94話 衝撃の事実が発覚した!
アオの奮闘が数日続き僕たちはようやく元に戻る事が出来た。
いやー、アオが頑張ってくれなかったら幸せ空間から戻ってこれなかったよ。
一番初めに戻ってきたのは僕で、次に渋々先生が、最後は自堕落教団と意味の分からに事を言っていたレイクだった。
今日はみんなレイクに呼び出されてギルドハウスに集まっていた。
共有スペースにある木の丸テーブルを囲んで会議のような雰囲気の中レイクが話し始める。
「今日集まってもらったのはこのギルド『フォレスト』足りないものがあると感じたからだ。足りないもの、わかる奴はいるか?」
今日のレイクはなんだかやる気だ。
口調も少し変わって教官のような口調だ。
「フータ君答えたまえ。」
指名されてしまった。
「た、足りないものですか?」
つい敬語になってしまった。
何だろう?
やっぱりあれかな?
僕の目標でもあるし。
「知名度でしょうか?」
「ちっがーう!全然違うよフータ君。」
なんかテンション高いな……。
「アオ君、わかるかね?」
「俺に来た……。」
アオが少しめんどくさそうな顔をする。
少し考えた後に答える。
「人、ギルドメンバーの数でしょうか?」
「んーーー!おっしーーー!惜しいよ!でもいい線いってるね!ナイストライだ、アオ君!」
そして真っ直ぐに右手の親指を立てた。
やっぱり今日のレイクは相当テンション高いぞ。
「ということで先生、答えをお願いします。」
答えをお願いしますって……。
先生でもこれは分からないでしょ……。
「『フォレスト』に女の子のプレイヤーが足りない、とかでしょうか。」
先生はいつものようにニコニコして答える。
「んーーー!せいかーい!流石先生だよ!」
「ありがとうございます。」
「ということで行ってくるねー!」
そう言うとレイクは部屋から出て行ってしまった。
ということってどういうことだろう?
行ってくるってどこに?
「先生……。」
「心配しなくてもすぐに戻ってくると思いますよ。私達はゆっくり待っていましょう。チェイス君お願いします。」
「かしこまりました。」
「あたいケーキ!」
「皆さんの分も用意しますね。」
僕達がチェイスさんの作ったケーキを食べて待っていると1時間ほどでレイクが戻ってきた。
この家には転送用のポータルがありハーマリとグラーシにすぐ行けるようになっている。
どこか行っていたならレイクもポータルを使ってハーマリかグラーシに行っていたのだろう。
「たっだいまー!」
元気に帰ってきたレイクは一人の女の子を抱きかかえていた。
いや、抱きかかえていたというより拘束していたの方が正しいだろうか。
拘束されていた少女は小柄でベレー帽をかぶっていて自分の背丈よりも大きい筆を持っていた。
先生は少女を見て少し驚いた顔をしたがすぐにいつものニコニコ顔に戻っていた。
「可愛いでしょー。ハーマリで捕まえてきた。」
「捕まえられました。そろそろ放してもらってもいいですか?」
少女は不機嫌な顔をして言う。
「誘拐してきたのか?師匠こいつは今すぐギルドから追放するべきです!」
「誘拐じゃないよ!」
「誘拐されてきました。」
「やっぱり誘拐じゃないか!」
「違うって!」
「誘拐されました。」
「やっぱり!」
「だから違うって!」
「ゆうか……。」
「ストップ!」
終わりそうもない会話に待ったをかける。
「レイクはどうしてこの子を連れてきたの?」
「ギルドメンバーの勧誘だよ!ハーマリに行ったら可愛い子が歩いてたから連れてきちゃった!」
「連れてきちゃったって……。君はギルドメンバーの勧誘だと知っててここまで来たの?」
「いきなり連れ去られました。ここはどこでしょうか?随分と立派な家に見えますが。」
「うちのレイクがごめんね。ここは『フォレスト』のギルドハウスだよ。」
「さっきから小さい子に話しかけるようなその口調、不愉快です。私はこう見えても16歳の高校2年生です。」
「「「うそ!同級生だ!」」」
「「「「えっ!?」」」」
今、衝撃の事実が発覚したのだった。
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