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5話 うんちんこぶりぶりぶりぶり!w

 アルティメット田中はゴードンEXのタバコを奪った!


「へっ、お前のスピードは所詮こんなモンよ! 俺の敵じゃねえな。」


 と言って、田中はタバコをゴードンに向かって全力で投げた。


「フン。」


 しかしゴードンはそれを素手で掴んでみせた。火種が当たったにも関わらず、何の反応もなし。いとも簡単にタバコを握りつぶしてみせた。


「どうやら、よほど死にたいようだな。」


 ゴードンは白發閂指拳の構えを取った。


 そして第二ラウンドが始まるッ!


「テヤァアッ!」

「オピャアァ!」


 両雄、超スピードで飛び出す!


 そして互いに凄い速度でラッシュを繰り出した。


 どちらも引かず、拮抗しているラッシュ対決。ゴードンは思わず笑みが溢れる。


「なるほど、先ほどのでもうスピードに慣れたか。」

「っ……!」


 しかし、徐々に田中が押され出した。


「どうしたどうしたッ! そんなものかッ!」


 田中は確かにスピードに慣れてきて、ゴードンとも互角のスピードで渡り合えるようになった。だが、田中が失速したのには別の原因がある。


(き、気持ち悪いっ……!)


 そう、それはさっきの喫煙である!


 実は田中、タバコを吸ったのはさっきが初めてだったのである!

 別に作戦上は吸う必要はなかったのだが、調子に乗って吸ってしまった! それも結構勢いよく!


 俗に言う『ヤニクラ』であるッ!


(くそっ……! 何でこんなものを吸ってんだ……! 馬鹿どもめっ……!)


 世の喫煙者に向けて放ったメッセージであるッ! 俺も正直やめたいッ! 金がかかるからッ!


 そんなわけで田中はピンチ、そんなときにゴードンの追い討ちがかかる。


「これで終わりだ! 俺の必殺技『白發秒打弾(はっぱつびょうだだん)』ッッッ!」


 白發閂指拳の中でも最速最強のパンチ、白發秒打弾が放たれたッ! 今の田中に避けるすべはない。


「ッ!」


 再び土煙とともに、激しい衝撃が起こる!


 カッ!


「……え。」


 事態を遠くから見ていた黒宮、そして華組の全員が、その光景に唖然とした。


 ゴードンのパンチは田中の顔のすぐ横を通っていて、逆に田中のカウンターパンチが彼の脇腹に深く突き刺さっていたのだ。


 それも、拳が全部埋まるぐらい、不自然なぐらいに突き刺さっていたのであるッ!


「イヤーーーーッ!!」


 ショッキングな場面だと思い、黒宮は叫ぶ。


 だが、実際はそんなエグいことは起きてなかった。


「がはっ……! なん、だと……」

「ふぅー、危なかったやで。あのままジリジリと押されてたら、負けてたのは俺だったぜ。」


 田中は、ゴードンの必殺パンチをかすって、頬にそこそこデカい切り傷を負っている。だが、勝利したのは田中のようだ。


「どうして脇腹を……!」

「簡単な話だで。」


 こっからアルティメット田中によるクソ長い解説(カイジ構文つき)が入るぜ!


「俺はお前のタバコを吸う位置に違和感を持った……! あまりに奥まで咥えすぎだっ……! 普通の人間の吸い方じゃねえ……。だから俺は、お前の身体に何かしらの秘密があると悟ったんだっ……! それで俺はカマをかけた。お前のタバコを奪い、そして全力で投げつけたっ……! そしたらお前はなんと素手で火種を掴みやがったのさっ……! タバコの火種ってのは表面で2〜300度、中心部なら800度以上もある……! つまり、不可能なんだよっ……! 火種を握り潰して熱がりもしねぇなんてのは……!」


 田中の顔はカイジに激似になる。


「つまり考えられるのは、お前は全身に鉄板かなんかを仕込んでいるイカサマ野郎ってことだっ……! だが、そんなお前でも鉄板を仕込めない急所があるっ……! それは、『身体のふし』っ……! つまり、首周りや脇腹……! それにお前は超スピードで突っ込んでくる。あとは、拳を構えて待ってれば、そっちから突っ込んでくるってわけだっ……! これがお前の常勝喧嘩の仕組みっ……! そして俺の勝ちへの糸口となったっ……!」


 説明終わり♡


「フッフッフ……、なるほど、これは俺がしてやられたな。」


 ゴードンは長い説明の間に回復し、立ち上がる。


「だが、半分正解だな。」

「半分?」

「あぁ、俺はそんなイカサマ野郎じゃねぇ。」

「一体どういうこ……!」


 このとき、田中は気がついた。ゴードンEXに関する『真実』に。


「……なるほど、そういうことか。化け物め……!」

「ほう、気がついたか。」


 ゴードンの身体は、次の瞬間ぐにゃぐにゃに歪み出した。まるでカイジに出てくるグニャアの人みたいにッ!


「えっ……?」

「ボス?」


 黒宮、華組の面子は目の前の光景が再び信じられなくなった。


 そう、ゴードンはズルなどしていない。むしろその逆ッ! 手を抜いていたのだ!


「もうこの『修行』は終わりだッ!」


 次の瞬間、ゴードンの皮膚はビリビリに破けて、爆発四散した。


「「「ぎゃあぁアアアァアァアアッッッ!」」」


 今度こそショッキングな映像だと思って、黒宮だけでなく華組のメンバーも叫んだ。


 刹那、ゴードンの皮の中から出てきたそれは、神速だった。


 田中の周りを、先ほどとは比べ物にならないスピードで動き回る何か。


 それは、突如として止まった。


「俺の真の姿を見破ったのはお前が初めてだ。」


 それは180度の開脚をした状態で、親指二本だけで逆立ちをしていた。


「ま、マジか……! そこまでは見抜いてないやで!」


 田中はびっくり仰天した。


 なんと、ゴードンEXの正体は、女だったのである。

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