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黒騎士は考えて……いる?

ぐぬぬ……ネタが……

どうも、『リリー』です。

夜です、野営です。野営と言えば見張りです。

えぇ、私の様な旅初心者でも知ってます。

伊達に『4日間』も、森の中をさ迷ってた訳ではありません……あっ、違います、さ迷ってた訳じゃ無くて、ご飯探しの旅です、うん。


現在、アベルさん達が見張りの順番を決めてる所です。

ちなみに時間は、専用の砂時計があるそうです。

へぇ~便利なんですね~

で、お世話になりっぱなしと言うのも悪いと思ったので


「あの……私達も見張り……やります」


っと、手を挙げたんですが……


「いやいや、冒険者じゃ無い人に見張りはさせられないよ」


って、断られました。

えっと、同行の商人さんが教えてくれたんですが、見張りにもちゃんとしたルールがあるそうなんです。ギルドで教えてもらえるんだとか……なので、当然ながら、素人の私達にはさせられないっと……

それと


「君達は『お客様』だから」


って、アベルさんに言われました。

いえ、お客様って言われても……『助けてくれたお礼』とも言われましたが、むしろ私的には、ご飯頂いた挙げ句、見張りまで押し付ける訳には……って所なんですが……


「むぅ……」


多分、無理にやると言ってもダメっぽそうですし……ならば


「じゃあ、1つだけ……お願いしても良いですか?」



ーーー

見張りの順番は決まったし、時間の方も、半刻(30分)砂時計4回で代わるって決めたし……そこまでは良かったんだが


「あのアベル……さん、私達、馬車の端に……居ても良いですか?」


リリーちゃんからのお願いと言われたんだけど……たき火からも離れた所だから危ないと思うのに


「黒騎士さんが居るから……大丈夫です」


リリーちゃんも大分慣れて来たのか、スラスラと喋り掛けてくれる様になった……んだけど


「リリーちゃん、火の近くに居ないと危ないよ?」


やっぱり、みんなと離れた場所に居ると危なくないかな?いや、黒騎士さんが強いのは分かるけど……


「だ……大丈夫ですから」


なんか、引き吊った笑みを浮かべてる……何か企んでるの……かな?



ーーー

見張り一番手……魔法使い


「暗闇で見ると……怖いな」


目線の先物に居る黒い騎士……暗闇と同化しそうな姿……を見ながら呟く。

一緒に居る女の子も怪しい、ここ西方では見かけない黒髪、黒目、むしろ、東の帝国領か南方の共和国の人々が黒髪、黒目だったような?でも、肌の白さは西……いや、北方系か?なんとも『ちぐはぐ』な子だ。

アベル達は、変わった娘程度にしか見てない様だが……怪しい。


考え事をしている魔法使いの横を黒騎士が音も無く通り過ぎ……森へと消えて行く。



ーーー

二番手……戦士


「あぁ……暇だ」


こんな時は、敵でも出てくれれば、眠気覚ましにはなるんだが……いや、不謹慎か?

……そう言や、アイツもこんな事、平気で言うヤツたったな……まさか、ゴブリンに喰い殺されるなんて……はぁ~でも街に帰ったら報告しないと……まぁ、アベルに任せとくか……あぁ~イヤだイヤだ、早く金貯めて冒険者を辞め、まともな暮らしをしたいぜ。


ボーッとしてた戦士の横を通りす過ぎて、黒騎士が森からリリーの元へと帰って来る。



ーーー

三番手……ハンター


「おい……マジかよ」


俺はほんの少しだけ、黒騎士から目線を外したんだ、なのに、そこに黒騎士が居ない、いや、黒騎士が座ってた場所に、毛布に包まれた女の子……確か『リリー』って言ったか?だけが寝っ転がって居た。

消えた?どうやって?いやいや、膝の上に乗せてた女の子を音も無く地面に下ろして立ち上がった……のか?だとしても、一体ドコへ……


そう思った瞬間、何かが聞こえた、悲鳴?いや断末魔?あれは人じゃない……っと思うが……、ふと振り返ると……


黒騎士が座ってた、元の場所で、膝の上に女の子を乗せて……



ーーー

四番手……弓使い


「交代前に、変な事言ってたな」


ハンターと交代する際、『あの黒い騎士に気を付けろ』って言ってたが……馬車の向こうで座ってる……よな?こっちからは背中しか見えないケド……


そんな目の前から黒い姿が『霞み』の様に消える。


「?!」


気配は僅か、しかも森の中から?!


「今、目の前に居たハズなのに?!」


直ぐに森の方へと顔を向けると……


「ギィィィィー」


っと甲高い声が遠くで聞こえ……唖然としてる間に……後ろから気配が?!

振り返るとソコには……消える前の姿のままの黒騎士が?!


「なっ……?!」


ハンターのアイツが言ってたのはこの事か?



ーーー

五番手……戦士アベル


「厄介事……でもないような?」


弓使いが言うには、あの黒騎士がこっそり何かをやってる……らしい?でも、こっちに害有る訳では無さそう?


「何それ?」


多分、リリーちゃんが企んでたのはこの事か……いや、企みですら無いかな?

夜明けまでもう少し、すでに月は地平線に掛かり初め、東の空かうっすらと明るくなり……そんな時


馬車と森の中間に、黒騎士が立っていた。西から東の空へと目線を代えた瞬間に、黒騎士が移動してた。

いやいや、空を見上げる前に、胡座をかいて座ってるのを確認したハズのに?!


そう疑問に思いながら、黒騎士の背中を見る。

森の奥を見据えて動かない、一体何が?自分の視線も森の方へと向けた瞬間


『メキメキメキ』

「ぶぎゃぁぁぁぁー」


木々を薙ぎ倒し、地響きを立てながら、巨大な何かが飛び出して来る。

巨大な『ボア』、猪である。体長3メートルを越え、しかも、頭部が半分吹き飛んでいる、手負いの猪であった。


本来、野性動物であれモンスターであれ、手負いには充分注意しなければならないと言われている。どんな手練れであっても、手負いの抵抗は、予想外の行動を起こし、大怪我を負う羽目になりやすい。故に、手負いの生物には、充分に距離を取り、遠距離で安全に仕留めるのがセオリーとされている……のだが


「危ない、黒騎士さん!!」


黒騎士は、両手を全面に出し、まるで猪の突進を止めようとするように構え……そして


『ごっ!!』


ボアの口から飛び出している巨大な牙を両手で掴み、数歩後退ると


『ごきん』


左へとボアの首を捻り挙げながら投げ飛ばし、首の骨を折っていた。

衝撃で、リリーを除いた全員が飛び起きて来たが……目の前に転がっている巨大猪に、何が起こったのか分からず混乱していた。


「あ……あはは……」


一人、全てを見ていたアベルだけが、乾いた笑みを浮かべていた。



ーーー

朝起きたら、何故か皆さん、微妙な顔をしてました。

はて?私が寝てる間に何があったのでしょう?

ってか、黒騎士さんに、私が寝そうになったら起こしてと頼んでたのに……

あっ、そうそう、何故かアベルさんから「今日の朝御飯は猪肉で良いかな?」って聞かれたんですが……

冒険者さんって、朝からガッツリ食べるモノなんてすか?

次は来週までに……仕上げます

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