24話 ご褒美タイム
「で、何をすればいいの?」
鈴本さんが少し引きながら、聞いてくる。俺は、
「鈴本さんっていつも、ブレザーだよねー。」
と言う。すると、
「そうだけど?」
と彼女は首をかしげる。
「ということで、セーラー服を着てもらおうか!」
俺は彼女を指差しながら言った。
「セーラー服を着ろって、そんなの持ってないし。察しなさいよ!バカなの?」
その指令を聞いて、鈴本さんがけなしてくる。
(こ...こいつっ!恋人だからって調子にのるなよ!)
そう思った俺は、下心丸出しの笑みで
「そうなんだったら、みんなの前で腹躍りって指令にしてもいいんだぞ?」
と言った。すると、
「な...何という羞恥プレイ...!Sよ、この人!特殊性癖の持ち主だよ!」
と、また、けなされた。
(こいつっ...!本当に腹躍りにしようか?)
そう思って、ガチで言ってみると、
「セーラー服の方で良いです。」
と泣きついてきた。
(よしゃ!)
俺は、小さくガッツポーズをした。
「なお、セーラー服のレンタル代を半分払ってもらいます。」
俺はおでこに手を当て、低めの声で言う。すると、鈴本さんに
「ちょっと待って?半分ってどれだけすると思ってるの?安くても、2000円ぐらいはするわよね?私に1000円を払えと?なかなか、言ってくれるわね。!てか、無駄にイケボー...。」
とまたけなされた。
「それが嫌なら、さっきの羞恥プレイにします。」
俺はまた、さっきと同じ仕草でそう言った。すると、彼女は
「わかったよ。払えばいいんでしょ、払えば!」
と言って、承諾してくれた。
それから、僕たちは服飾店に行き、半々でレンタル代を払い、早速、着させてみた。
その姿を見た瞬間、俺はつい興奮してしまった。
(うほっー!マジ可愛ええ!萌え展開来たよ、これ!)
「ねぇ、変じゃないかしら?」
(変じゃない、変じゃない。こんなの見たら、ブレザーの方が変に見えてくるわ!)
「やっぱ、変じゃない?」
(変じゃない!めっちゃ可愛い!めっちゃ似合ってる!神回来たっー!)
「可愛い。」
気づけばそんな声が漏れていた。その言葉を聞いて、鈴本さんは、
「な...何言ってるの?井上くん!」
と完璧に動揺したようすだ。
(鈴本さんってツンデレ属性?さらなる、至福だぜ!よしゃ!)
俺はまた、小さなガッツポーズをした。
そして、そのまま、俺は彼女と帰った。ついでに言っておくと今夜は両親がいない。つまり、俺はいつまでもそのセーラー姿を見れるのだ。
(来た、これ!)
俺は、三度、小さなガッツポーズをした。




