シザクラ村殺人事件 事件編①
依頼があってからの土日を利用して僕と渉はシザクラ村に行くことになった。シザクラ村は車で2時間の山の中にあるとのことで小林先生に車を出してもらい、引率してもらった。まぁ旧友がいるのは小林先生だし、当然なんだけど。車中で小林先生にシザクラ村のことを聞いてみた。
シザクラ村とは戦時中軍の隠れ家として使われた小さな村で、自然に囲まれたのどかな村みたいだ。以前先生はシザクラ祭りに参加するため旧友のとこに訪ねて以来、約3年ぶりだそうだ。そのせいかテンションがやけに高い。
車を走らせて約2時間。周りは森に囲まれた1本道だ。カーナビを見てみてもこの道しかなさそうだ。霧も出てくるし、これは一雨来るかもしれないな。
「お、諸君。あそこがシザクラ村入り口だよ。」
話に聞いていたように小さな村っぽいな、車を止めて降りると1人の男性が話しかけてくる。
「失礼ですが、あなたが小林…栞奈様でいらっしゃいますか?」
あまりにも異様な光景。この「和」って感じの村に似合わない執事服を着た男性だったからだ。ん、小林先生を知っているようだが?
「えぇ、そうだけど…あなたは?」
どうやら先生も初対面らしい。
「これは失礼。わたくし刹那様のお屋敷で執事をしております。近藤と申します。刹那様の命により、あなた方をお迎えにあがった所存であります。ではこちらへ…。」
軽く会釈をした後、先導し道案内をしてくれている。道案内中に気づいたのだが、人の視線が気になる。あまり歓迎はされてはいないようだ。道中ロープやワイヤー、コーンやシャベルなどの工事道具が殺伐と置かれているのも気にかかる。
「なぁ、近藤さん。やけに工事道具があるけど、なんかあんのか?」
どうやら渉も気になったようだ。が、すぐに聞けるのは…凄いな。
「えぇ、わたくしの旦那様、厳蔵様はこのシザクラ村を開発するとのことで、今はいろいろと準備をなさっているのですよ。さて、見えましたよ。あちらがお屋敷でございます。」
近藤さんが指を指した方を見ると、これはまたでかい屋敷が建っていた。旅館と言っても過言じゃないな。
「それでは…どうぞ中へ、刹那様もお待ちでございます。」
そして僕らはその屋敷の中へ入っていった。




