AI利用義務化から2ヶ月半、「なろう」のランキングはどうなった?
気になって調べてみました。
2026年6月9日から、小説家になろうでAI利用状況の設定が必須になりました。
「AI直接使用」「AI間接利用」「AI補助的利用」「AI不使用」の4区分から選んで、
自分の作品にどうAIを使ったかを明かす必要があるわけですが……
実はこの義務化、なろうのランキングにどんな影響を与えているのでしょうか。
データを使って、ズバリ解説してみます。
■ 調査の概要
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対象期間:2026年6月9日〜8月25日
使った道具:なろう小説API、ランキングAPI、サイト検索機能
目的:AI直接使用タグが、ランキング上位作品にどのくらい影響しているか
■ まず「どれくらいの作品がAIを使っているの?」
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2026年8月下旬の時点で、なろうには約124万作品があります。
そのうち「AI直接使用」タグが付いているのは 6,853件。
全体の 0.55% です。とても少ないと思いませんか?
ただし、話を「直近1週間に更新された作品」に絞ると、話は変わります。
更新作品 約16,900件のうち、AI直接使用タグ付きは 1,701件。
比率は一気に 10.1% に跳ね上がるのです。
つまり、全体としてはまだマイナーですが、
「新しく書いている人の10人に1人はAIを使っている」という実態があるんですね。
■ ランキング上位50位に、AIタグ作品はどれくらい入った?
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3ヶ月分の月間ランキングで確認しました。
【6月】0件
義務化が始まったばかり。まだ影響なし。
【7月】1件(28位)
https://ncode.syosetu.com/n6650mi/
黒猫と珈琲さんの「理想の婚約者でした。でも私は、彼の周りにいる人たちを見て縁談を断りました」
月間約2.9万pt、総合約3.1万pt。
【8月】1件(15位)
https://ncode.syosetu.com/n3823mj/
さくらろさんの「S級探索者を5人育てたら全員に独立された中年コーチ、
暇つぶしの初心者講座配信が「人類の攻略常識」を書き換え始める」
月間約3.6万pt、総合約6.2万pt。かなりの好成績です。
月間上位50位の中でAIタグ作品が占める割合は、最大でも 2% 未満。
日間ランキング上位100位でも平均 2.3%、上位10位にはほぼ出現しませんでした。
結論:上位を独占しているのは、やはり人間が書き上げた(あるいは高度に編集された)作品です。
■ ジャンルで見ると、偏りがすごい
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AI直接使用作品をジャンル別に分けると、こうなります。
・恋愛:38.6%(全体比の2倍以上)
・ファンタジー:41.6%(同上)
・文芸:10.4%(全体比の半分以下)
この2ジャンルで、AI作品の約80%を占めています。
詳しく見ると、「異世界〔恋愛〕」が36.2%、「ハイファンタジー」が34.1%。
なろうの「王道ジャンル」にめちゃくちゃ偏っているんです。
AIはパターンが決まりやすい物語に向いているのかもしれません。
ただし、このジャンル内でも総合ポイントの中央値は低く、
上位に届いている作品はごく一握り。数は出せても、質で勝負するのはまだ難しいと思います。
■ 読者はどうやってAI作品を避けている?
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なろうの検索画面を見ると、AI直接使用には「抽出条件」と「除外条件」の
両方にチェックボックスが用意されています。
つまり読者は、ワンクリックでAI直接使用作品を除外できるのです。
一方で、「AI間接利用」「AI補助的利用」「AI不使用」には
公式のフィルタがありません。
ちなみにAPIで確認したところ、「AI不使用」をキーワードに検索しても
ヒットするのは作者が自ら「AI不使用です」と書き込んでいる167件だけ。
公式の自動タグとしては機能していません。
つまり読者が「AIを使っていない作品だけ読みたい」と思っても、
「AI直接使用を除外する」しか公式の手段がないのが現状です。
検索の除外ワードに「AI直接使用」と入力している層も一定数いるとされます。
読者の「AIを避けたい」というニーズは確かに存在しているんですね。
■ 専門家はどう見ている?
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AI直接使用は、量産しやすいジャンル(異世界恋愛・ハイファンタジー)で
特に活発です。更新作品の10%がAIタグ付きという数字は無視できないもの。
しかし、上位ランキングでは2%前後に抑えられています。
これは、タグが付いていることが「ハンデ」になっているというより、
現時点のAI直接使用作品の多くが、
読者が「これだ!」と推すほどの魅力に欠けていることを意味するかもしれません。
読者の評価軸は、やはり「内容の面白さ」。
タグの有無は、まだ二次的な材料に留まっています。
ただし8月に15位に入ったさくらろさんの作品が示すように、
内容がしっかりしていれば、タグがあっても上位に行ける。そういうあり方かもしれません。
■ 結論:何が変わった?何が変わっていない?
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■ 変わったこと
・AI利用が「見える化」された。隠れて使っても、タグで誰でも分かる
・商業化時のトラブルリスクが下がった
・読者がAI作品を除外できるようになった
■ 変わっていないこと
・ランキング上位は依然として人間執筆作品が圧倒的優勢
・AI直接使用作品は「更新量では存在するが、質の評価では届いていない」
■ 今後の注目ポイント
9月1日に完全適用が来ます。
既存作品にもAI利用の設定が義務化されるため、
いっそう「見える化」が進むでしょう。
特に「AI間接利用」の表示が増えることで、
読者の選択行動がどう変わるか。それが次の焦点です。
■ 調査に使ったツール
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なろう小説API:https://dev.syosetu.com/man/api/
ランキングAPI:https://dev.syosetu.com/man/rankapi/
サイト検索:https://yomou.syosetu.com/search.php
以上、データから見たAI利用とランキングの現状でした。
10月くらいでもう一度やってみようと思っています




