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23,いい匂い

 お肉のいい匂いとカレーの匂いに目が覚めた蓮華。そしてそこには…、やっぱり大盛りカレーライスと分厚いステーキを美味しそうに笑顔で食べてるヒスイ達が居た。


 うん…。皆…色々あったから、それでお腹が空いてたんだね。私が起きたのに気付いてない?あ〜……、でも。ベッドから出たくない…。もー少しだけ、このまま二度寝を………。



「マスターが起きないなら……、イデア達の初めての料理は……」


 フレイが蓮華を見ないでそう言うのが聞こえたのか、ガッバっと勢い良く起き上がる蓮華。


 行き成り起き上がった蓮華にヒスイ達は驚き、フレイとセバスはヤレヤレと首を振るが、その顔はまぁ〜その気持ちは分かると言っている様だった。


 その様子を食べながら見ていたユイとトワは、何とも言えない呆れた顔をして眺めている。


「ズルイ!?私のは!!」


 勢い良く聞いた蓮華に、勝ち誇った顔のフレイとセバスが大盛りのカレーを食べながら。


「ステーキの方は無いがカレーなら、後少し」

「ええ。カレーなら多分?」


 明らかに腹ペコ達よりは少ないが、一人前には多い量をパクパク食べてるフレイとセバスに驚く蓮華。


「……え?フレイとセバス……量…多くない?」


 ビック!?


 蓮華の問いかけにフレイとセバスは今食べている量を見て、それからもう一人の方に視線を向け…腹ペコ達の方にも視線を向けて見比べる。


「「…………」」


 如何やら二人は気付いていなかった様だ。


「まぁ~、仕方ないと~思いますよ?フレイとセバスもそこそこ魂が壊れてますから~」


 何でも無い様な言い方をするトワに蓮華はギョッとしてそちらを見た。


「大丈夫ですよ~。その為に食用の魔石を神様達が作ったんですから~」

「でも…アレ、米粒並の大きさだよ?一回回すだけで凄く疲れるし……」


 蓮華は食用の魔石を作ってる時の事を思いだして顔を歪めゲンナリとした。


「あー……。それについては、神様達に聞いておきました。何でも……調整ミスらしいです……」


 蓮華はフリーズした様に固まり、ユイは自分が言った言葉に「理不尽ですよね」と呟いている。


「……マジ……で?」

「……はい。マジです」


 本当なのだと深く頷くユイに、蓮華が「なら…今度はあんなに疲れない?で、大きさも……」と放心気味に聞くが。


「残念ながら……、魔石の大きさはアレが……。でも、疲れ具合は最初の感じになるのは十回以上も回したらって……」


 思わず床に倒れ込んで頭を打つ蓮華にポッンと、その肩を叩くユイ。


「私の…あの、頑張りは……」

「神様達からお詫びに、食用の魔石製造機“セキ君”大中小と普通の魔石製造機“フウ君”大中小を貰いましたよ。勿論、ちゃんと調整と更新したやつですよ」

「…………取り敢えず…、私もカレー食べて。お風呂入って寝る……」


 ユイが「もう今日はそれも良いかも知れないですね。……ただ、そう出来るかは別ですけど……」と小声でポツリと呟くが蓮華には聞こえなかった。



 セキ君とかフウ君とかツッコミ入れる元気ないよ。きっと、私じゃ無い誰かがツッコんでくれてるはず!だから、私はカレーを……。



「……カレーを……。ちょっと、私の分…少なくない?」


 蓮華の言葉にヒスイ達は目を逸らして汗を流す。そして、何故かヒスイ達と一緒の反応をしているトワ。


「その腹ペコも食用の魔石食べてれば治まるでしょ…。でも、出来ればもう少し…今度は残しておいてね?」


 コクコクと、ユイを除いた皆が頷く。


 そして、蓮華は六口位でカレーを完食した。


 シュンッと落ち込んだヒスイ達を蓮華は撫でながら、「取り敢えず、さっき作った食用の魔石を食べてみようか?」と言う。その言葉にヒスイ達は勿論、本当に何故かトワもパッと花が咲いたような笑顔になった。



 ◇◇◇◇◇


 悲しい結果になった。私は小さいからそこまで期待していなかった。ごめんなさい、嘘です。少しは期待してました。


 米粒みたいな大きさで、味については…ほんのり三温糖の味がしたよ。口に入れた感じは落雁みたいだったよ。


 で、何が残念かって?腹ペコ達には、量が全然足りなかったの。


 皆は今、落ち込んで背に黒い雲を漂わせるよ。どうしよう…?



