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番外4、日陰者の自白
16年前、一人の子供を拾った。
零歳のくせに雨の中に燃える炎のような髪だったのを覚えている。
名前は、何にしたっけな。
男か女かも覚えていない。
ただ覚えていること、あいつは俺の最高傑作だった。
最強を、夢幻を倒す存在に自分の子供になってほしかった。
村一番、いや、国一番の嫌われ者の俺には女なんかできなかったがな。
そういや、名前のない奇妙な子供だった。
上名は今も名乗ってくれているだろうか。
12歳の頃出ていったきり一度も会っていない。
俺のことも忘れているだろうな。
愛情よりも欲望が強かった。あのときの俺は少し若すぎた。
そのくせに、子どもの気持ちを忘れてしまっていた。
無則の姉妹のどっちかに会えば思い出せるだろうか。
もう一度、
もう一度でいい。
あいつに会う機会が有るならば…




