13話 訓練の勝敗!
生きる伝説ミリヨノに攻撃が仕掛けられる。
炎最上級魔法『インフェルノ・レグナス』による巨大な炎の球体、それはまるで太陽を錯覚させる程の規模が触れるものを焼き尽くす。
だが、ミリヨノは1度驚くもすぐに「なんてな」と思わせるように笑みが浮かんだ。すると剣を肩上の方に構え、跳んだ。剣から青い炎が纏われる。
「魔法で足場を作り、蹴り出す力のみで加速をさせた身体と魔法の応用、そして俺を身構えさせ自分を囮にした最上級魔法による切り札…見事だ!!」
そう喋りながら炎の球体へと件を振るった。
見事な身のこなしにより、振るった少し後に亀裂が入り真っ二つに球体が割れた。赤黒い炎がミリヨノの青い炎に変わっていく。だがリーサはそれでは終わっていない。魔法を破壊し、体制が安定しない状態のミリヨノをリーサは見逃さない。
2度目の2人の攻撃が衝突した。
「天墜震破!!」
身体強化、硬化魔法、加速しきったスピード、さらに、ミリヨノよりさらに上に足場を作り蹴り出すことで、重力落下の力も用いた技。
拳を振り下ろしたが、まだ届いていない。
それでも
ゴォォォォォォォォォン!!!!!!
大気が悲鳴をあげる。
ものすごい風圧と砂埃が今この場にいる全員を覆う。
その風圧とともに拳が今届こうとしていた。ミリヨノを一筋の光とともに地面に突き落とす。その激しい攻防と衝突音で校舎にいる生徒も気づけば大勢押し寄せていた。
「勇者ミリヨノが押された!?」
「だ、誰だ?あの生徒…」
セレフィア、ガーディン、ミレイナ、この3人も息を飲んで現状に驚愕していた。
「えっ!?ミリヨノ?」
「ミリヨノ!!」
「!?」
深く割れた地面の様子が砂埃が履けてうっすらと見えてくる。すると、剣を構え、拳を寸前で止めたミリヨノの姿、そしてリーサがいた。そこにまたしても力で押切、素早い一撃を試みるミリヨノ。
だが、
剣はリーサの目の前に突き刺した。
「降参だ!!」
「へっ?」
リーサは拍子抜けてしまう。
「ここまで追い詰められたのは魔王を倒した時以来だ。にしても、どこからその魔力と力が湧いてきているのか不思議でしょうがない。色々聞かせていただいても構わないかな?」
丸くなっていた目がだんだん緩んでいく。そして力が抜けたせいか腰が抜けその場に膝を着く。
「はぁぁー。」
「だ、大丈夫かい?」
「は、はい。ちょっと急な降参に拍子抜けして…」
苦笑いをしながら喋るリーサ。
そんなことを言っている間に全員がリーサの周りに集まってきた。真っ先にリーサに元へ駆け寄り、抱きついたのはカナリエだった。勢いよく抱きついたことでリーサが押し倒される。
「リーサァァァァァァ!!!」
「ゔぅ!!??」
小さいが鈍い声を出してしまうリーサ。
カナリエは「あっごめん」とちょっとだけ慌てて言う。クロードがミリヨノに言った。
俺の生徒はなかなかやるだろうと。
まだ学年が上がってそんな経ってないんだからあんたのおかげじゃないんだろうなというふうにミリヨノは長い間一緒にいた師匠の性格を読み取った。
一方
ペルフェクトゥムのメンバーは、
「リーダー、なかなか思い切った結果にしたじゃねぇか?」
「この女たらし!」
「はぁーあ!?」
「女たらし」
「お、お前らな…」
仲間たちだけのいつもの会話によりミリヨノが怒り出す寸前
「あのー、」
ミリヨノは振り返り、気まづそうにしていたリーサを見ていつも通りの爽やかイケメンに戻った。
「あぁ、さっきの戦いなかなか楽しめたよ。あそこまで追い込まれたのは…」
そう言い切る前に、
「楽しかったです…」
「!!!」
言葉では確かにそう言った。だが、リーサの目には1粒の雫が目の下に落ちそうになっていた。
楽しかったのは事実であるが、それよりも世界にはこんな強い猛者がいて、自分はまだちっぽけな存在に過ぎないのだと再認識していることにより自分への悔し涙が抑えきれていなかった。
「あっ!あれ?、なんか、、止まらないや…」
