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ペルソナ  作者: ウミネコ
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最終章『Zero・dark・hour』第十六話

 紅い、世界。

 視界に映る炎。

 ユラユラと揺らめく陽炎は。

 容易に世界を歪めて映す。

「………………」

 肺が、熱い。

 吸い込む空気は灼熱で。

 熱風が身を焦がしていく。

 ――まるで異世界だ。

 一枚隔てた外界と。

 一枚隔てた内界は。

 その様相をガラリと変えている。

「………………」

 分子刀を起動。

 機能を霊子刀に換装し、

 一閃。

 炎が真っ二つに切り裂かれ、

 通路に一本の道が形成される。

 裁也はその中を――炎のトンネルを駆け出した。

 

 裁也は駆け抜ける。

 炎の中を。

 煉獄を。

 全てを灼き尽くす地獄を駆け抜けていく。

 視界に入る業火を切り裂き、

 今にも炎が牙を剥く中での自殺行為。

 その裁也の根底には、

 如月結維がいた。

 何故彼女を?

 その問にはこう答える。

 約束だから、と。

 それが過去に如月花蓮と交わした約束。

 彼女が死ぬ間際に残した裁也を縛り付ける呪い。

 如月結維を護る。

 その行動原理が、花蓮を救えなかったせめてもの贖罪となると信じて。

 裁也は結維を命がけで護ってきた。

 それなのに――

「………………」

 階段を駆け上がる。

 ザザッ、と音声が耳元から流れ込んだ。

 帝人の声。

 彼の声がノイズ混じりで結維の居場所を教えてくれる。

 ――お前はいい相棒だよ、帝人。

 心の中でお礼を言い、裁也は目的地へと目指す。

 躍りかかる炎を、霊子刀で切り伏せる。

 裁也はいま、かつての想い人を止めに向かっている。

 妹を護ってとお願いした人を。

 その姉の手から護るために妹を護る。

 ――なんて皮肉な事だろうか。

 その姉ももはや死にそうで。

 時間だけが問題で。

 自分が生き延びる為に、如月結維を犠牲にしようとしている。

 それが如月花蓮の願いなのか。

 それが皇零による願いなのか。

 裁也には解らなかった。

 ――いや、違う。

 そう。

 もしかしたら、彼らにもどちらの願いなのか、もはや、判断がつかないのかもしれない――

 

「……ここか」

 大広間があるフロアー。

 この階だけは、炎の手がどこにもなかった。

 裁也は全ての自身の機能をオンにしたまま、不気味な静寂に包まれた通路を歩く。

「………………」

 扉の前で裁也は止まった。

 この先に待ち構える〝何か〟に思いを馳せて。

 深呼吸して、扉に手をかける。

 皇零の野望を止める為に。

 如月花蓮の凶行を阻止する為に。

 如月結維を、二人から救う為に。

 裁也は、その扉の向こう側へと、足を踏み入れた――

 

「待ってたわよ、裁也」


 衝撃に身が打ち震える。

 待っていたのは最悪の展開。

 救うと誓った人。

 そして、阻止するべく二人――

 如月結維の表情をした〝ゼロ〟が、そこにはいた。

GのレコンギスタのGは、元気のGだ――

……エンディングがダサいと思っているの同時に、

面白いとも思っている自分がいる……。

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