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第1話 決闘規則および細則

この屈辱、どう晴らしてくれよう。


先の中間試験により、敢えなく次席だった私は、主席のイオリ・モノル侯爵令嬢に決闘を申し込むことにしました。

提案者はカイネさんです。さすが。

そのカイネさんは、


「キキキキキーラさん!?」


「私はキーラですよ?」


なにやら非常に慌てふためいています。


「いやそうじゃなくてね!?まさか本当にモノルさんと決闘することになるなんて!」


「キーラさん、どうしちゃったの……?」


シエナさんは心配そうにこちらを見てきました。


「私、この前の中間試験、次席だったじゃないですか」


「うん、あれは本当にすごいよ」


「だから、主席を倒せば良いかなと」


「うん?」


え?倒す?何を?と呟くシエナさん。


「そういえば、この前覇道について語ろうという話だったのにまだでしたね、シエナさん。ぜひ今からでも」


「ちょっと待ってちょっと待って」


シエナさんにぐいぐい行こうとしたところ、カイネさんに止められてしまいました。


「うん、一回落ち着こう。誰が落ち着こうって私が一番落ち着こう」


カイネさんは自身にそう言い聞かせるように話します。そして、


「決闘って……、本当にやるやつがいるかぁぁぁ!このおばか!」


と叫ばれました。


えええ…………、生まれて初めてバカって言われたんですけど。


驚きのあまり目を丸くしていると、


「いい?キーラさん、学生決闘はちゃんとルールがあるんだよ?無法地帯じゃないんだよ?わかってる?」


わかってますとも。


私はうむ、と大きくうなずきました。

常に権力を欲する私は、実のところルールを守る側ではなくルールを作る側でありたいのですがそれはさておき、この学園の校則は全て確認済みです。


学園における決闘規則は、


・公平な立会人を定めること

・命にかかわることはしてはいけないこと

・私刑禁止


などなどが盛り込まれています。


また競い合う内容やその勝敗に関しては、必ず第三者を立ててあらかじめ取り決めてから行わなければなりません。


「勝負の内容はいくつか案があるんです」


「殴り合い?」


カイネさんに間髪いれずに言われてしまいました。しかし、そこまで考えなしではありません。


「いえ、それだと命に関わるかもしれないので……、あ、でも私は死なないからそれでもいいかもしれませんね」


すると、シエナさんに真顔で言われてしまいました。


「危ないからやめて」


「……冗談です。とにかく、案を後でモノルさんに言おうと思うのですが、カイネさん」


私が呼びかけると彼女は耳に両手をあてて、


「あーあー聞こえない聞こえない」


「立会人候補として」


「あーあー!聞こえないよぉ!聞こえない!」


「表情筋の動き的に聞こえてますよね。公平性を保つためにモノルさんにも、立会人を誰にするか決めてもらわなければいけないので、あくまでも候補です」


それならどうでしょうかと聞くと、カイネさんは、


「あくまで、候補………、ううう、それなら」


と、言ってくれたのでした。

生け贄ゲット。




そして、決闘を申し込んだ日の夜の自由時間、私はカイネさんを伴ってイオリ・モノルを訪ねました。


「あらあらこれはこれは次席のホーンボーンさんじゃない」


「あらあらあらあらそういうあなたは決闘を申し込んだとき、記憶喪失してたモノルさんじゃないですか」


この女、周りに私が何者なのか聞こえるように、わざと既存の情報を話しましたからね。もしかしたら、記憶をなくしてしまっていた可能性を考えて話します。


「決闘のことなんですが、今お時間よろしいですか?」


「ええ、いいわよ。下の談話スペースで話しましょうか」


寮の一階には、学生らが集まってお喋りや話し合いのできる空間があります。

私たちはそこへ移動することにしました。


「それで?」


ちょうど他に人はおらず、話し合いには快適です。イオリ・モノルは椅子に優雅に座ると、こちらが話すのを促してきました。

こいつ偉そうなやつだなーと思いつつ、私は、


「まず立会人ですが、そちらのご要望はございますか?侯爵令嬢的な取り巻きとか」


「そんなに取り巻いてないわよ。別に私はリプトンさんでかまわないけれど」


イオリ・モノルは、普段の儚げスマイルではなく、おそらく素のツンツン対応です。


「え!?いやいやいや、ほら、私よりももっといい人いますよ!」


カイネさんは、立会人に認められたことを受け入れられないようで、ぶんぶんと首を横にふりました。

とりあえず説得するために、適当にそれっぽいことを言います。


「カイネさん、これはあなたにしかできないことなんです。どうか、私たちの戦いの行く末を見守ってくれないでしょうか」


「私にしかできないこと……」


「じゃあここにサインお願いしますね」


「うん…………ってあああ!雰囲気に流されてついうっかり!」


決闘に関する書類の立会人欄に見事、カイネさんの名前を書かせることに成功しました。

カイネさんはちょっと流されやすいですね。

いつか悪い人に騙されるのではないかと心配です。


「立会人はこれで決まりですね。あとは具体的な内容についてなんですが……」


こうして私たちは決闘の内容について煮詰めていくのでした。



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