隅々まで洗われました
今回、少々エロいです……うん、少しだけ( ノ;_ _)ノ
早朝、日の出と共に
「おはようございますリリー様」
十人のメイドが室内に入って来た。その声に驚き飛び起きたリリーを隣の部屋へと引きずるように連れていく。
そこは風呂場であった。大理石の浴槽が置いてあり、お湯が半分程注がれていた。
茫然とするリリーをあっと言う間に裸にすると、有無を言わさず浴槽へと浸ける。
「あ……あの?」
ここまで僅か五分程の早業であったが、現状を理解出来ないリリーはされるがまま。
ちなみに黒騎士は、メイドが入って来た瞬間、室外へと追い出されていた。やはり有無を言わさず。
「リリー様、湯加減は如何ですか?」
一番若いメイド……リリーより年上……がリリーに声をかけて来るが、
「え?あの……はい……丁度良いです……ではなくてですね」
「では、髪の毛を洗わさせていただきます」
「え?ちょっと待っ……」
言葉を発する間も無く、髪の毛にお湯をかけ石鹸を付けた指で優しく手揉みされる。
「凄い滑らか」
「艶もあるわ」
など話すメイド達、髪の毛に付いた石鹸を洗い流すと
「顔失礼しますね」
「えっ?」
目を瞑らされ、おでこ、ほっぺた、あご、鼻筋に泡立てた石鹸を薄く塗り込んていく。
「あの……」
「口は閉じてて下さいね」
「は……はい」
マッサージも兼ねて念入りに解される。
「穴もしっかり掃除しないと」
「ふぇ?!」
横に居たメイドに、綿棒のようなモノで念入りに拭き取られる……もちろん『耳の穴』を
「こちらの穴も掃除しますからね」
「ふぁ?!」
同じく、別のメイドに、綿棒のようなモノで念入りに拭き取られる……『鼻の穴』を
「次はお身体を流しますので」
「へっ?」
メイドの中で、一番体の大きなメイドに後ろか抱え上げられ、足が浮いた状態で複数のメイドが、手に手に石鹸を持ち、それはもう……全身を隅々まで洗って行く。
「ひぁ、ちょっと……待って……」
「まぁ、髪もサラサラでしたがお肌もスベスベ」
だんだんと『キャアキャア』と年若いメイド達の声が響く風呂場
「ひっ?!ちょっと……そこは……待って?!」
「こちらの穴も綺麗にしないと」
ニヤニヤした年若いメイドに、やはり綿棒の様なモノで念入りに拭き取られていく……言えない場所を。
「にぎゃあぁぁぁぁぁぁーーー!!」
リリーの絶叫が風呂場内に響き渡る。
身体の隅々まで洗われたリリーは、お湯を張り替えた浴槽でグッタリとしていた。
部屋の中に踏み込まれてからココまで三十分程の出来事だった。
浴槽の中のリリーは
「もう……お嫁に……行けない」
など、涙目になりながら呟いていた。
ーーー
その頃の室外では……
リリーの悲鳴を聞いた黒騎士が室内に押し入ろうとしているのを阻止する執事&メイド達と言う、静かな戦いが繰り広げられていた。
ーーー
先程まで楽しそうな笑みを浮かべていたメイド達も、元の真面目な顔になり、それぞれタオルを持って待機している。
「リリー様、そろそろ上がりませんか?」
例の一番年若いメイドが声をかけ、リリーをゆっくりと立ち上がらせる。
浴槽から出てフラフラしている所を後ろから支え、その隙に他のメイド達が一斉にリリーの身体を拭き取る。
タオルを擦り付けるのではなく、上から軽く叩くように手際よく身体中の水分を取り除いていく。
「ポンポンポンポン」
メイド達の手際とリズミカルなポンポン音に疲れきっていたリリーの表情が緩む。
「はぁ~……何だか……気持ち良いかも」
身体中の水分を取り除き終え、やっと終わった~っと安心しきっていたリリーだったが
「ん?」
何やら漂う香りに鼻をヒクヒクさせてしまう。甘い香り爽やかな香り、その他にも色々な香りがしてくる。ふと、そちらへと視線を向けると……各メイドが小瓶から液体を手のひらへと移し、塗りたくっていた。
何やら『ピカピカ』してて『ヌメヌメ』しているそれを見て、とても嫌な予感のするリリー、そのリリーの視線を受けたメイドが
「では次ですね」
っと一言発すると、『ぐるり』とメイド達に囲まれた。
「あ……あの?」
脅えた顔のリリーの全身に、その『ピカピカ』『ヌメヌメ』したモノを塗りたくりだす、ご丁寧に大柄なメイドに抱え上げられながら
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁー?!」
顔、首、肩、腕、胸、お腹、腰、足、さらには足の裏まで塗られまくる。
「ぬりぬりぬりぬり」
身を揉みながら、丹念に塗る。リリーとしては、恥ずかしいやらくすぐったいやら……取り合えず、変な声が出ない様我慢をし声を圧し殺す。
10分もすると、顔を真っ赤にしたリリーがメイドに抱え上げられたまま『ぶらり』と垂れ下がっていた。それはまるで天日干し中の布団の様な感じで。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
小さな声で謝罪を呟くリリー、そんなリリーの様子を見て、背筋に『ぞくり』とした感覚を覚えたメイドが数名居たのだが……
さらには、普段洗われ慣れている貴族と違い、リリーのような一般人の反応に新鮮さを覚えたメイドが、ベッティーナに色々熱く語り、結果、この世界初の『女性専用お風呂』と称した、所謂『エステサロン』が作られる事になったのだが、それは後の話。
身体の滑りが渇いたのを見計らい床に下ろされたリリー、
『今度は何?!』
っと警戒心を顕にしていたが、またタオルを持ったメイド達に
「表面のみを落とすんですよ、擦り過ぎて染み込んだ匂いまで落とさないよう注意して下さい」
っとの合図と同時に、全身を軽く拭き取られていく。少しずつ少しずつ丁寧に。表面の滑りが乾き、何やらパリパリする感覚を少しずつ剥がしていく、薄皮を剥ぐように
されるがままのリリーの目に力は無く、ただただ天井を扇ぐばかり。時おり「空きれい」などと呟き声が聞こえるが、残念ながら目線の先には天井しか無い。
身体を拭き終え、もはや考える事を放棄したリリーにメイド達は衣装を着けていく。下着を着け、ブラジャー……は、どうやら胸肉が足りなかったらしく放棄、一番小さいコルセットを無理矢理着けると、いつも以上に細く小さな身体のリリーが出来ていた。
外を見ると、日は天高い位置にあり時刻的には昼前だった。
茫然とする下着姿のリリーを椅子に座らせて、メイド達は軽い軽食を用意する。
目の前に出されたサンドイッチを少しずつ食べていく、ただ黙々と……様子を身に来たベッティーナ達が
「貴方達、リリーちゃんに何をしたの?」
っと、怪訝な表情で聞き込む程の有り様になっていた。
結局、昼から最後のダンス練習は中止となり、茫然とした状態のリリーが復活するまでかなりの時間を有する事となった。
次は火曜までに仕上げます。