表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メルヒェン・ヴェルト ~世界に童話を~  作者: 紙木 一覇
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/119

第111話 ユーリア! お前か!

 フォゼ、『レディ・ポイズン』一射。

 毒の銃弾がサンズに向かい、しかし音波によって防がれ砕け散る。だが。


「っ⁉」


 サンズが喉を抑えた。


「貴方の周囲の空気を腐らせました。移動しても貴方を追尾する形で。

 降参するなら右腕を上げてください。すぐに解放しますか――」


 言葉は最後まで続かなかった。信じられない事が起きたから。

 なんと、サンズの首が飛んだのだ。


「今のは!」


 サンズの首を飛ばしたのは光。光の銃弾だった。

 見た覚えがある。

 血に塗れた死の島で。


「ユーリア! お前か!」


 グリム。ユーリアと言うグリム。やつの持つ魔力そのものを放てる金糸雀色(かなりあいろ)の銃『レイ・ガン』、それの一撃に違いなかった。

 心がざわつく。

 ユーリアは危険度(リスク)Sのグリムだ。準魔法士の使う銃に加えて高位魔法を使用する。

 強敵である。

 光の銃弾が飛んできた方向に集中し気配を探ってみるもユーリアを見つけられない。やつは姿を隠し、移動しながらこちらに狙いをつけているのだろう。

 オレを、オレたちを敵として見ているのは当然。いつどこから撃たれるのか(わか)らないのは単純に恐怖を生む。恐怖は震えを呼んで銃を握る手に影響してしまう。

 カツを入れろよ、自分に。

 ごとん、と音を立ててサンズの体が落ちる。


「っち!」


 舌を打つロスアンダム。

 ジャイルに向けて左腕で殴打を繰り出し、その体から離れた。

 ピクリとも動かないジャイル。

 オレはすぐに駆け寄って呼吸を確かめるべく首に指を当てるが……ダメだ。もう死んでいる。


「くそっ」

「らぁ!」


 毒づくオレを相手にはせずロスアンダムの気合の声が響く。

 光の銃弾がロスアンダムに撃たれ、バトルオーラを纏った殴打でこれを弾いたのだ。

 それもただ弾いたのではない。弾かれた光の銃弾は――タータルの胸を貫いた。間違いなく心臓を。


痺れろ()!」


 もうタータルはダメだと認識したのだろうか。治癒を止めて石見(がらみ)はロスアンダムに魔法を使う。

 石見から放たれた雷は、


「効くか――ぐぅ!」


ロスアンダムのバトルオーラに防がれるも空から落ちたもう一つの雷撃が直撃する。石見自身から放たれたのは囮。空からのが本命の一撃だったのだ。


「だがよ!」


 バトルオーラがやつを守っている。致命の一撃とはいかなかったか。


「貴様も同じだ!」


 カノからの銃弾を避けてやり過ごす。

 が。


「なにぃ⁉」


 やり過ごしたはずの銃弾が背後から左肩を貫いて。


「マインだってな! ただ撃つだけでグダグダやってないんだよ!

『ブリンク』の銃弾は永遠に速度を増す! そいつを意識的に加速させ! 光を超えて! 時間を超える!」


 あいついつの間にんな事出来るように。仲間には教えとけよな。

 文句を言いたくなったがそれでもなんとなく笑ってしまう。

 しかし撃ったカノは辛そうだ。かつてオレが『ギフト・バレット』の炸裂を空間やら魔力やらに対応させた時、一日一撃が限度だった頃があった。魔力をごっそり持っていかれていたから。

 今のカノはそんな状況なのだ。

 それでもカノは。


「行くぜ!」


 次弾を放つ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