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38話 初のパーティー生配信がPPVなんですけど? ③


ブクマ登録と高評価を下さって、本当にありがとうございます!!

この辺りから話が広がって行く予定なので、引き続きお楽しみ頂けると嬉しいです。

せっかくブクマや高評価を頂けているので、連日投稿して行きます!



 



《ヤバい!!》

《ここに来てSラン上位3体とかヤベェだろ!!》

《“USのヒーローを壊滅したマンティスマンじゃねえか!!“》

《雪乃ちゃん逃げて!!》

《アレってカマチョのパーティーをヤッたヤツだよな!?》

《“あのクソ野郎!今度は『GACHI-THEY』をヤろうってのか!”》

《ユーキ様逃げて下さい!》

《マンティスマンとかシャレにならんて》



 ふむ、コメ欄が相当動揺しているか。


 まぁ、ヤツ一体相手に『カマチョ&ザ・ファミリーストーン』が全滅したのは記憶に新しいから無理も無いな……



 正直あの野郎にはムカついている。

 職業スキルの【魔闘戦鬼】の能力をそこそこ解放して、ボコボコにしばいてやらなきゃ収まりがつかん。



 俺は斜め後ろで構える雪乃ちゃんと更にその後方に控える彩音をハンドサインで制すると、ズイッと前に出た。



「おい、カマキリ野郎ども!

 よくも俺の可愛い桐斗の純粋な憧れを奪ってくれたなぁ!?

 この俺がテメェらをボコボコにしばき倒してやるぜぇ!!」



 俺はヤツらに怒声をぶつけると同時に地面を強く蹴り、一気に距離を詰める。

 先ずは動きを止めたど真ん中の一体の頭部を、魔力で強化したデコピンで弾く。



 ドパシュンッ!!



 ド派手に頭が破裂した中央の個体の胴体に前蹴りを入れてブレーキをかける。

 漸く仲間がヤられた事に気付いた左右のマンティスマンは、一瞬だけ俺への攻撃を躊躇した。


 それもそのはずで、ヤツらは位置取りが悪過ぎる。

 俺を丁度挟んだ位置にそれぞれ突っ立っているので、手のデカい鎌を振るうと仲間まで攻撃してしまうんだよなぁ……

 まぁ、俺がそうなるように飛び込んだんだが、プロ格闘家なら速攻でポジショニングを変えるべき場面だ。


 俺はその一瞬の躊躇を見逃さず、左側の個体に魔力強化足払いをかましてバランスを崩して見せる。

 人型魔物は格闘技の練習などしないので、体勢が崩された時の牽制の攻撃すらしない。

 左側のマンティスマンは倒れないように慌てて左腕の鎌を地面に突き立てる。



 ククク、呑気なヤツめ……



 俺はガントレットにそこそこの魔力を一瞬で纏わせ、右ストレートを左側マンティスマンの胸部にぶち込んだ。



 ズゴォォォン!!



 胸部に大穴を開けて絶命した左側マンティスマン。

 残りは右側マンティスマンのみだ。



 やっぱ判断が遅いんだよなぁ……



 2人目の仲間がやられた事で漸く腰を捻り、右腕をオープンワイドに開いた右側マンティスマン。

 この初動と腕の鎌の角度で、ヤツの狙いが丸分かりである。



 俺は右マンティスマンの方へ深く踏み込みながらダッキングをする。



 そう言やぁ、キックオンリーの頃は相手の膝を食らうので、ダッキングは余り使わなかったなぁ……。

 このステップインしつつのダッキングは藍口竜樹とのスパーで学び、その後数え切れない程繰り返し練習した事で身に付けたんだっけ……。



 そんなことを考えながら、俺は次々と繰り出される右側マンティスマンの予備動作と初動を見極めて軽々と躱して見せる。



 こんなど素人みたいな体捌きの魔物にヘクター達は全滅したのか…

 余り故人を悪く言いたくは無いが、ここまでテレフォンな魔物相手にレベル100超えの『カマチョ&ザ・ファミリーストーン』は何をやってるんだよ…



 ハナクソを穿る余裕の出た俺は繰り出される大振りの鎌攻撃を躱しながら、最もバランスがチグハグな状態で攻撃を繰り出す瞬間を只管待った。


 まぁ、コイツらは元々空振り後は思い切り身体が流れるんだが、マンティスマンはワーウルフよりも遥かに下半身が強い。

 空振り後に上体が流れても、下半身を踏ん張って無理矢理次の攻撃に繋げるのがマンティスマンの特徴である。

 俺が狙っているのは下半身もバランスが崩れる瞬間だ。


 その後も俺はマンティスマンの雑な攻撃を躱し続けるのだった……。




 ◆◇◆◇◆




《ヤベェ…2時間17分で最下層…》

《雪乃ちゃんが有能すぐる…》

《何なのこの人外達…》

《イケメンニキがイレギュラー出現したマンティスマン3体を瞬殺してから、USAニキ達がコメントしなくなった件》

《インサートされたキリトきゅんがパパを応援する姿が可愛過ぎて泣けた…》

《USニキ達にとって『カマチョ&ザ・ファミリーストーン』の惨殺配信はショッキングだったろうから、ニキが軽々と拳でマンティスマンの頭を粉砕してるの見たら切ない気持ちになっても仕方ない》