 蓮華は手を叩き「まぁ~取り敢えず!気を取り直して、お風呂行かない?」とヒスイ達を誘う。


「お風呂ニャー?」

「何処にあるノー?」

「あっ!?……何処だろ……。それに、一つかな……。気分って言うか、感覚がホテルに来てる感じだったよ……」


 チッラっと、ユイとトワに視線が集まる。


「え?ワタシ達もそこまで詳しくわ……。あ!でも、さっき問い合わせした時に……。早く奥にある扉を開ける様に…と、言われましたね」


 如何やらユイもそこそこ抜けてる様だ。トワはユイの隣でへーと気の抜ける様な声を上げていた。


「皆も食べ終わったし、行ってみる?」

「…だな。何時までも此処に居ても…仕方ないしな…」

「私的にはアチラの鳥居も気になるのですが…?」

「「「「「確かに/ニャー/ナノー……」」」」」


 セバスの言葉に皆が頷き、そちらに向かいそうになるが、ユイとトワに服の端を掴まれて止めた。


「今は取り敢えずこちらを先に…,こっち!をお願いしますね?」


 ユイの笑顔なのに迫力が在るお願いしますね?に、蓮華達はピンと背筋を伸ばして頷いた。



 ユイも怒らすと怖いタイプ?と、言うか…私の周りって……。



 チッラっとフレイとセバスを見る蓮華に、フレイとセバスがニッコリと良い笑顔を蓮華に向ける。その笑顔が何か言いたいことでも?と言っている様だった。


(多分マスターも同じタイプだと思うのニャー/ナノ…)

(でも、僕達もマスターや皆に何かあったら…ああなるかもよ?)

((コクコク))


 蓮華達のやり取りの横でヒスイ達は小声で話していた。



「あ!?そう言えば、ユイとトワってこれからどうするの?」

「ワタシ達ですか?

 一応、蓮華さんの担当として、此処で暮らしながら…」

「ダンジョンに入ったり、基本は蓮華さん達と同じですね〜。だた、鳥居の向こうにある神社の事も色々あるんです〜」



 取り敢えず、ユイとトワはこれから一緒に暮らすって事か。


 トワが冗談なのか、「神社に毎日供物を捧げよ〜」とか言ってた。目が凄く真剣だったから、何かお供えしよ。

 でも、何をお供えしようかな?お供え……と言えば?



「お供え……か~……。何をお供えしようかな?」

「供物は基本、蓮華さん達が作った物ですよ~。だから…、ショップで大量に買った料理とかは無し、です~」


 トワの言葉に思わず肩を落とす。明日、やってみようと思っていた事だったからだ。


 落ち込んでいる蓮華をよそに、ヒスイとルリが元気良く手を上げて言う。


「はい!?はい!?じゃあー、ショップで買った物で料理をしてソレを捧げるのはアリですか!?ニャー!!」

「後!?ショップで何かキット買ってソレを作って捧げるのはアリですか!?ナノ~!!」

「あ~……、それは…アリですね~……。ただ…、料理はちゃんと食べれる物にしてくださいね~」


 少し気になる言葉はあったが、そこは気にせずヒスイとルリは「やったーニャー/ナノー!!」と飛び跳ねながら喜んだ。


 ヒスイ達の和やかで華やかな横で、「その手があったか~……。」と項垂れている蓮華の背中をポッンと叩いて励ますフレイとセバス。今日から少し準備をしておくか、その前に何を作ろうか?と、後ろでワイワイ楽しそうに話すイデア達が居た。


 その様子を少し離れた所でユイは見て、「……えー……っと、そういうのも後にして貰えます?それから!!トワ!貴女までソッチに……混ざらないで下さいよ……」と力なく呟いて、遠くを見つめる。


返信とかは出来ないと思いますが、感想等が貰えると嬉しいです。

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