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鈴音  作者: R a bit
鈴の音は遥か彼方へ
47/57

番外2、半田棘の贖罪

まだまだ先は長そうです。

そういえば七夕ですね。

願い事は特に無いですが強いて言うならこのまま読者が減らないことです。

作者にしか分からない悲しみなんですが、四月が一番多く見てもらえたんですが、徐々に減ってるんですよね。

まぁ単純に供給不足なだけですけど。

君のソナタもこっちも毎回最新話出すたびに読んでくれる

6〜7人のやけにパソコン率の高い現読者の皆様の存在は本当に有り難いです。

1.602×10-¹⁹の確率でもしいつか有名になれたら存分に古参アピしてください。多分する機会は無い。

まぁ冗談はこれくらいにして

本当にいつもこんな良く分からない駄文読んでくださって感謝の念に尽きません。

…多分こういうの後書きに書くべきなんでしょうね

私は真実の神トュラーの眼を移植した。

それによって、私は見た者や物の真実を

言い換えれば、全てを見抜く力を手に入れた。

代償は、話し手の私と聞き手が最も欲する情報を私が伝えられないという代物だった。

普段から人と話さない私にとって、

それは意味をなすデメリットでは無かった。

筈だった。

私は知ってしまった。この世界の全てを。

当然だろう、私が目を開ければそれは世界の一部なのだ。

怒るとか、絶望するとかそういう感情はなかった。

只只、それを知らない人たちが哀れで。

私はそんな巫山戯た世界を変える為に、

先ずは自分を変えてみる事にした。

いつだったか夢幻むげんかアイシスに聞かれた問の答えを。

私がもっと有意義な情報を持って、

私に興味を持つ人間が居ない事を信じてこれを記す。

読んで退屈しないよう、ある程度物語風に。


西暦を記しても、十中八九これを読む人は認識できないであろうから、私がこれを記しているより四年前。

私はとある少女に出会った。

黒髪ショートかと思ったら内側だけ赤色の、この世界ではあり得ない髪色をした少女だった。

バクという名前の兎のような奇妙な人形を持っているその風貌から、私は彼女を見ないようにしていた。

それの真実はあまり知りたくなかったからだ。

暫く適当に出店を眺めていると、彼女は私の目の前に突然現れた。

顔と顔というより、目と目がすれすれまで近づいて、

その黒い目の先に

私はよりどす黒い墨のような本性を垣間見た。

そして私に流れた情報、彼女の真実、その全ては

彼女が、夜叉小路やしゃのこうじ遥夏はるかの中に、私と同じ別世界にも同一人物として生きる存在。

修羅小路しゅらのこみちが居るというものだった。

それだけじゃない、彼女は私がトュラーの眼を移植するより前に、この世界の真相を知って、変えようとしていた。

だから私はその少女と結託し、ある計画を立てた。

人工超越者を作る。

私たちはこれを目標に、一年間東奔西走していた。

遥夏が学生で、その卒業試験の為に私たちの活動の停止は余儀なくされた。

だが、それが思ってもみない結末と転じた。

二人見つけたのだ、超越者になり得る存在を。

それは三年の卒業を前にして行われた、夏の国国立魔導学園のトーナメントだった。

それの決勝で、私は彼らに出会った。

名をアイシス・ハルマと、ノート・キーパー。

何も強いから超越者たらしめる訳では無いが、

彼らは人の括りを超えている程の力を持っていた。

その他にも、昔刀を売った相手の一人にも声をかけて

私は五騎さつきという名前のパーティを結成し、

人工的に、意図的に超越者を作る計画を推し進めていた。

そうやって五人で戦って三年が経った。

其の年に、五騎は解散した。

これは、その理由の一つでもある出来事だった。


「そう言えば、何故(いばら)は態々刀を自らの手で打つんだ?拘りか?」

そう問いかける黒髪の大人びた女性。

灰神楽はいかぐら夢幻むげんは、この夏の国の中央に位置する水無月城の近く、

半田はんだいばらの住まう小さな小屋で、その小さな汗ばんだ背中を見つめていた。

「別に。兄貴と違って、魔法で刀作れるほど器用じゃ無くてね。私に作れるのは、鉄の棘とか品質の悪い鉄塊ぐらいのものさ。」

「そんなものなのか。普段の戦闘ではもう少し金属を器用に作れていたと思うが。それに、毎回なまくらばかりじゃないか。」

普通なら明らかなコンプレックスに対する言葉には反応し難いが、灰神楽夢幻はある意味素直であり、ある意味相手の立場に立つのが苦手な人間なのだ。

それに、棘がアイシスや夢幻に新しく渡した武器たちが使い物にならず、窮地に立った経験は山を作る。

「つまらないからだよ。」

「やる気がないからなまくらだと?」

「この眼に従うのが。」

半田棘にはその溶けた鋼を見ただけで、何処をどのくらいの強さで打つべきかが、見えているのだ。

彼女は、そんな指示された通りに刀を打ちたくないという理由だけで、常に最善を外した刀を打つ。

「いつかそれが災いしなければ良いのだがな。」

そうやって灰神楽夢幻は小屋を出ていった。

残された半田棘は未だ熱心に、確実に最善を外していく。


これを書いていて気持ちが変わった。

この時は誤魔化したが、私も観念して話すことにする。

何故私がなまくらばかり創るのか。

話が二転三転するが、そのくらい私が今も変わり続けようとしていると言う事だ。


五騎結成から一年。まだ半田棘が普通に刀を打っていた時。

五騎は近くの農村付近に屯する魔族や魔獣の討伐に向かった。

他のパーティならまだしも、彼らはもはや五騎の敵ではなかった。

「じゃあいつも通りやるか。」

「私は異論な〜し!」

「私も構わない。」

「敵って何体?」

「了解。」

それだけ言っていつも通り、五騎は一時解散と成った。

一人で一国と張り合える程の力を持つ五騎たちにとって、最初こそしていたものの連携というものは存在せず、互いに強みを押し付けるのがいつの間にか定番と成っていた。

例え鍛冶師であっても例外でなく、半田棘は一人で北西の方向に向かっていた。

五分歩いただけで魔獣の討伐数は20を超え、半田棘はとある木陰で休憩を取っていた。

そんな中に一人の男が現れた。

「あ!あんたまさか!五騎の半田棘か!?」

汗と血に塗れ、明らかに一戦交わってきたばかりと言う男は、半田棘の名前を呼び、そっちへ向っていた。

「誰君。そうだけど。」

興奮している男をなだめる為か、単純に引いているのか、半田棘は冷たく対応した。

「頼む!何か武器は無いか!?緊急で必要なんだ。」

男をみる限り鎧以外身につけて居らず、武器がない。というのは真のようだった。

「即断不可。知らないのかも知れないけど武器ってのは生物を殺すんだ。見ず知らずの人に、そう簡単に刃物を渡す事は出来ない。もし助けが必要ならアイシスとかを頼ると良いよ。」