《ニキに秒殺されたカマキリ野郎に瞬殺されたヘクターとかザッコwwwアレでアメリカではスターとかwww》

《なお、ここまで彩音様は空気の様子》



 遂に最下層ボス部屋前に辿り着いた。

 思ったよりも楽勝だったな。

 因みに、生き残りの右側マンティスマンはあの後速攻で瞬殺した。アイツらマジでクソ弱かった…



 先ず、手が鎌なのが頂けない。

 三体集まっても仲間に鎌が当たるから、大胆な攻撃が出来ないし、そもそも腕を振るう鎌の向きで簡単に攻撃の予想が付いてしまう。

 単純なスピードは速いし力も強いけど、予備動作がデカ過ぎるから左手は鼻糞を穿りながらでも倒せたぜ。



 因みに今俺達はボス部屋前のセーフティエリアで暇つぶし中である。

 何でも元々の放送時間が余り過ぎるので、少し時間を潰して欲しいとチーフディレクターからBOINが来たのだ。



『さて、急遽ゲスト解説としてお呼びだてした元格闘家の魔莉侍(マリジ)さん。

 ボス部屋迄のダイジェスト映像を見て如何でしょうか?』


『ええ〜?急にマネージャーから呼ばれて来ただけだから良く分からないですよ。

 大体、格闘技と探索者の闘いなんて次元が違うし』


『いや、でも神城さんはプロ格闘家出身らしく、他の探索者をど素人呼ばわりしているらしいんです。

 このマンティスマンとの戦いのスロー映像を見て、如何でしょう?』


『神城?そんなファイター聴いた事が無いな。

 でも、確かにこの動きは…この人見切りがめちゃめちゃ早いね!

 確かにスローで見ると、このカマキリっぽい怪人はモーションが大きいけど、こんなのモーション見てから考えて動くとか絶対無理だから。

 このブロッキングの動作だけでも、相当練習したと思うよ。


 特に最後のフィニッシュシーン。

 見辛い斜め下からの振り上げの直前に、凄いスピードでカマキリの腕を踏ん付けてるでしょ?

 しかも鋭い鎌の所じゃなくて、前腕の所をピンポイントで蹴り付けてる。

 コレを想定しての練習をかなりやったんだろうなぁ。


 遠心力を付ける前に逆方向の力がかかって、相手はめっちゃ体勢崩れてるでしょ?

 反対に神城?は全く軸がブレてない。

 で、鼻糞穿りながら右ストレート…って、めちゃめちゃ綺麗なフォームで打ち抜くなぁ…


 何でこんな凄いテクを持ってるのに、名前を聞いた事無いんだろう?

 こんなイケメンでこの技術なら、絶対人気選手なのに』



 ほう。流石はレジェンド格闘家の魔莉侍(マリジ)。俺の練習量を見抜くとは。



『確かに近接での戦闘中って、魔物が攻撃してから考えるなんて暇無いですもんね。

 普通は魔物が攻撃して来たら盾役の人が大雑把に盾スキルを使って防いで、相手が止まった時に前衛が攻撃をする感じですから。


 コメント欄のど素人が…んんっ!失礼。

 一般の方が神城さんには全てがスローに見えているとか的外れな事を言ってますが、一瞬はアドレナリンで少しゆっくり見える事はあっても、スローな中で自分だけ俊敏に動ける訳が有りませんし』



 この女子アナ、今堂々と一般視聴者をど素人と言ったぞ?

 だが、魔莉侍さんのおかげで大分俺のやっている事が浸透したようだ。

 てか、武器や防具の損耗も無いし、体力も全く問題ないからさっさとボスを倒しに行きたいな。



 彩音にチラッと聞いたが、柊のオッサンがチーフディレクターと大揉めしているらしい。

 ダンジョン異常が起きかけているから完全攻略に来ているのに、配信の尺の為に時間を潰すとは何事かとか何とか。

 確かに、こんな事をしている間に前みたいにスタンピードの前兆が発生したら、最下層のダンジョンボスはSSランクボスに置き換わっても不思議じゃない。

 


 まぁ、あのオッサンがガチで配信会社に詰め寄ってるとは思えんけどな。



 そんな事よりも早くゴーサインが出ないかなぁ……ケルベロス程度なら余裕だが、SSランクボスとなると、厄災級と言われる上位種のドラゴンや魔法攻撃を無効化するデモンウォーリアー、逆に物理攻撃を完全無効化するノーライフキング等の一筋縄では行かない相手が多い。

 現に道中魔物がマンティスマンにすげ変わっていたのだから、早く攻略した方が良いに決まっている。



 探索者ファーストを表向きだけは謳う柊のオッサンと利益至上主義の配信会社のせめぎ合いを想像しながら溜息をついていた時だった…



 ブーーッ!ブーーッ!ブーーッ!



『ダンジョン内の瘴気と魔素の量が急上昇。

 規定値を遥かに上回りました。

 このダンジョンは12時間以内にスタンピードが起きる可能性が有ります。

 ダンジョン内に居る探索者は直ちにダンジョンから避難して下さい』



 協会と会社が不毛な争いをしている間に、最悪の事態を知らせる警告がドローンから流れたのだった…。



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