第九話「トライアル」
北大大きな部屋に到着した。
大きな部屋の中は昨日以上にすっからかんで静まり返っていた。
「………何もいないわね。」
昨日状態を知らないアイビスからするとかなりの変わり様だろう。
「それほどの異常さだということだよ。」
三人は異常さを感じつつも止まることなく進み出す。
今は急がなければ、いつフィーネスたちがここに来るか分からない。
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奥へ奥へと進むにつれ、三人は嫌な気配を感じるようになってきた。
押しつぶされそうな圧迫感。
これも新種の魔獣の影響だろう。
だが、それはまだいい。
三人にとっては些細な事だ。
それよりも、三人は気持ち悪さを感じている。
ずっと誰かに見られているような、監視されているような、そんな感覚に――。
だが、ここにはアルスたち以外は誰もいない。
魔獣さえも。
――嫌な視線だ。
一番その視線を感じ取りやすいアルスにとってはかなり不快に感じる。
だが、足を止めることはなく、前へ前へと進んでいく。
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自然発光地帯に繋がる渡り道の入口まで来たところで、三人の足は止まった。
いや、止まらざるを得なかった。
ここの渡り道はアルスたちが知る限り、大大きな部屋を繋ぐ渡り道と同じような形、雰囲気をしている普通の道だ。
だが、そんな何の変哲もないその道がアルスたちの背筋を一瞬にして凍らせる程の殺伐とした道になっていたとは夢にも思わなかった。
「うっ!………これって……もしかして………!」
むせ返るほどの血の匂い。
アイビスは思わず鼻を抑える。
「そのまさかだろうね。間違いなく新種の魔獣の仕業だよ、これは。」
フェンリルも顔をしかめながら答えた。
彼らの目の前には異臭を放つ大量の魔獣の死骸と見たこともない魔獣の痕跡があった。
一番近くで魔獣の死を目にしてきたアルスでも、流石にこれは見ていて気分が悪くなる程。
魔獣たちの姿は昨日アルスたちが見たのと同じような死に方をしているのがほとんどで、目を逸らしたくなるようなほど無惨な姿で死んでいた。
そんな悲惨な光景は魔獣だけではない。
その周囲もだ。
壁や天井には爪痕や大きな打撃で出来た窪み、そして床には昨日アルスとフェンリルが見た巨大な足跡もある。
この足跡に痕跡。
どんな魔獣なのか全く見当もつかない。
少なくともアルスたちの知る中にはこんなことが出来る魔獣はいない。
「ここで一旦休憩しよう。おそらくこの先にいるのは今まで戦ってきた魔獣とは比べ物にならないぐらい強い。準備を整えて万全の状態で挑もう」
アルスたちも荷物を下ろし、休息を摂る。
こんなところで休まるかと思いつつもここで摂っておかないとこの先の状態が分からない今の状況からするといきなり戦闘なんてことも有り得る。
まぁ正直、アルスやアイビスは準備するものなどはない。
その気になればいつでも戦闘を開始出来る。
必要なのはフェンリルだ。
フェンリルは固有魔法で魔獣を操作するため、そのための魔獣を補充しなければならない。
フェンリルは少し離れたところまで歩いて行き、生き残りの魔獣を呼び寄せている。
魔獣の数が多いほど手数が多くなる。
しかし、三人は目の前の大量の死体を見て思う。
生き残っている魔獣がどれくらいいるだろうか、と。
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少ししたところでフェンリルが帰ってきた。
フェンリルはいつもより少し多めに魔獣を連れてきた。
グランドバットやグランドウルフなど、様々な魔獣がいる。
意外にも生き残りはいたようだ。
「ごめんね、遅くなって。集めるのにちょっと手間取っちゃった」
