表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/26

第18話 権力まではまだ遠く

後日、シエナさんから、カイネさんのお兄さんが手紙の主であったことと、彼とお付き合いすることになったことが告げられました。

なぜ、差出人不明の手紙をわざわざ女子寮の敷地内に侵入してまで送っていたかというと、去年シエナさんにひとめぼれしたものの、どうコンタクトをとればいいか悩んでいるうちに、偶然地下経路を見つけ、面白半分に進むと女子寮の裏の物置に繋がっていたそうです。そこで、カイネさんからシエナさんが寮の裏で花を育てていることを聞いていたお兄さんは、とりあえず手紙を送ろうと思い立ち、現在に至ったのこと。悪用する人でなくて良かったです。ただ、もう少し他に方法があったのではと言わざるを得ませんが。

そして、シエナさんには色々忙しくて手紙の返信が出来なかったと言ったそうです。ただしカイネさん情報によると、恋愛にうつつを抜かして勉学をおろそかにしたしわ寄せの結果だそう。ほぼ確実にこちらの方が正解でしょう。

ちなみにカイネさんは自分の兄と友人がお付き合いしていることに関して若干何とも言えない気まずさがあるのではと思ったのですが、カイネさん本人がさっぱりとした性格であることと、人間関係ガチプロシエナさんの一切匂わせなしムーブにより、今のところは大丈夫みたいです。


それから、学園の地下通路のことはまだ調べられていません。あれはいったいどこにつながっているのでしょうか。実際に利用していたカイネさん兄も分かれ道がそれなりあり、迷子になるのはごめんだったそうで、ほとんど探索していないとのこと。時間ができたら、隅から隅まで把握したいですね。


カイネさんには若干変な目で見られるようになりましたが、その後も仲良くやっています。

私とイオリ・モノルが授業の移動などで物理的に接近したときは全力でどこかに行こうとはしていますが、行く先は同じなので意味がないと思います。


イオリ・モノルとはあの日以降、特に会話はありません。ただ、たまに自室の扉の蝶番が消耗する程度です。




時は経ち、編入初の中間試験がやってまいりました。




今回の中間試験は全て筆記でした。もちろん狙うは主席。解き終わった感想としては手ごたえは感じています。

前回はイオリ・モノルがトップ。次点が、編入した最初の日以降一度も顔を合わせていない謎の隣人の公爵令嬢。

まずは彼女たちに勝つことが権力掌握への第一歩。どんな勝負事でも負けたくありません。


試験から数日後、個人の結果が返却されるとともに1学年約40人中のトップ5人が廊下の掲示板に貼り出されます。


「たぶん平均は取れてると思うけど、どうかな~」


3人で寮から教室へ向かう途中、カイネさんが呟きます。

シエナさんは、


「わたしはどうだろう。……苦手科目と得意科目で差が大きそう」


と、テストの内容を振り返っています。


そうこうしているうちに、教室の階までたどり着きました。

廊下には先にきていた学生たちが結果を見ています。


「私には関係ないと思うけどみるか~」


カイネさんが覗きに行くので、私もついていきます。

一番上には私の名前が煌々と輝いていることでしょう。

近づいて貼られている紙を見ると、


     中間試験 結果


   第一位 イオリ・モノル


   第二位 キーラ・ホーンボーン


   第三位 …………


…………。


一番上に私の名前が、ないだと……?


「うわあ!キーラさん、すごい!二番だよ!」


横からカイネさんの声が聞こえますが、耳から耳へ通り抜けていきます。


……結果は結果。これに関しては受け入れましょう。

だがしかし、ここで折れてしまっては、湧き上がる権力欲の持ち主の風上にも置けません。


どうにかして、勝ちたい。


その日はそれだけで頭の中がいっぱいでした。

教師陣やクラスメートからも褒められましたが、イオリ・モノルは一瞬こっちを見て「ふっ」と鼻で笑います。


前言撤回。


どうにかして、この殺意を処理したい。


それだけで頭の中がいっぱいでした。

すると、もやもやしている私に気がついたカイネさんがあることを言いました。


「えーと、ほら!次の試験で頑張ればいいよ!……それか決闘でも申し込んじゃえば、なーんて」


「それだ」


「あ、やってしまった」


カイネさんの『決闘』という言葉にピンときました。他国では決闘を禁止する法律があるところもあるそうですが、この国にはありません。つまり、決闘を申し込んでも全く問題ない。


「良いことを言ってくれましたね、カイネさん」


「……ソウダネ」


この前のクリーチャー退治も含めて、あの女とは武力で白黒つけようじゃありませんか。

こうして私は強い決心を胸に、イオリ・モノルのもとへと足を運んだのでした。


恋愛系を書いたことがなかったので挑戦しようと思って頑張ったのですが、恥ずかしくなってしまってダメでした。

次章こそは頑張ります。

ごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