ミリヨノが泣かせたという結論に至ったペルフェクトゥム一行は、当然、ミリヨノを攻めるのである。
そんな賑やかになっているところに、口を開いたのはミリヨノだ。
「だああああああああ!!!1回静かにしろ!」
ゴホンッと一拍いれると、
「1つ聞いてもいいかい?私たちの、ペルフェクトゥムに入らないか?」
「はぇ!?」
涙が一瞬にして消えた。それ程の言葉いや、言葉の重みを感じた。そしてその発言にはペルフェクトゥムメンバー、クロードまでもが突っ込まずにはいられなかった。
「おい!正気か?」
「やっぱり子供が好きで…」
「違うっての!!!」
「その、戦って思ったことがある。経験にはさすがに劣るだろうがここまでの戦いのセンス、次々の高火力な魔法を展開、何より私と戦うことに対して臆すことなく本気で勝とうとしてきた精神力。君はまだまだ伸びるだろう。」
この世で五本の指には入るだろうと思われる強者相手にここまで戦った経緯、そして自分を客観視して見て誘ってくれた理由を話すミリヨノに悪い気持ちはしないし、これまでにないほどの大チャンスでもあった。
だが、リーサは首を振った。
「多分こんなチャンスはもう2度と訪れないと思うし、すごく嬉しいです。
でも、私は入ることはできません。
まだ、ここで学べることはいっぱいあると思うから」
サウスは思った。
このままもしリーサがペルフェクトゥムに入るとなったら、それともここに残ってみんなと一緒にいるか。
どちらも決断も50/50で有り得る話。断る判断となってホッとしたのも束の間、まだここでも学べることがあるという言葉に、サウスはなにか自分にとってヒントになることに繋がる気がした。俺よりも強いリーサがまだここで学べることがあると。
例えれば、
リーサが学べる量を3000人ほど入れるドームだとしよう。
するとリーサには及ばないサウスは、大都市の30000人ほど入れるドームであるため、学べる量が遥かに多い。
学べる量が多い分埋めるのは大変だが、強くなれる部品が数えきれないほどあるということ。
「今度は俺が相手になってやる。」
ミリヨノ相手に宣戦布告とも解釈できる言葉。
「君がかい?どうやって?」
ミリヨノは余裕の笑みを浮かべるが、サウスを決して下に見てはない。むしろ敬意のある気持ちでサウスを試す言葉で質問していた。
「羅刹天を見つける。」
「これは大きくでたな。」
刀、剣にはそれぞれ位がある。
【最上大業物】
【大業物】
【良業物】
【業物】
これは極めて基本的なくらいである。中でも最上大業物は世界で十口程しかないと言われており、正確な数は知られていない。
だが、世界には本当にあるかも分からない言ってしまえば伝説の件と呼ばれるものがある。
天断の位
神仏や概念、あるいは空間すらも斬り裂いた逸話を持つ伝説の刀。
魔祓の位
大妖(強力なモンスターや悪魔)の首を落とし、その呪いを逆に刃に宿した刀。
これら2つを総称して羅刹天と呼ばれている。
「こいつがあんたとあんな戦いをしたんだ。負けてられるわけないだろ」
「でも私たちはクロード先生に勝てたじゃない?」
カナリエが口を挟んでいた。
「あれは負けたんじゃない、価値を譲ってやったんだ!お前らごときに負ける俺じゃねぇぞ!」
「じ、じゃ、じゃあ私ごときに凍らされた先生はだいぶ衰えているのね〜」
怒り爆発を寸前まで我慢しているが、言葉から出る凶器たる怒りは誤魔化せていない。
「お、衰えぇだ、と、、、、」
言ったのはカナリエだ。だがまたしても全員クロードに追われ、容赦なく、なんというか大人気ないくらいに魔法をぶちかましている。
「1つ忠告しておきたい…」
深刻な顔をしてどうしたと思うくらいの表情でリーサ、サウスに忠告をする。
「あんな大人にはなるなよ」
ごもっとも且つ自分の弟子にこれを言わせるのかと、教師としてではなく、人として問題があることを知ったリーサ、サウス。これにはふたりは苦笑いもできないまま「はい」と返事をするのであった。
こうして学校生活の大イベントが終わりを迎えていった。