そう言ってフェンリルは荷物を背負う。
「よし、行くぞ。」
アルスの掛け声とともに、三人は中へ入っていった。
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中へ入り、どんどん進んでいく。
魔獣の死体の数は奥へ進むほど減っていき、異臭もしなくなった。
今は薄暗い道を歩く三人の足音と、フェンリルが連れている魔獣たちの足音しか聞こえない。
ただ、さっきから感じてた威圧感はおそらく強くなっているのだが、今は気圧されてる感覚はない。
慣れたのだろうか。
そして、いつの間にか目の前に出口が見えた。
三人はそれを見て、互いに警戒の合図を送り合う。
全員が警戒態勢に入る。
どんな魔獣なのか。
いつ襲ってくるのか。
最大限の注意を払いながら、アルスは剣をを握りしめる。
そして恐る恐る出口まで来た時、アルスたちは声も出ず唖然とした。
真正面に堂々と佇むその異様な生物に声が出なかった。
それと同時に納得した。
あの死体の数と死体の状態を。
何故今まで誰も気づかなかったのかという疑問を通り越して、三人は思った。
これは、誰がどう見ても " 魔獣" だ、と。
「…………は?………あれが……新種の魔獣……!?」
「……そうだろうね。あんな形の魔獣なんて今まで地底世界には存在しなかった。まるで混獣のような、あんな生物は…………」
フェンリルは困惑というより恐怖に近い表情で答えた。
彼らの目の前にいるのは異形の巨大生物。
トカゲのような頭にオオカミのような鋭い爪、鱗のような皮膚に大樹のような太い足、四足歩行で体は甲羅で包まれている。
背中には無数の岩が生え、尻尾の先には大きな岩をぶら下げている。
――フェンリルの言う通り、混獣だ。
そして何よりも目を引くのはその大きさ。
その魔獣の大きさはこの渡り道の出口の大きさより遥かに大きく、この大きな部屋の縦の長さのおよそ七割近くの高さまである。
――異常だ。
大の大人より大きい魔獣はこの地底世界にはいない。
それも大きな部屋をほぼ埋め尽くすほどとなると地底人にとってはでたらめもいいところだ。
「とりあえず、攻撃はしてこないね。一旦引こう」
怖気付いたのかフェンリルが後退する。
アルスたちも同じようにその魔獣から見えない位置まで下がる。
「デカ過ぎだろ。何なんだアレ」
「そうだね、地底世界の生き物とあまりにもかけ離れた見た目をしているし、奇妙だ。そもそも、アレはどうやってここに入ってきたんだろう」
一番意味がわからない部分にフェンリルが真っ先に触れる。
アルスたちはこの大きな部屋に繋がる唯一の道を通ってここへ来た。
そして道中には明らかに新種の魔獣と見られる足跡も見た。
ならば、今ここにいるあの魔獣が新種の魔獣で間違いない。
だが、明らかに足跡と今見た魔獣の大きさが合わない。
アルスたちの今いるこの道を通ったのは間違いない。
証拠も残ってる。
間違いないのだ。
なのに、何故通ってきた道に合わない大きさをしているのだ。
その大きさでは入ってこれないはずだ。
そんな考えに困惑するアルスたちに対し、アイビスは冷静に答える。
「まぁそんな事考えるのは後にしましょ。とりあえず作戦を立てるわよ」
案外冷静なアイビスに対し、二人はキョトンとする。
本来のアイビスなら、強そうな敵を見つけるとはしゃぐが、今回はやけに落ち着いている。
だが、アイビスは二人の様子に目の色を変える。
「モタモタしてる暇なんて無いのよ。早くしないとあの場所がなくなっちゃうの。」
力の籠ったその言葉はアイビスの心の表れそのものだった。
名前をつけるほど愛着を持っていたアイビスにとって、これは何がなんでも勝たなければならないもの。
フェンリルはそれに対して冷静に答える。
