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ギルドに顔を出しました

仕事が忙しくて、なかなか続きを書く時間がありません。

私が14歳の頃から冒険者ギルドの受付をやって早15年、今まで沢山の冒険者を見てきました。


一攫千金の夢を見る若者、どこぞのお伽噺の英雄譚に憧れる者、腕っぷしに自信のある者、明らかに裏家業やってたと思われる者等々……


でも、今……私の前に居る子は……この西方では珍しい黒髪、黒目、背も小さく……何て言うか……


「えっと……もう一度聞くけど、間違ってたらご免なさい、貴女10歳……越えてるの?」


とても悲しそうな顔をしたその娘は、消え入りそうな声で


「あの……私13歳……です」


いやいやいや、どう見ても『10歳』越えてないでしょ~?!



ーーー

リリー達が冒険者ギルドに赴いたのは、商人ギルドに寄ってから2時間程たってからだった。


商人ギルドでは、ゴブリンに喰われた馬の代金で少々揉めたものの、非常事態であった事が認められ、僅かな違約金だけで済む事となった。そして、商人と御者にお礼を言われつつ冒険者ギルドへと向かう事になったのだが……


早朝の喧騒が一段落した冒険者ギルド、アベルを先頭に入り口を潜る。一階は酒場兼食堂になっている為、10人程の冒険者が居た。


その目が一斉に入り口へと向かう、全員の目線の先には『身長2メートル越えの黒い鎧』と言う、なんとも怪しい存在がいた。


もっとも、一部冒険者の目線は、黒い鎧の騎士の前を『ちょこちょこ』と擬音が出そうな感じで小走りするリリーに向いていたのだが…… 


「あらアベル、戻ったのね」

「やぁジーンさん、ただいま」


受付カウンターの向こうから顔を出したのは、20代後半の女性であった。茶色いジャケットを羽織り胸にはギルド員を指し示すバッジが付いている。彼女はアベルから受け取った用紙に軽く目を通しサインをする。


「あら?イーリス君の姿が見えないみたいだけど、怪我でもしたの?寺院かしら?」

「……」


イーリス、あのゴブリンに喰い殺された戦士の名前だった、その名を聞いたアベルは、腰の袋から銅色のプレートを出し、


「道中でゴブリンの大群に会い、アイツは……」

「……そう」


ジーンは悲しげな顔をしながらも、引き出しから書類の束を出す。それを捲り、真ん中辺りから一枚を抜き出す。その紙に赤いインクでバツ印を付け、アベルへと渡す。


「じゃあ、下に確認のサインしてくれる?」

「……はい」


これは、パーティーメンバーが死亡した際の証明であった。ギルド結成初期に、借金などから逃れる為、偽装死亡を企む者が多かった為、冒険者の死亡には、出来るだけ証拠が必要となった。


とは言え、何時どこで全滅するか分からない冒険者の事、全体として見れば、死亡が確認出来るのは半分にも満たない。


「で、そちらの二人は?」


アベルのサインの入った書類を受け取ったジーンは、それを別の棚のファイルに仕舞い、パーティー後方のリリー達を見て問いかける。見知らぬ人がギルドに来る以上、何か用事があると見ての声かけなのだが


「えっと、その件で二つ用事があるんですが」

「何かしら?」


死亡届の件から気分を切換え、正面を向くジーナ。


「1つは今回の件で、ギルドマスターに報告する事があります、取り次ぎをお願いしたいのです」


ゴブリンキング等の上位種無しに30匹以上のゴブリンが徒党を組む、ある意味非常事態と言える事だった。当然、ギルドへの報告の義務が発生する。


「もう1つは……この二人の登録をしたいのです」

「登録?」


そう言うとリリー達を見るジーンだったが……困った顔をしつつ


「えっと、アベル?知ってると思うけど、冒険者登録は13歳からよ?」


そう言うと『ちらっ』とリリーの方を見る。その目線に顔を赤くしたリリーが


「あの……私13歳……です」

「「「「「えぇぇぇぇぇー?!」」」」」


黒騎士と年齢を聞いていたアベル以外の全員が、消え入りそうな声を聞いて大声を上げていた。

もっと、サクサク進めるようにしないと……

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