尋問されてます
すみません、遅く成りました。
( ノ;_ _)ノ
椅子に完全固定されていたリリーは考えていた。
『何?何なの?私、何かしたの?朝帰って来たばっかりだし、ご飯は……ベッティーナ様達と食べたから、まぁ良いとして……ってか、あの朝食は美味しかったな~すっごく美味しかったな~。
ベッティーナ様が「私の娘になったら毎日コレ食べ放題よ?」って言って下さった時は、心がクラッとしたわ~。
カタリーナ様も「私の娘になったら、ここ以上の食事よ?」って言って下さったけど。
何故か、エマ様もハンナ様もフリーデ様も「娘に」って言ってましたが……何故でしょうか?
最後には、五人で勝負するって言ってましたが……私、娘になるなんて一言も言ってないんですよ……いや、カタリーナ様には仕事上「お義母様」と呼びましたが……』
現実逃避しながら思考を飛ばす。
「リリーちゃん、聞いてる」
目の前には、眼光「だけ」で人殺し出来そうな目つきのエッバさんが、コッチを睨み付けています。
顔は笑ってるんですが、目だけが笑ってません。
器用ですね。
その左側にはレオナさんが、右側には『剣士』のピーアさん。
剣士とは、戦士と違って細みの剣を使い、速度を重視した戦いをする人々なんだそうで。
戦士は全身鎧に片手剣と盾、あるいは両手剣、剣士は革鎧に細みの剣とナイフ……マインゴージュって言うのを使うんだとか。
レオナさんに聞いた話なんですけどね、現にレオナさんが腰に差している剣は、レイピアと呼ばれる突剣ってモノらしいです。
ピーアさんは、レオナさんのレイピアより細いエペと呼ばれるモノを装備されてます。
違いをピーアさんに聞いたら
「レイピアには刃が付いてるけど、エペは付いてないの」
って言われました……よく分からないんですけどね。
その二人の更に横には、神官見習いのジルリオーネさん、弓使いの姉妹でナディさんとリディさん。
後ろの三人は見たこと無い方達なので、昨日辺りに泊まったお客さんでしょうか?微妙に困った顔してらっしゃいます。
「これから裁判を始めます」
「待って下さいエッバさん……裁判って……何故?」
「……じゃあ、これから拷問……じゃなくて尋問を始めます」
もっと待って~、今拷問って言った?ねぇエッバさん、拷問って……
「さて、被告リリー、貴女、彼氏が出来たそうね?」
「はぁ?」
ジト目でこっち見て来るエッバさん。
この人何言ってるんですか?彼氏?彼氏って何?えっと……
「彼氏なんて……いませんけど?」
「はいジル、やっちゃって」
『びしっ』と言う音が出そうな感じで指を差し、神官見習いのジルリオーネさんに命令してます。
……ってか、え?何?何で私の後ろに回り込んでるんですか?
「う~ん、リリーちゃんゴメンね」
「へ?」
ジルリオーネさんが、そっと両手を『私の腰』辺りに回して来てます。
あっ、何か良い香りが……じゃなくて、
「あ……あの……ジル……リオーネさん?」
『するり』
布が擦れる音がしたんですが……
「ふふふ」
ちょっとジルリオーネさん?ねぇジルリオーネさん?笑顔が恐いです。
後、何で私の服を……腰の辺りを捲り上げてるんですか?あっ、ジルリオーネさんの指って、もの凄く細いんですね……じゃなくて……
『つつつ……』
「ひあっ?!」
左右の腰の辺りに指を這わせながら、ゆっくりと上へと上がって行く。
「ちょちょちょちょっと……ジルリオーネさん??」
「あらリリーちゃん、この辺の肉付きが良くなったんじゃない?」
「ふひゃっ?!」
あばら骨の下から前後にゆっくりと指を這わせながら、少しずつ上へと上がって行く。
……って、実況してる場合じゃないんですが!!
「やっ……やめ……!!」
「さてリリーちゃん、もう一度聞くけど、彼氏が出来たの?」
さっきよりも感情の無い目でコッチ見て来るエッバさんですが、ホント何の事ですか?
「い……いません……彼氏なんて……いません!!」
あばら骨触られるのって、意外とくすぐったいんですね……って、そうじゃなくて!!
「ジ~ル~、もう一寸真ん中辺りをやっちゃって」
「はいは~い」
『さわり』
「ひぃぃ?!」
ちょっ?!そこはダメ、待って!!ホントダメ!!
「あら~この辺、何かあるみたい、何かしらね?」
「ひゃあ?!」
首を左に振ったら、ジルリオーネさんの笑顔が見えます……なんか、目が恐いんですけど……エッバさんと違う目付き?
なんて言うか、こう……熱っぽい?頬も赤いですよ?
って、そんな場合じゃなくて、胸の下辺りに細く長く指がゆっくり這って来る?!
「止めて止めて止めてぇ~?!」
『ごくり』
後ろで喉を鳴らす大きな音が聞こえましたけど誰?
いや、それよりも
「く……黒騎士さん……助けてぇ!!」
大声で叫んだつもりでしたが、思ったより出てない様です。
いつの間にか居なくなってた黒騎士さんですが、何処行ったの?
『がちゃっ』
「「「?!」」」
エッバさんを除く全員の視線が、エッバさんの後ろにある通路の左側、少し開いた扉に集中してます。
そこから見えるのは、真っ黒い鎧兜、黒騎士さん?
『ばたん』
数秒程コッチ見てたと思ったら、さっさと閉まりましたよ、何で?!
「く……黒騎士さ」
『くいっ』
「ひぁぁぁぁ~?!」
後ろから回された掌が胸の前に来てます、って
「う~ん、やっぱり小さいわ」
「ほ……ほっといて……下さい!!」
思わず叫んでしまいましたが……ちょっと、微妙に指先を動かさないで下さいジルリオーネさん?!
「アンタら、ここは色事する所じゃないんだよ!!」
あぁぁ~救いの神、デボラさん助けて。
「まったく、椅子とテーブルは元の場所に戻しとくんだよ!!後、床の掃除もしとくんだよ?」
「はぁ??」
「「「は~い」」」
私と後ろの名前も知らない女性冒険者さん達以外は返事してますけど……
「で……デボラさん?!」
「さ~て、デボラの姉さんの許可も出た所で……ジル、やっちゃつて良いよ、本気で」
ひぃ、待って待って待って~、本気って何?いったい何を?
ってか、正面のエッバさんと後ろのジルリオーネさんの気配が……ちょっと……
「ふふふ、大丈夫よ、優しくしてあげるから」
『かぷっ』
ひぃぃ~耳噛んだ~ジルリオーネさんが耳噛んだぁぁぁぁ~、お願い止めてぇぇぇぇ~!!
もう、誰でも良いから助けて……。
ω・`)ノシ{微エロ?