「分かった。急ごう。でも、急ぐことを理由に全てを疎かにしちゃダメだ。こういう時に落ち着いて冷静にだ」
そう言ってしゃがみ込み、落ちてる石を使って図を書き出す。
「そのために、まず相手の特徴を見たいから " トライアル " をしよう。」
トライアルとは相手の特徴や出方を見るための仮戦闘である。(本格的な戦闘ではなく、危険と判断した場合すぐに引く戦闘のこと。)
「てことは、まずは先手でアイビスの魔法で牽制して、その後、俺が近距離で攻撃しながら弱点を探る。フェンリルは中間の位置で俺たちを援護しながら特徴を探る。いつもの形だな?」
「うん、そうだね。」
「分かったわ。」
トライアルはそれぞれパーティ毎に形が違う。
メンバー全員が出来ること出来ないことをそれぞれ擦り合わせて行うそれは、パーティにとって戦いやすい形を見つける作業でもある。
三人にとってはトライアルは何度もしてきたことだ。
確認するように手短に伝えるだけで、後は三人で戦ってた時のことを思い出すだけだ。
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作戦会議を終え、もう一度出口に立つ。
やはり目の前に立つと足が竦む。
微動だにしないその巨体から感じる圧倒的な圧迫感と消えぬ嫌な視線。
不快さを噛み締めながらも戦う理由を思い出す。
やらないと守れない。
覚悟を決めるしかない。
アルスは一度深呼吸をして、二人に目で合図する。
二人はアルスの合図に頷き返す。
「よし!行くぞ!」
アルスの掛け声と共にトライアルが開始した。
一番最初に飛び出したのはアルス。
次にフェンリル、最後にアイビスだ。
まずアイビスが先手を打つべく詠唱を開始する。
アルスは魔獣の注意を逸らすように弧を描くように魔獣へと突撃する。
まず狙いは足だ!
上手く行けばここで体勢を崩せる!
だが、魔獣はアルスが領域に入ったのに気づき、威嚇の咆哮を上げる。
ウオォォォォォォオッ!!!!!
余りの声の大きさにアルスは耳を塞ぎながら足が止まった。
「………っ!」
何だこれ!!
体に圧がッ!
そして咆哮を終えた次の瞬間、魔獣は巨体を揺らし襲いかかってくる。
アルスに近い方の前足を大きく振り上げ、アルスに目掛けて振り下ろした。
「はっ!」
だがアルスはそれを難なく交し、また走り出す。
アルスがさっき居た所が大きく削れ、砂埃が立つのが見える。
さっきの咆哮、とんでもない重圧が体にのしかかった感覚だ。
あれも攻撃の一つか?
いや、ただの威嚇に感じる。
爪も見た目通り威力は半端ないな。
掠っただけでも大ダメージだ。
けど、咆哮と違って動きがデカい分スピードは遅い!
これなら交わせる!
アルスが魔獣の足元に到着する前に後ろで詠唱を終えたアイビスが魔法を放つ。
「大地の恵よ!泉の精霊よ!邪を穿つ我に王源なる力を与えん!『水渦砲』!」
魔獣の顔面に直撃した。
それとほぼ同時にアルスも魔獣の足元にたどり着き、剣を持つ手を大きく振りかぶる。
「ふんっ!」
ガキンッ!!!
思い切っり振り抜いた剣は火花を上げて弾かれた。
「くっ!」
硬すぎる!!
何だこれ!?
岩………いやもっと硬い!
ダメージが入った感覚がしねぇ!
ギエェェェェェッ!!!
だが魔獣は奇声を上げながら、少し怯んだように尻尾の位置が下へ下がった。
おそらくアイビスの魔法が効いたのだろう。
アルスは下がった魔獣の尻尾に目掛けて全速力で走る。
「オラッ!」
剣をひっかけ、飛び移る。
そしてそのまま尻尾から魔獣の背中まで駆け上がる。
どこだ、弱点はどこだ!
だが背中にあるのは無数の岩だらけ。
到底弱点にはなりえそうにない。
「くそっ!」
背中は諦め、一気に頭頂部へと目指す。
足と背中は無理だ。
腹も見た感じ甲羅だ。
攻撃は通らないだろう。
けど頭ならおそらく攻撃は通る。
どんな奴でも頭は急所だ!