半田棘がこうも冷たく対応するのは、宥めているのでも、引いているのでも無く、彼の真実を知ったからだった。

「そう言わずに!俺の命が関わっているんだ!!」

「だからそう言っても…」

棘がそう言う途中で、ある人物が割り込んだ。

「良いじゃ無いか棘。お前の腕前を世に広めるまたとないチャンスだ。」

でも…という言葉を飲み込んで、半田棘は黙って頷いた。

「本当か!?ありがとう!!」

そうして半田棘は訪れた村を使って刀をを打つことにした。

当然だが、一からやる訳では無い。

半田家相伝の魔力を金属に変化する魔法で形を作り、

手動で手直しをする。

だが半田棘は、素直に刀を打つ気にはなれなかった。

彼の真実を見たからだ。

そうしてたった五分で、棘は刀を男に渡した。

「何をそんなに渋っていたんだ?」

何も知らない夢幻にとって、彼女の行為は人を助ける事を特に理由もなく渋った。という事になるのだ。

当然、半田棘もそれをわかっている。

「別に。直ぐにわかるよ。」

夢幻はそのまま、棘と共にアイシスたちの下へ向かった。


村から1km近くで、アイシスの足下に大量の魔石が転がっていた。

「相変わらず補助魔法だけで大したものだよ。」

「いつか体術だけでお前を超える。その上から目線も今の内だ。」

別に仲違いをしているわけではなく、

アイシスにとって唯一のライバルであり、親友であった

ノート・キーパーを超える夢幻の事を、仲間の前に超えるべき目標として見ているだけなのだ。

「村の被害は?」

「平気。遥夏が見てくれてるし、さっき私たちも居た。」

ただ…と棘が続けようとすると

「 ───────────!!!!!」

突如人が出すとは思えない叫び声が聞こえた。

目を見開くアイシス

既に一歩目を踏み出している夢幻に対し、

棘だけは、動こうとしなかった。

何度でも言おう。半田棘は彼の真実を見たのだから。


村に辿り着くと、子供を抱えるノートと

「さっきの男っ!?」

先刻棘から刀を受け取った男を拘束する遥夏の姿があった。

「どういう事だ遥夏。説明しろ。」

アイシスはいつもより険しい顔で遥夏へ詰め寄る。

「こっちには何もなかったからノートと住民を避難させてたら、この男がその男の子を剣で襲ってた。」

「本当だからね!?第一にこの子泣いてるじゃん!!」

少年の至るところにかすり傷がついている。

逃げる途中で転んだりもしたのだろう。

「ちくしょうっ!!!あとコイツだけだったのに!!」

遥夏に押さえつけられている男は、必死に身体を捻って抵抗している。

「確認。その子が、君が村人を生贄に魔族や魔獣を召喚したり、呼び寄せた事を目撃した人の最後って事かな?」

男は動揺と驚きと恐怖で顔が形を崩していた。

「なっ!!??」

アイシスは強張った表情を下に戻して、

魔酔ますい。」

男を静かに眠らせた。


以上が、私がなまくらばかり打つ理由だ。

今でもあの真実はゾッとする。

勘違いしないで欲しい。

なにもあの名前すら登場していない男のではない。

あの男の為に作り出した鋼の塊の真実にだ。

あの時私の目は、このトュラーの眼は

いつものように完璧な刀を打つ為の情報しかよこさなかった。

だからゾッとするのだ。

もし私が、この眼を信じて完璧な刀を打ったら、

あの子供は生きていたのだろうか。

少なくとも私はこの件から、

この眼が教えてくれるのは『真実』で『正解』では無いのだと知った。

だから私は、刀を打つ時だけはこの眼に逆らってみる事にした。

