。
「ほらほら、おにい飲め!」
「おいひいれすよー」
葉月はやたらテンション高いし、美鈴は呂律回ってないし。
「こいつらまじで酒飲んだ?」
「そんなことはないはずよ……。多分」
「多分ってなんだよ」
「…………」
「そこ黙るとこ!?」
復帰して初日がこれって……やっぱ俺の日常はこうじゃないとな。
「あ、そう言えば明日何曜日?」
「水曜日」
明日学校行って明後日学校行って休み…………。
「もう俺今週学校休んでいいすか」
「何言ってるの?」
「連れていきますよ?」
「引きずり出すわよ」
みんな怖いわぁ……。
「ですよねー。大人しく学校行きますよー……」
「私が全力でフォローするから大丈夫よ。みんな悠眞の事待ってるわ」
まぁあのクラスだったら何事も無かったかのように受け入れてくれる気がするけど。
でも気まずいことも確かで、いきなり学校に行くことは意外と難易度が高い。
……これが不登校になる原因なのか。学んでいて損は無いな。
「全く! おにいもっとテンション高くいこうよ!」
「そーですよ!」
「ねぇもうこいつらなに?」
めちゃくちゃテンション高い。正直もうついていけるとかそんなレベルじゃないぞ。
でも、そんな慌ただしくて穏やかな時間は、俺にとって大切なもので、こうしてみんなと喋っていると失いたくないなと思う。
「そろそろ帰ろうかしら。悠眞の姿も見れたし」
「そうですねー。私もそろそろ帰らないと親に怒られます」
美咲希がそう言うと、美鈴が便乗した。
「お前ら送ってやるよ。真っ暗で危ないし」
「さっすが先輩。優しいですね惚れちゃいますよー」
「先に美鈴の家に行きましょうか」
二人とも反論はないものの、その様子は火花が散っているようだ。
「外、少し冷えるよ。パーカー着ていってね」
葉月の言葉を背中で聞きながら、俺達は家を出た。
はい。えっとですね、言い訳をすると今回ちょっと書きにくかったんですよ。だから時間かかりました…………。
ペース上げます