アイビスの魔法も効いてた!
間違いない!
今度は無数の岩の間を抜けていく。
が、アルスの背の高さまであるその鋭利な岩々はまるで迷路にようにアルスの進行を妨げる。
「くっ!」
邪魔だ。
見通しは悪くないが進みづらい。
おまけに足元もかなりボコボコだ。
アルスは痺れを切らす。
だがその時、アイビスの二発目の魔法が魔獣に直撃した。
大きな爆撃音と前方の方で破裂する炎が見えた。
当たったのはおそらく首の辺りだろう。
アルスも急いで頭部まで登ろうとした。
が、次の瞬間、魔獣の体が大きく揺れた。
それは、魔獣の背中に乗るアルスにとっては地面ごと足元をすくわれた感覚。
「うわっ!」
アルスはその揺れに体勢を崩し、近くの岩に頭をぶつけた。
「っ!」
ぶつけた岩は綺麗に砕け、アルスは倒れ込んだ。
強い衝撃を受け、頭を触る。
手にベトっとしたものがついた。
赤くて生温かい。
「痛ぇな!くそっ!」
ぼやくアルスに対し、魔獣は止まることなく動き出す。
ウオォォォォォォッ!!!!
再び咆哮を上げ、アイビスたちに襲いかかる。
アルスは揺れる背中に踏ん張りを入れ、立ち上がる。
そして、もう一度頭部へと目指す。
ずっしりしていたからあんまり揺れないもんだと思ってたけど、結構揺れるな。
そんなことを考えながら進んでいると岩の数が徐々に減っていき、進みやすくなった。
アルスが今いる所は背中の真ん中辺り。
おそらく中心に寄れば寄るほど幅が広くなっているのだ。
「!!」
アルスはこれを機に一気に魔獣の頭まで駆け登る。
そして、頭部へと辿り着く。
と、同時に剣を振りかぶる。
頭は弱点。
ここで削ぎたい。
だが次の瞬間、またもやアルスの邪魔が入る。
再び足場が大きく揺れた。
アルスに気づき、魔獣が体を大きく振ったのだ。
アルスは振り下ろされ、落下する。
「くっ!」
下を見る。
大丈夫だ!
この高さならギリ着地出来る!
そう思い、空中で体をコントロールしようとした時だった。
着地と体勢に気を取られ、アルスだけは気づいていなかった。
いや、気づけなかった。
――真横から迫り来る、巨大な岩の塊を。
尻尾!?
やばい!
「アルス!!!」
「精霊の吐息、彼の者を吹き飛ばせ!『風砲』!」
フェンリルの叫び声が重なると同時に、アイビスの三弾目の魔法が放たれた。
その魔法は魔獣にではなく、アルスに目掛けてだった。
尻尾に気づき、アルスを弾き飛ばそうと咄嗟に打つ方向を変えたのだ。
だが、そのせいでアイビスの魔法は狙いから少しズレた。
アイビスの魔法はアルスにではなく、アルスと岩の塊のちょうど間へ放たれる。
そして、狙いがズレたことにより乱れた魔法は衝撃を緩和出来たが完全には受けきれず、アルスは魔獣の尻尾の先についたその巨大な岩にフルスイングされた。
「かはっ!」
衝撃音と共にアルスの体は無惨にも壁に打ち付けられた。
そしてそのまま地面へ落下する。
「アルスッ!」
だが、アルスの体は地面に落ちることはなく、何かに運ばれるように空中を移動している。
アルスは飛びそうになる意識の中、自分の現状を把握しようと目を開く。
地面が遠い………。
何かに掴まている……。
黒い翼……………の群れ…………。
……………グランドバット……か。
アルスは今、一匹のグランドバットの足に胴体を捕まれ、飛行しながら運ばれている。
フェンリルの魔獣たちが落下するアルスをキャッチしたのだ。
フェンリルとアイビスはその様子を見て、ほっと息をつく。
だが、魔獣は動きを止めることはなく、旋回するアルスたちに向かって背中にある無数の岩をかなりの勢いで飛び道具のように放ってきた。
風を切る音を立てながら飛んでくるその岩をグランドバットたちはスイスイと交していく。
しかし、その岩が飛んでくるのはアルスたちだけではない。
下で魔法を打ち続けるフェンリルたちにも、その岩石の矢は降り注ぐ。
「きゃあっ!!」
「アイビス!うわっ!」
容赦のないその攻撃は二人の攻撃の手を止めた。
アルスは揺られながらも被弾することはなく、目まぐるしく景色だけが動いていく。
――だが、その時だった。
その時、目まぐるしく動く景色の中、アルスは誰かと目が合った。
それはフェンリルでもアイビスでもなく別の誰か。
じっとこちらを伺うようなその目は、アルスに既視感を与えた。
誰だ。俺たちの他に、誰か…………。
ギエェェェェェッ!!!
