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5話③
「おかえり、陽向。いらっしゃい、笹本」
僕は、いつものように、玄関まで、出迎える。そして、なるだけ冷静な声で、言ってるつもりだが、笹本には、どんな風に聞こえてるかは、分からない。もしかしたら、ちょっと、冷たく聞こてるかもしれないなと思う時がある。
どうしても、何故か、笹本のことは、ちょっと、敵対視してしまう……
だけど、きっと、僕が不機嫌だなんて、陽向は気づいてないはずだ。
っていうか、むしろ、気づかれたくない。こんなに嫉妬深いなんて、陽向には、絶対気づかれたくない。
陽向の前では、いつまでも、カッコイイ瑠華でいたい。