18話 修羅場絶賛発生中!?
「栞、おはよう。」
僕は挨拶をする。すると、彼女から
「おはよう!」
と元気な挨拶が返ってくる。それから、彼女とサッカーのことでいろいろ盛り上がった。
「い・の・う・え・くん?」
突如、後ろから声がして、思わず振り向く。そこには、殺気が体中が漏れでる鈴本さんがいた。
「えっと...じゃぁね!正一!」
その殺気を前に、栞は逃げた。
「あぁ、待って!俺も...。」
俺も彼女のように逃げ出そうとした。が、その前に肩をがっしりつかまれてしまう。
「私と言う女がいながらこらばどういうことかなぁ?」
と、鈴本さんが言う。
「お願いだから笑わないでください。怖いですので。」
彼女を怒らせないように、僕は敬語でそう言う。しかし、そらは無駄なあがきに終わった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
次の瞬間、学校中に正一の叫び声が響いた。
そして、1時限目の休み時間、俺は調べ学習のため図書室に向かった。が、その途中で、マズい者に出くわした。その名は伊能七奈美。例の変態巨乳少女だ。
「sex!sex!あぁ、破って!膜を!」
と、訳のわからない、いや、完全にアウトな言葉を口ずさみながら彼女は近づいてくる。
「あっ、先輩!」
やがて、彼女は俺に気づき、腕にしがみついてくる。そのふっくらとした胸の感触が手に伝わってくる。
「い・の・う・え・くん?」
また、あの声がした。俺は逃げようと伊能さんの手を振りほどこうとする。が、抜けなられない。それどころか、彼女の胸が揺れ、あんあん言いまくられたせいで状況はさらに悪化した。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
俺は鈴本さんに頭を殴られ、大声をあげる。すると、
「静かにしてください。」
図書室の先生が出てきて、そう注意された。この状況で、俺は
「すみせん。」
と謝るしかなかった。
その後も、そのような修羅場が何度も訪れ、その都度その都度、鈴本さんに殴られ体中痣だらけ。
(ったく、何て一日だ!)
俺はそんな思いで嘆きながら下校した。