その結果知らない間になまくらばかり創る刀鍛冶という、五騎で最も弱そうな二つ名が広まってしまったが。


今回はこれで終わりにしようと思う。

だが、まだ私が記憶を持ち出せる人間であるという事実による責務は終わっていない。

またいつか気が向いたら

私はトュラーの眼ではなく、私の目で見た真実を記そうと思う。

ちこっと小話のコーナー。

って毎回書いてるんですがこれ読んでる人居るんですかね。

最近小話とか言うくせにちょっと長いのが多かった気がしたので、今回は簡潔にいきます。

小説を読む時に限定しませんが、読む時にイントネーションって誰しも違うものだと思うんですよ。

で、多分誰も興味ないと思うんですが

半田棘は半田→棘⤵

ではなく半田→棘⤴で『いば』の部分が少しだけ上がります。

これはもうただの愚痴というか自分に対する文句なんですが

こっち書くの疲れるんですよね。

いやこの物語全部のネタバレだから、なんで疲れるって思うのか。とかは流石に言いませんけど。


結局小話にはならなかったね!

ちこっと解説のコーナー。

(次回がいつか分からないので予告はまた休憩です)

一応なろうテンプレ(最近はそこまで流行りではないらしい)が好きな人が居ない事を前提に言いますね。

多分テンプレ好きな人はこんなの見ないと思うので。

主人公が出来ることを全て把握出来る作品ってなろうは少ないと、まぁ自分は勝手に思ってるだけですが、

なのでいまいち言及されてない鈴音の能力についての解説です。


鈴音は身体が魔力でできてる魔族のものなので、

魔力回路が存在せず、凛の記憶によってほぼ全属性の魔力が使えます。

只、だからといってなんでもできる訳でもなくて。

火は基本全般(火縄銃と燐くらいしか使わない)

氷も全般(基本は氷山の一角(アイスエッジ)しか使わない。)

水、雷、土、風は今のところ魔力だけ

多分今更新しく魔法を覚えようとも思わないだろうし、

舞十技を全てフルで使えるっていう、舞十技を代々受け継ぐ灰神楽家でも現れなかった才能という設定(二章で書こうと思ってたら悠長になるから省いた)だけで十分ですし、

凛は火縄銃に属性つけれたら完璧と思ってるので多分増やしません。

陽は天の木漏れ日

陰は隠蔽ハイドくらいしか使えないし、使わない。

あとは陽属性の魔術を魔力回路に流す治療ヒール

基本の魔術に、

本来魔力回路にしか流れない魔力を逆流させる事で、自分から自分に魔力での強化を与える身体強化アビリティア

名指しは幾つか有りますが判明してるものだけ。

凛の名指しの一つ燐。

燐の対象に触れたものに発火反応を起こす効果をつけられる。というもので、時限爆弾くらいしか使えないのであまり使われない名指しです。

自分にかければ接触した相手だけ燃えるのでカウンターでは強いし実際にそんな感じで使ってた。


あとこんな事したくないんですが、

前回の話で一つ伝わりにくいかな?

って読み返して感じた事の言い訳をひとつまみ。

刀寿かたぶきから貰った刀

白羽鳥しらばのとり】と【愚憎ぐぞう

之に対して、遊び心があると書いたんですが

真剣白刃取り(しんけんしらはどり)の白刃取りから白羽しらはどり

羊頭狗肉ようとうぐにくからにく

という真剣と羊頭(妖刀)とかけたくだらない、特別面白くも興味深くも洒落てもいない、劣化版西尾維新先生みたいな言葉遊びでした。

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