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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
6章 高3の夏休み
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98話 試合終了

 そして、後半は始まる。キックオフは相手から。

 「こっちだ!」

1人が上がってきてパスを促している。俺はその間に入り阻止せんとするも、

「いや、こっちだっ!」

と別の所にいた他の敵にパスされ空振りに。そっちには浩平が向かってくれたが抜けられてエースらしき男に渡される。

 「あいつは危険だ、戻れっ!」

それを見てかキャプテンの的確な指示。従い俺たちはフォーメーションを変えて完全防御に移る。

「おらぁっ!」

奴が来ると俺が真っ先にスライド。

「甘いッス。」

そう言って一先ず横へ。

(こいつ、オタクかよ)

言葉遣いだけでオタクと決め付けていると、ボールは別のが受け、圭吾が向かったが続いて、後ろへ。それをまた別のが受け取るとエースが走り出す。

 「何か企んでやがるぞっ!いざとなったら伊納に任せるが火の無い所には煙はたたないってもんだ!全力で阻止しろ!」

キャプテンは言いながら、ボールをカットしにいく。俺たちも場を離れてそちらへ向かうがもう遅かった。

 ボールは軽く蹴られ緩やかに進んだかと思うと俺たちの間を抜けてきたエースらしきオタクらしき男が思いっきり右上四隅へシュート。

「なっ...。」

伊納は飛び込むが、右上四隅なんて止めにくすぎる。またあちらに1点が渡った。

(と、とんでもねぇトリックプレーだ...。)

俺は若干戦きつつ、ボールを中央へ持っていく。

 そして、再びキックオフ。俺はまず横の田辺に渡してからそのまま前へ。キャプテンも務める彼はそのままドリブルで前へ進み、華麗に敵のディフェンスの間を縫っていく。だが、キーパーが飛び出してきたためにボールをこちらへ。

「ナイスパスっ!」

と俺は言いながら足をあげる。

(そう言えば今まで数十回試合をやってきたけどシュートが決まったのって10回もなかったっけ...。)

そんな不満に苛まれつつも、真正面の左下四隅を狙う。と、ガスッ!勢い良くボールの左半分を掠ってしまった。

 ボールは右向きの回転を孕み減速もしながらあらぬところ一直線。それを見て相手のキーパーは念のため左へくるがそこで信じられないことが起こる。

「な、なんとっ...!?」

キャプテンが真っ先に目を丸くする。次に俺、浩平、圭吾、学と驚きは伝播し、

「あいつ...狙ったのかっ!?」

とついには敵にまで伝播する。

 何と大きく反れたボールが急に右へカーブして想定とは真逆の右下四隅へゴールインしてしまったのだ。

「ゴーーールっ!」

と審判が大きく叫び、得点板を捲って3とする。これで、3-4。俺たちは思いもよらぬトリックプレイで点差を1へと巻き戻すことに成功した。

 さて、そんな活躍も束の間のこと。敵にまた点を許してしまう。だが、今度は田辺がシュートを決め続いて浜崎もシュートを決める。

「ナイスシューッ!」

「ナイスシュート!」

何て言ってると、続け様敵に3点。だが、負けじと俺と浩平、圭吾の3人で敵を翻弄してからの菅がシュート。これで6-7。まだまだ点差1をキープする。


 そんな接戦をしてる内にゲームはアディショナルタイムのラスト1分へ。俺たちが勝つにはここで敵の点は決して許さず、かつ速攻連発というハードなことをしなければならない。

「けど、やるしかねぇっ!」

俺はそう自分に言い聞かせて、浩平、圭吾、学とともに前へ前へ。それに田辺と浜崎も続く。

 敵も逃げ切ろうと必死でボールをぐるぐると回し、エースが受け取れば一気に前へ。俺たちはそのままマークについたため向こうにいる敵はもういない。エースが思いっきりボールを蹴り飛ばすと、菅がヘディングで割って入ってきた。ボールは変に彼の相手のデコを掠ってゆき、

「痛ぇぇぇっっっ!」

と悲痛な声を挙げた。どうやら結構な量の髪が一気に抜けたようである。

 そうして、勢いの弱ったボールは伊納が難なくキャッチ。出血もあったため先生に保健室の連れていかれる菅が最後にグッドポーズをする姿はあまりにも格好よすぎて

「くっ...。」

と若干涙まで流れてしまった。

 

 そんなこんなで残りの1分はどちらにも点は入らず6-7のままで俺たちの負け。菅も戻って挨拶をしに来たがかなり悔しがっていた。俺たちも気持ちは同じである。

 唯一の救いは、敵のエースが俺と握手をするとき。

「良い試合でした。あのトリックプレイ、紛れなのかも知れないスけど、やっぱり凄かったッス。また機械があれば試合してみたいッスね。」

と俺を称賛してくれたことだったか。

 ちなみに言うと、学も敵のキーパーに周りも顧みず突進シュートするなんて初めて見るプレイだぜとか言われていたようだ。が、むしろこれは幼女と叫ぶだけで突っ込んでしまうほどのロリコン気質をお持ちの彼の存在自体がマリーシアの1つではないだろうか?もはやね。

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