5/16
仲間たちの思いて小さなキュン
街に一段落が訪れ、診療所の窓から夕暮れの光が差し込む。
柔らかなオレンジ色が部屋を包み込み、静かな時間が流れた。
リリアは薬草を整理しながら、ふと仲間たちの顔を見回す。
ガイルは腕を組んで窓の外を眺め、リオは疲れた様子で椅子に腰掛けている。
そして、隣には新入りのエリスが小さく息を整えていた。
「今日も、みんなお疲れさま」
リリアの声に、エリスが少し照れた笑顔を返す。
「はい……でも、リリアさんと一緒にいると、緊張も少し和らぎます」
ガイルは小さく笑い、リオも軽く肩を叩く。
「ふふ……俺たちも、君がいてくれると心強いよ」
診療所の片隅で、温かい紅茶を入れるリリアの手元を見つめながら、エリスは心の中でつぶやいた。
——この人たちと一緒なら、どんな困難も乗り越えられる。
静かな時間の中で、仲間たちの小さな会話や笑顔が自然と交わる。
チルで落ち着いた空気に、ほんのり胸が温かくなる。
リリアとエリスが肩越しに見つめ合う瞬間、ほんの小さなキュンが二人の間を通り抜けた。
森の風が窓をそっと揺らし、街に一日の終わりを告げる。
——この穏やかな時間も、仲間と一緒なら特別。
明日も、きっと笑顔で迎えられる。
リリアは窓の外を見つめ、静かに微笑む。
「ありがとう……仲間たち、そしてエリス」
仲間たちの笑顔に包まれながら、今日もまた小さな幸せを胸に刻む。
