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ギルドは忙しい様です

長く期間が空いて申し訳ありません。


( へ;_ _)へ

オルボア都市の冒険者ギルドは、朝の大混雑も一段落し、数人の冒険者と職員だけが残っていた。

冒険者達は、それぞれ請け負った依頼を早く達成する為に行動し、職員は冒険者達の依頼間違いが無いか、条件に問題が無いか再確認をしていた。


「はぁ……これで最後かしら?」


そう言うと、まとめた書類の束を『確認済み』と書かれた箱へと入れる。

この後、箱ごとギルドマスターの元へと他の職員によって運ばれる事となる。


書類をまとめていたのはギルド職員のジーンだった。

彼女は、大きく背伸びをすると『はぁ~』とため息を付く。



ーーー

ここ最近、オルボアは新規の冒険者ラッシュに合っていた。

理由は二つ、一つはゴブリン大発生。

千匹を越えるゴブリンを討伐する為に、実力のある冒険者を六十名も出し、七名の死亡と十一名の負傷で終わらせた……までは良かったのだが、この七名の死亡が問題になっていた。

七名の冒険者達は、ほとんどが前衛職、それも敵の攻撃を受け止める盾役だった為、彼らを失った冒険者パーティーが全て休業状態に入ってしまったのだった。


新たに盾役を雇ったとしても、長年培った連携までは直ぐに出来る訳でもなく、仕方がなく休んで訓練をする事になってしまったからだ。


今回休んだパーティーが、全員中堅であった事で、そのランクの依頼が沢山余ってしまう事態に。

苦肉の策として、上位ランクの冒険者にお願いしたり、下位の銅級冒険者で補えそうな者達に回したりと、ギルドとしても色々やる事になった。

どうやらそこから話が広がったらしく、各都市に居る中堅冒険者達が、オルボアへと集まって来たのだった。

何しろ、他の場所では奪い合いになりそうな依頼が多数残ってるとなれば、誰だって移りたくなるもの。


さらに輪を掛けたのが『オルボア領主直接依頼』の『ゴブリン討伐』だ。

ゴブリン一匹辺りの金額は銅貨一枚。

これは、下位薬草採取と同じレベルの依頼になる。

薬草採取は、その種類と量によって金額が変わるが、ゴブリンは銅貨一枚から変わる事は無い。

その為、普段からゴブリンを狩る冒険者はそれ程居ない。

初心者の冒険者達であっても、ゴブリンよりお金になる森林狼狩りの方を優先する。

森林狼の毛皮は防寒具にも使える為、需要があるからだ。


そんな不人気な状況が、今回の騒動を引き起こしたとも言える。

そこでオルボア領のバルトルトは、自らが資金を出し、ゴブリン一匹につき銅貨五枚の依頼書を出す事にしたのだった。

今までの五倍という事で、初心者冒険者達までもが集まって来る事態になった。

ただし、この五倍の期間は二年間に限られている。

それでも『今、稼げるのなら』と多数の冒険者達が移動しだしたのだ。

受付業務のジーン以下全員が、新しく移動してきた冒険者達の登録業務に大忙しとなったのだった。


冒険者達は、他の都市に移動し、そこで仕事をする際は、必ず同都市の冒険者ギルドに一報入れるルールがある。

これは、冒険者達が『武器を持って移動する職業』だからこそ義務付けられている事だ。

これを怠れば、何かしらの事件が起こった時、犯人とされる可能性を持っている。

犯人とまで言われなくとも『容疑者』にされる可能性もある。

そうなれば、今後の仕事にも影響を及ぼす事にも繋がる。

なにしろ冒険者と言う者達は、名前に伴う信用度が重要になって来るからだ。

信用無い者に依頼を持ってくる者はいない。

そして今朝も、新たに移動して来た冒険者達が『申請書類』を持ってやってくる訳である……受付達の元へ。



ーーー

ジーンは、オルボアの冒険者ギルドの受付としては最古参だ。

その為、他の受付達の書類の最終確認をするのが役目となる。

人が少ない時や今回の様に忙しい時は、受付業務に入る事になる。


そんなジーンが、凝った背中を伸ばしていると、ギルド入り口に大きな影がかかる。


『またお客さん?』


そう思いながらも頭の中のスイッチを切り替え、笑顔で接客に挑む。

そこは長年培った受付嬢としての(スキル)とでも言うべきか。


そんな笑顔の先に現れたのは、身長二メートルを越える大男だ。

艶の無い真っ黒な鎧姿が、音も無くギルド内へと入って来る。

それに気付いた冒険者達の視線が集中するが、その目の色は対照的だ。

受付横の休憩スペースに居た冒険者達は、その大男を見ると『生きてたのか』と、どちらかと言うと『好意的』な雰囲気だった。

それとは別なのは手前側の冒険者達。

『あんな鎧で』とか『デカイ図体で』等、否定的な発言をしていた。

好意的な方は元々オルボアに居た冒険者達、否定的な方は、昨日今日来たばかりの冒険者達だ。


そんな彼らの様子をまったく気にする事無く、ジーンの元へと近付いて行く大男。


「お元気そうで何よりです、クロノさん」

「……」


笑顔で接してくるジーンに片手を上げて答えているのは、『クロノ』こと黒騎士だ。

相変わらず一切喋る気配の無さに、苦笑いをするジーン。


「ギルドマスターがお待ち……って、あら?」


黒騎士の左腕、『くの字』に曲げられたそこに座っている人物を見つけて首を傾げる。


「あの……お久しぶりです……ジーンさん」


そう言うと、顔を隠す様に被っていたフードを脱ぎ、挨拶をする。


「あら、貴女はリリー……さん?」


何故か疑問形で聞いてくるジーンだった。

こっちも書くペースを上げ……れたらいいな~。


ω=)ノシ{頑張りマッスル

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