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リリーは考えてるんです

気が付くと……脇役の方が主人公っぽいポジになってたので、主人公視点話を……


「旅とは危険なモノ、決して油断してはいかんぞ」


魔術の師匠でもある祖父からの「旅の注意書」には、そんな事が書いてあった気がします。



ーーー

私の名は『リリー』、本当はもっと長い名前なんですが……お爺さんから

『そんな長い名なんぞ、誰も覚えてくれやせんわい、それにお前さんの名は、どっかの有名人と同じじゃからな、下手に名乗らん方が良いぞ?』

っと、幼い頃から聞かされて来ました、なので私は、いつまでもたっても、ただの『リリー』です。


『人見知りだけは、早く直さないと、将来の為に』


あれ、この言葉は誰に言われたんでしょう、私の言葉……では無いですし……お爺さんでも無いですし……

私の記憶が、たまに変な事を覚えてたりします。



ーーー

祖父からの荷物受け取った際、ギルド用の手紙と一緒に入ってた『旅の注意書』なんですが……これ、本当に役に立つんでしょうか?

……まぁ、最初の村から追い立てられてから六日目にして、やっと普通の人……いや、冒険者さん?に会いましたし……これで、祖父直伝の注意書が役立つのかも?……取り敢えず、注意書通りに気を付けて会話を……


「僕はアベル、冒険者だ」


来た、名前……えっと……確か


『本名は名乗っちゃいかんぞ、旅先ではどんな事が起こるか分からんからな、なので、まずは偽名じゃ』


「あっ、はい……私はリリー……」


『あぁぁーしまった、本名言っちゃいましたぁーこの場合は……』


コソッと隠れて注意書を見ると……


『お前の事じゃ、偽名って言ってたのに本名名乗っちまうんじゃろうな~きっと、なので、せめて名字だけは偽名にしとけ』


何で先回りしてるんですか、お爺さん!!


『と……取り敢えず、名字を聞かれたら偽名……っと』


「えっと……君達も冒険者なのかい?」


聞かれなかったよお爺さん、この場合どうすれば?

コソッと隠れて注意書を……


『職業とか何者か聞かれたら、適当に「えぇ、まぁ」っと言っとけば何とかなる!!』


『えぇ、まぁ』ですね、分かりました。


「いえ、冒険者じゃ無いです……」


あぁぁーまた、本当の事言っちゃったぁぁぁぁー、ってか、あの場面で『えぇ、まぁ』言っちゃったら、冒険者扱いになっちゃうじゃないですかぁー?!


チラッと注意書を見ると……


『どうせ、「えぇ、まぁ」なんて言ったら嘘になっちゃう~とか何とか心配してミスっとるんじゃろ?』


だから、何で先読みしてるんですかお爺さん?!えっと、無難に何か言わないと……


「その……お使いです」


そうそう、お使いって言っとけば何とか……


「お使い?」


あぁぁ~何か疑ってる?!えっと……注意書には……


『行き先を聞かれたら『東へ』とだけ言っとけ、間違っても『帝国』だなんて言うなよ?!フリじゃないぞ?こればっかりは絶対だぞ?』


「祖父に頼まれて、東へ行く……途中です」


わ……分かってますよお爺さん、ココ、西の聖王国と東の帝国が戦争やってるって事ぐらい、田舎者の私でも知ってますって。

いくら何でも、戦争相手の国に行こうとしてるとは、言えませんよ、えぇ、これは絶対に!!


「東って事は、僕達と同じオルボア行きかい?それとも聖都?」


あぁぁ、来ました、ここて都市名を言っちゃダメ、言っちゃダメ、言っちゃダメ……っと


「あっ、いえ……その……もっと東です」


良し、誤魔化


「もっと東?」


せなかったぁー?!不審な顔してるー?!お爺さん?!


『もっと東なんて曖昧に言うと、色々勘ぐって来るヤツもおるからな、適当に流しとけ』


あぁぁーまさに今その状況です、適当?どうやって?


「そう言えば、どうして森の中に居たんだい?」


あっさりスルーされましたお爺さん、何で?これって、私の受け答えが合ってるって事ですか?ってか……


『森の中に居た理由は聞いて欲しくなかったです』


ちょっと、お爺さんの注意書さん?教えて下さい、どうしたら?


『ここに載ってない事は……自力で頑張れ』


お爺さーん?!

あれ?やっぱり毎日更新してた?(-ω- ?)

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