だが、魔獣はアルスの思考を遮るように奇声を上げ、暴れ始めた。
砂埃を上げ、地響きを鳴らす。
アルスの視界の端でフェンリルがアイビスの肩を持ちながら出口に向かって走っているのが見えた。
そしてフェンリルは振り返り、
「撤退ッ!!!」
腹の底から出されたその号令は地響きが鳴り響く状態でも魔獣たちの耳に届いた。
フェンリルの指示で部屋中に散らばっていた魔獣たちは一斉に出口へと向かい出す。
だが、魔獣の攻撃はアルスたちの退路を断たんとばかりに彼らに襲いかかる。
爪を振り下ろしたり、背中の岩石を飛ばしたりしてくるもアルスたちはそれを難なく交わし、出口が目の前に見えた時、魔獣は今までにない動きを見せた。
口を大きく開き、熱気がどんどん口の中に立ち込めていく。
赤く染っていくその口内はアルスたちにとって見た事のない行動だった。
だが、常に狩りの中に身を置き、一番近くで魔獣と戦ってきたアルスの目にはそれが何かは分からないが、危険であることはすぐに理解した。
何だそれは……!?
そう感じた時、グランドバットの群れの中から数匹が引き返し魔獣へ向かっていく。
そして、魔獣が口の中の熱気を吐き出そうと体を大きくした瞬間、その数匹は魔獣の頭に突進し、攻撃をズラした。
熱気は明後日の方向に吐き出され、壁に直撃し、岩肌をドロドロに溶かした。
魔獣に直撃したその数匹のグランドバットたちは地面に落下し、そのまま動かなくなった。
あの瞬間、フェンリルは魔獣たちに指示はしていなかった。
つまり、魔獣たちが自らの意思で身を投げ打ってまでしてアルスを護ったのだ。
アルスはその光景を目にしつつも、気づくと出口に辿り着いていた。
アルスが戻ってきたのを見てフェンリルが駆け寄ってくる。
「アルス!!!」
フェンリルの声。
アルスは朦朧とする意識の中、周囲の状況を確認する。
アイビスは頭から血を流し、壁にもたれながら座り込んでいる。
呼吸はしているものの、顔は下を向いており、声を発する様子はない。
どうやら気を失ってるようだ。
フェンリルも数箇所怪我をしているし、服もボロボロだ。
魔獣たちは最初に比べて半分以下まで減っている。
アルスは今置かれている現状が危機的状況であることを理解した。
言わずもがな、トライアルは失敗だろう。
そして、アルスは体の限界が来た。
ゆっくり目を閉じ、フェンリルの名前を呼ぶ声が脳内にエコーのように流れていくのを感じながら、そのまま意識が遠のいていった。
♦ちょこっと雑学♦
三人は狩りを始めたての頃よくトライアルをしていた。だが、実践の狩りにおいてトライアルを行うのは滅多にない。新種もほぼいない上に引こうにもなかなか魔獣を撒けない。結果、大抵の場合は脳内シミュレーションをして、実践でしっくりする形に擦り合わせていくのがセオリー。




