1,楽しい時間はここまで!
ヴァイスクラウド帝国 そこは自然と人間、魔術と剣術、戦いと支配の共存する国。
メイ、アレン、ルイの三人はヴァイスクラウド帝国の軍事組織「ヴァイスクラウド国防軍」に所属している二等兵である。
しかし国防軍は、古代文明の遺跡に記された未知の惑星「X」の調査という秘密の計画を企てていた。
国防軍本部司令官室
国防軍中佐のベイと補佐のレイラは、秘密計画「惑星Xの調査」について話していた。
「レイラ君、例の惑星Xの件はどうなったのかね?」
「はい、最近我が帝国では、魔物や怪物の襲撃が減り、下級兵士たちは仕事に飢えております。そこで私は、仕事に飢えた二等兵をうまく欺き、惑星Xの調査に行ってもらうという計画を立てたところであります。」
レイラは自信ありげに自分の計画を話した。
「だが、一口に二等兵といっても、二等兵は全部で3,000分隊ほどおるんだ、どの分隊を誘い出すのか、めぼしはついておるのか?」
ベイがそう訊くと、
「もちろんです中佐、私は二等兵第111分隊を候補に挙げております」
「何故だ?あの分隊の戦闘力は、並みの一等兵分隊を余裕で凌ぐほどのものだぞ?」
「お言葉ですが中佐、あの分隊は何をしようにも必ず遅刻をしてくるという、通称『遅刻魔分隊』の通り名を持っているほどです。戦闘ができても、時間を守れない奴はこの軍には必要ありません。」
「まあ、そうだな私も時間を守れない奴は嫌いだ。その作戦で行くことにしよう。」
「はい、私にお任せください。」
国防軍訓練場 食堂にて
「なあメイ、俺たち最近仕事が少なくないか?」
ルイが不満そうな顔で問いかけた。
「そう?でもいいじゃない、兵士の仕事が少ないっていうことは、争いが少ないっていうことよ?」
メイはルイがなぜ不満そうなのかがわからないといった様子だ。
「でもさ、僕たちただでさえ二等兵なのに、仕事がなかったら報酬がもらえないじゃないか」
アレンも不満そうな顔をしている。
「そうはいっても、争いを起こすことなんてできないし、軍に入った以上は、戦いが起きない限り雑用をしてるしかないわよ…」
「なあ俺、戦いに関しては結構自信あるぜ?弓の腕前だって下手したらその辺の一等兵よりもうまいくらい!」
ルイが自慢げに弓の腕前を語っている。
「でも、お前が遅刻ばっかりするから、僕たち第111分隊は、一生二等兵のままなんだよ。」
「はぁ?アレン、お前だってたまに遅刻するじゃないかよ!」
二人は言い合いを始めた。
「まあ二人ともさ、ここで争ったって報酬が増えるわけじゃないんだし…」
メイは二人をなだめようとした。
「でも確かに、私たち最近雑用しかやってないわよね、私もそろそろまともな仕事とか、やってみたいかもなぁ…」
「なあお前たち、まともな仕事をやってみたいのか?」
3人が声のするほうを向くと、そこには国防軍中佐補佐のレイラが立っていた。
「レイラ補佐官!?どうされましたか?」
一番最初に反応したのはメイだった。
「君が第111分隊隊長のメイ・ヴァルフェルダーレ・ローレンスだな?」
「はい、名前を憶えていただいて光栄です。」
「3人に話がある、メイ、アレン、ルイ、準備ができたら応接室まで来てくれるかな?」
「私たちが…ですか?」
「ああそうだ、君たちに話がある。」
「わかりました、すぐに向かいます!」
レイラが去ると、3人は喜びを隠しきれないといった様子で話し始めた。
「なあ、もしかして俺ら、一等兵に昇格しちゃうんじゃないか?」
ルイがニヤニヤしながら口を開いた
「今回こそ、本当にあるかもしれないわね」
メイもとてもうれしそうだ
「なあ、早く応接室に行こうぜ、すごい視線を感じるんだけど…」
アレンがそういうと、2人は周りを見た。
そこには、「なんでお前らが」「俺たちも昇格したい」と言いたそうな他の二等兵の姿があった。
「そうだな、早く応接室に行こう。」
3人はそそくさと食堂を後にした。




